スキンケア大学 ヘルスケア大学 メンズスキンケア大学

不妊治療(2)排卵誘発剤

更新日:2018/05/16 公開日:2015/09/28

不妊・不妊症

不妊治療を行っていくためにはステップがあり、さまざまな治療法があります。そのなかで使用される排卵誘発剤はどのようなものなのでしょうか。またどんな作用やリスクがあるのでしょうか?そこでドクター監修のもと、不妊治療の排卵誘発剤について解説します。

不妊治療にはさまざまな方法があります。ここでは、排卵誘発剤を使った不妊治療について詳しく紹介していきます。

排卵誘発剤による妊娠のメカニズム

排卵誘発剤とは、卵巣を刺激して卵胞の発育を促す薬のことです。通常、1回の生理サイクルで排卵される卵子は1個です。これは、もっとも発育の進んだ卵胞であり「主席卵胞」と呼びます。しかし、卵胞は主席卵胞以外にもいくつも存在していて、それ以外は栄養分として吸収されます。

排卵誘発による不妊治療は、卵巣を刺激してよりよい排卵を起こし、卵巣機能を高める方法です。卵巣機能が不調で排卵しにくい人に排卵を起こさせる目的と体外受精において良好な卵子を多数得る目的で使用されます。排卵誘発剤は、自力で卵胞が育たない方、たまにしか育たない方、育つまで日数がかかる方にはとても有効です。一方で、きちんと排卵ができている方でも、不妊治療のステップやタイミング法のひとつとして使用されています。

また、子宮内膜が薄過ぎるために妊娠できない方にも有効的です。この場合は、子宮内膜を厚くしたいため、飲み薬の排卵誘発剤ではなく注射を用います。子宮内膜を厚くしたいときにエストロゲンを使うこともあるのですが、そのときも排卵誘発剤がセットで使われています。

排卵誘発剤の種類

排卵誘発剤は、飲み薬と注射に分かれます。

飲み薬

「クロミッド」「セキソビット」「セロフェン」などの錠剤タイプのもの。これらの飲み薬は、脳に働きかけ、卵胞刺激ホルモンの分泌を促すことで、卵胞の育成を促進します。

メリット
注射に比べて、効き目は穏やかで、副作用が比較的少ない。双子以上を妊娠する多胎率は4~6%と低め。
デメリット
注射に比べて、排卵誘発効果は低い。また、長期間服用すると、子宮内膜が薄くなったり、子宮頸管粘液の分泌量が少なくなる場合がある。

注射

「rFSH(rFSH=遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン)」「hMG(下垂体性性腺刺激ホルモン)」の2種類があります。直接卵巣に働きかけ、卵巣の育成を促進します。

メリット
飲み薬よりも高い排卵誘発効果がある。
 
デメリット
お腹の痛みや張りなどの副作用が強く、重症化すると、卵巣の腫れや胸水や腹水などを招く「卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」を引き起こすことがあります。多胎率の確率は、約20%と飲み薬に比べて高いのも特徴です。

飲み薬か注射かの選択は、治療のステップやホルモンの状態などによって使い分けますが、飲み薬よりも注射の方が効き目が強いため、最初に飲み薬を使って効果がなかった時に注射、という流れが多いようです。場合によっては、飲み薬と注射を併用するケースもあります。

排卵誘発剤を使用する際のリスクや副作用はあるのか

排卵誘発で複数の卵胞が育つことによって、多胎妊娠の確率が高くなります。また、卵巣の腫れや胸水や腹水などを招く卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などの副作用もあるため、医師の指示に従って治療を行うことが大切です。

不妊治療の種類と特徴

不妊治療の種類と特徴について解説します。

一般的な不妊治療(保険適応です)

タイミング法
排卵日を診断して性交のタイミングを合わせる治療です。
排卵誘発法(薬物療法)
排卵誘発剤を使ったホルモン療法で妊娠率を向上させます。漢方薬などを投与する場合もあります。
卵管造影法
子宮内に造影剤を注入し、子宮の状態や卵管の通り具合、詰まっていないかなどをみる検査です。検査でありつつも治療をかねます。

手術療法(保険適応です)

腹腔鏡手術
卵管を閉塞させていた癒着などをはがし、卵管の通りを改善します。
精管形成術
欠損した精管を再建させたり、ふさがっている精管の通りを改善します。

生殖補助医療(保険適用外です)

人工授精
精液を注入器を用いて、子宮頸管を介さず、直接子宮内に送り込みます。
体外受精
卵巣から取り出した卵子を体外で受精させ、受精卵を子宮に戻します。
代理懐胎
代理母や借り腹などで子供を授かります。現在日本では行われていません。

不妊治療の進め方のポイント

不妊治療は、「妊娠するための手段」ではありません。押さえておきたいポイントは、「妊娠をさせにくくしている原因を治療すること」と「妊娠する可能性を高めること」の二本柱で進めていくことです。ですから、不妊の原因を根本から治そうとは思わずに、足りないものがあったら補う、多いものは少し抑える、ときにはちょっと別のものに替えてみるなど、妊娠しやすい状況に導いていくことが大切です。

なお不妊の原因については、以下の記事をご参考ください。

また、一般的な不妊治療は、まずは排卵誘発剤やタイミング法によって自然妊娠へのアプローチを行います。もし難しいようなら人工受精、それでも難しいときに体外受精と段階を踏んで進めていきます。これはステップアップ治療と呼ばれており、段階が進むごとに妊娠率は上がっていきますが、その分負担も大きくなります。

もちろん治療を進めながら、食生活の見直し、起床時間と睡眠時間の見直し、冷え性の改善、ウォーキングなどの運動を活用し、ご自身のペースで妊娠力を高める体づくりも行いましょう。

この病気・症状の初診に向いている科 産婦人科

ヘルスケア本