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妊娠糖尿病が妊婦にもたらす合併症(1)妊娠高血圧症候群

更新日:2016/12/09 公開日:2015/09/28

糖尿病が妊婦・子供に与える影響

妊娠糖尿病がもたらす合併症の1つに「妊娠高血圧症候群」があります。ドクター監修のもと、妊娠高血圧症候群の定義や診断基準、発症した場合の母体と胎児への影響について解説します。

妊娠糖尿病がもたらす合併症に「妊娠高血圧症候群」があります。これはどのような病気なのか、また発症すると母体と胎児にどのようなリスクがあるのかについて解説します。

妊娠高血圧症候群とは

日本産科婦人科学会では、「妊娠高血圧症候群」を「妊娠20週以降~分娩後12週まで高血圧がみられる場合、または、高血圧にタンパク尿をともなう場合のいずれかで、かつこれらの症状が単なる妊娠の偶発合併症によるものでないもの」として定義しています。

妊娠高血圧症候群の中にも分類があり、高血圧のみの場合を「妊娠高血圧症」、高血圧とタンパク尿の両方がある場合を「妊娠高血圧腎症」と言います。

以前は、妊娠中期以降に高血圧、タンパク尿、むくみのいずれか1つ、もしくは2つ以上が現れることを「妊娠中毒症」と呼んでいました。しかし、医学的な研究が進むにつれて、母体や胎児に直接影響する異常は「高血圧」が中心であることがわかってきたため、高血圧が認められる場合に焦点を絞った病名として「妊娠高血圧症候群」と呼ぶようになりました。よって、タンパク尿が確認されても、血圧が正常な場合は「妊娠タンパク尿」、むくみだけの場合は「妊娠浮腫」と呼ばれ、妊娠高血圧症候群とは区別されます。

また、なんらかのストレスがかかって一時的に高血圧になったり、妊娠とは関係ない病気が原因で高血圧になっている場合は、妊娠高血圧症候群には含みません。妊娠高血圧症候群と診断されるのは、次のような場合です。

軽症

血圧…収縮期血圧が140mmHg以上160mmHg未満。もしくは、拡張期血圧が90mmHg以上110mmHg未満。

タンパク尿…正確に測定するときは、原則として24時間尿を用いた定量法で判定し、300mg/日以上で2g/日未満の場合。

重症

血圧…収縮期血圧160mmHg以上もしくは、拡張期血圧110mmHg以上。

タンパク尿…2g/日以上(24時間尿を用いて判定)、もしくは、連続して300mg/dl以上(随時尿を用いた複数回の新鮮尿検体で判定)。

※いずれも、「日本妊娠高血圧学会のガイドライン」によるもの。

妊娠高血圧症候群の症状

妊娠高血圧症候群は自覚症状がほとんどないため、検査をしないとわからないことが多いです。ただし、自分でも気づきやすい初期症状に、むくみがあります。

むくんでいるかどうかをもっとも判断しやすいのは、脂肪が少ないスネの部分です。スネを指で押してみたときに、へこんだまますぐに元に戻らない場合は、むくみがあるということになります。ただし、妊娠中は誰でもむくみやすくなるので、高血圧や尿タンパクがなく、一晩寝て治る程度のむくみであれば心配はありません。

妊娠高血圧症候群の症状が進むと、頭痛やめまい、目がチカチカする、胃痛、吐き気などの症状が現れてきます。さらに重症になると、脳出血、肝臓や腎臓の機能障害、肝機能障害、溶血(赤血球が破壊される現象)と血小板減少をともない血が止まりにくくなるヘルプ症候群、全身のけいれん発作を起こす子癇発作(しかんほっさ)などを起こすことがあり、非常に危険です。

また、妊娠高血圧症候群は胎児にも悪影響を及ぼします。重症の場合は子宮や胎盤の血流が悪くなるので、胎児が子宮内にいるうちに胎盤がはがれ落ちる常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)や、発育不全(十分な栄養や酸素が届かないため)、早産や出生時の仮死状態などが起こることがあります。

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