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妊娠糖尿病が妊婦にもたらす合併症(4)糖尿病性ケトアシドーシス

更新日:2018/05/10 公開日:2015/09/28

糖尿病が妊婦・子供に与える影響

妊娠糖尿病にはさまざまな合併症が起こりますが、もっとも重篤といわれるのが「糖尿病性ケトアシドーシス」で、母体や胎児が死ぬこともある危険な症状です。ドクター監修のもと、糖尿病性ケトアシドーシスの症状とリスクについて解説します。

妊娠糖尿病が妊婦にもたらす合併症の中でも、もっとも重篤とされるのが「糖尿病性ケトアシドーシス」です。どのような病気で、母体と胎児にどのようなリスクをもたらすのか。詳しく解説します。

糖尿病性ケトアシドーシスが危険な合併症とされる理由

糖尿病性ケトアシドーシスは「糖尿病性昏睡」の1つで、早期に適切な治療が施されないと死亡率がおよそ10%にも及ぶ危険な合併症です。また、妊娠中に発症すると、胎児死亡が22~35%の頻度で起こるため、十分な注意が必要です。

ケトアシドーシスとは

すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンが不足すると、血液中のブドウ糖(血糖)がうまく利用されず、高血糖状態になります。ブドウ糖は全身のエネルギー源として使われる物質なので、体はブドウ糖を利用できないと、代わりに脂肪を分解してエネルギーをつくり出します。その際に「ケトン体」という副産物が生産されます。通常、ケトン体は尿などから徐々に排泄されますが、量が多いと血液中に溜まってしまいます。このように、血液中にケトン体が多くなっている状態を「ケトーシス」と言います。

ケトン体は酸性の物質なので、ケトーシスになると、本来はアルカリ性の血液が酸性に傾いてしまいます。血液が酸性になっている状態を「アシドーシス」と言い、その原因がケトン体の場合を「ケトアシドーシス」と言います。

糖尿病性ケトアシドーシスの症状

ケトアシドーシスの状態が強くなると、口渇(こうかつ)、多飲、多尿、脱水症状による頻脈や低血圧などの症状が現れます。さらに悪化すると、呼吸困難、速く深い呼吸(クルマウル呼吸)、嘔吐、強い腹痛などの症状を経て、昏睡状態に陥ります。適切な処置が遅れると死に至ることもあるので、少しでもおかしいと感じたら、一刻も早く医療措置をとることが大切になります。

妊娠中の糖尿病性ケトアシドーシスを防ぐために

妊娠中のケトアシドーシスを防ぐためには、高血糖をできるだけ防ぐとともに、食事の間隔が開きすぎないようにして、空腹の時間帯を減らすことが大切です。というのも、妊娠中は、空腹時は母体の血糖が胎児のエネルギー源として優先的に使われるため、母親自身は脂肪を分解してエネルギーをつくり出さなくてはならず、ケトン体の産生が増加しやすいためです。

よって、1日の総摂取エネルギー(kcal)を朝・昼・晩の3回ではなく、6回くらいに分けて食べるとよいとされています。また、ケトーシスが起こりやすいのは朝食前なので、夕食から翌日の朝食までの時間が長い場合は、夜食として乳製品など、血糖値をゆっくり上昇させるものを食べるようにしましょう。

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