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糖尿病の治療法(1)薬物療法

更新日:2016/12/09 公開日:2015/09/27

糖尿病の治療と検査

糖尿病の治療の基本は食事療法と運動療法ですが、必要に応じて薬物療法が用いられることもあります。薬物療法が行われるケースと使用される薬について、ドクター監修のもと解説します。

糖尿病の治療法の1つに「薬物療法」があります。薬物療法が行われるケースと行う際の注意点、使われる薬の種類についてご紹介します。

糖尿病の薬物療法とは

2型糖尿病の治療は、食事療法と運動療法を基本としています。これらを適切に実行しても血糖コントロールが思うように進まない場合は、薬物療法が併用されます。ただし、糖尿病が進行していて自覚症状が現れていたり、合併症の恐れが強い場合は、初めから薬物療法が行われることもあります。1型糖尿病の場合も、分泌されるインスリンの量が決定的に不足しているため、治療開始時から薬物療法を行っていきます。いずれの場合も、薬物療法だけを単独で行うのではなく、食事療法・運動療法と併せて行うのが基本です。

薬物療法で使われる薬

薬物療法に使われる薬は、大きく「飲み薬」と「注射薬」に分けられます。

飲み薬

飲み薬が用いられるのは、2型糖尿病の薬物治療です。飲み薬にはさまざまな種類がありますが、主に「インスリン抵抗性を改善する薬」「インスリン分泌を促す薬」「糖の吸収や排泄を調節する薬」に分けることができます。

薬の種類は、患者の血糖値の状態、インスリンの分泌量、筋肉や肝臓のインスリンに対する反応などを測定・推定しながら選び、場合によっては複数の薬を組み合わせて利用することもあります。

注射薬

「インスリン注射」は、1型糖尿病の人にとって不可欠なものです。また、2型糖尿病で、飲み薬を使っても血糖コントロールがうまくいかない場合などにも用いられます。最近では、2型糖尿病でも早期の段階からインスリン注射を使うことも増えてきました。それは、2型糖尿病の発症時にインスリン注射を使い、血糖の状態を整えた後に飲み薬を使うと、血糖コントロールの安定状態が続くことがわかってきたためです。

※飲み薬について、詳しくは『糖尿病治療に使用される薬』を、インスリン注射については『糖尿病とインスリン注射の効果』をご覧ください。

薬物療法の注意点

飲み薬やインスリン注射を使っていると、薬が効きすぎて血糖値が異常に下がってしまうことがあり、これを「低血糖」と言います。低血糖は、血糖値がだいたい60~70mg/dL未満になると現れますが、血糖値の高い人や、急激に血糖値が下がったときなどには、100mg/dl程度でも現れることがあり、発現レベルには個人差があります。

低血糖になると、強い空腹感、動悸、手の震え、冷や汗、不安感などの症状が現れます。さらに、血糖値が下がると脳がエネルギー不足になるため、眠気、集中力の低下、頭痛、強い脱力感などの症状も現れ、重症になると意識の消失や痙攣(けいれん)などが起こって昏睡状態に陥ることもあり、非常に危険です。

低血糖が起きたら、血糖値を上げるためにブドウ糖を補給する必要があります。手元にない場合は、ブドウ糖や糖質を含む清涼飲料水でも構いません。ただし、飲み薬の「α-グルコシダーゼ阻害薬」は、砂糖などの糖質がブドウ糖に分解されるのを抑制する作用があるため、これを服用している場合はブドウ糖でないと対処できません。

また、昏睡状態に陥ると自分では対処できなくなるので、家族やまわりの人に低血糖のことを知っておいてもらうことも大切です。自分が糖尿病であることを周りの人に伝えるために、日本糖尿病協会が発行している「糖尿病患者用IDカード(緊急連絡用カード)」※を携帯しておくのもいいでしょう。

※(糖尿病患者用IDカード)~低血糖や交通事故などの緊急時に、周りの人や医療関係者に糖尿病であることを知らせ、適切な処置を促すもの。

薬物療法は、1回に使う薬の量や1日の使用回数、服薬や注射のタイミングなどを決められた通りに行うことが大切です。飲み忘れたり、自己判断で量やタイミングを変えることのないようにしましょう。また、薬についての疑問や不安などがあるときも、自己判断をせず、必ず担当医に相談してください。

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