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カンジダ症の原因は?性行為?それともストレス?

更新日:2018/04/23 公開日:2015/09/28

カンジダ(性器カンジダ症)の基礎知識

「カンジダ」は性行為でなる病気だと思っていませんか? 実は、性行為がなくても、ストレスや過労、生活習慣などで起こる病気なのです。ここでは、カンジダ症の概要と、女性に多い性器カンジダ症の原因について詳しく解説します。

◎短くポイントをまとめると
カンジダは腟内や腸管内、皮膚表面などに常に存在している真菌(カビ)であり、普段は悪さをしない
抵抗力が下がったり、カンジダが増殖しやすい環境になると「カンジダ症」が起こる
性器カンジダ症は、性感染症でもあり、日和見感染症でもある

カンジダのイメージ画像

「カンジダ」と聞くと、性行為が原因でうつる病気(性病、性感染症)のことだと認識する人が多いのではないでしょうか。しかし、赤ちゃんや高齢者でもカンジダによる病気があったり、テレビでは「自分で治せるカンジダの薬」のCMが流れていたりして、性病というイメージとのギャップを感じたことがあるかもしれません。

実は、カンジダによる病気(カンジダ症)は性行為とは関係ないことが原因でも起こります。陰部で発症する「性器カンジダ症」も、性行為と直接関係なくても発症することがあるのです。ここでは、カンジダ症の概要と、女性に多い性器(腟)カンジダ症について詳しく解説します。

カンジダ症ってうつる病気?

カンジダ症は、カンジダという真菌(カビ)が増殖して起こる感染症の一種です。感染症と聞くと「うつる病気」と思われがちですが、カンジダ症の場合は必ずしも「他人からうつって発症した」と言い切れません。なぜなら、カンジダは目には見えませんが、人間の皮膚などにくっついて常に存在しているものだからです。

カンジダは普段は悪さをしませんが、通気性が悪く蒸れた環境になったり、体調を崩して身体の抵抗力が下がってしまったり、抗生物質(抗菌薬)の服用によって他の細菌との共生バランスが変わったりすると、悪さ(感染・増殖)をするようになります。カンジダが悪さをするようになって症状が出た状態を「カンジダ症」と呼びます。カンジダがいるから「カンジダ症」になるわけではなくて、カンジダによる症状が出てはじめて「カンジダ症」と呼ぶのです。

カンジダが原因で起こる病気は?

カンジダは身体のいろいろなところにいるので、どこで悪さをするようになったかで病気が起こる場所も変わります。そのため、カンジダによる病気は全身のどこでも発症しえます。おおまかには表在性(皮膚や粘膜に発症するカンジダ症)と深在性(消化管内や臓器、血液内で発症するカンジダ症)に分けられます[1]。

表在性カンジダ症
皮膚や口腔内、外陰部、腟内などに発症
深在性(全身性)カンジダ症
血液内、肝臓、脾臓、食道などに発症

表在性カンジダ症は症状が比較的軽く、もともと健康な人でも起こる可能性があります。一時的に抵抗力が下がっているときに発症してしまいます。

一方、深在性カンジダ症は病状が重く、もともと病気があって抵抗力が非常に下がっている人だけがかかる病気です。普通に生活できている人が発症することは滅多にありません。抵抗力が下がっている人に起こる感染症のことを「日和見感染症」(ひよりみかんせんしょう)といいます。

以降は、性感染症でもあり、日和見感染症でもある性器カンジダ症を取り上げて、詳しく解説します。

性器カンジダ症の男女差

性器カンジダ症は、その名の通り、性器におけるカンジダ症です。男女ともに見られますが、圧倒的に女性の方が多い病気です。カンジダはカビですので、女性の陰部のように湿った環境のほうが、男性の陰部のように比較的乾いた環境よりも繁殖しやすいのです。女性においては日常的に頻繁にみられる病気です。

腟内からのカンジダ検出率は非妊婦で15%程度、妊婦で30%程度です[2]。

女性における発症部位は外陰部の皮膚と腟内です。女性の性器カンジダ症は通常外陰腟カンジダ症と呼ばれます。

男性にみられる場合には亀頭炎として発症しますが、発症する場合の多くは、包茎や糖尿病の合併などが背景にあるようです[2]。

女性が外陰腟カンジダ症になる原因

性器カンジダ症は「性感染症でもあり、日和見感染症でもある」と述べました。女性の場合、外陰腟カンジダ症は性行為をきっかけにも発症しますが、その多くは抗生物質投与例で発症しています。性行為での発症も、相手から感染するというより、性行為や行為後の洗浄により腟内の細菌環境が変化することでカンジダが増殖することで発症するともいえるので、必ずしも性行為の相手からうつるわけではありません。そのほか腟内の洗浄のしすぎや、妊娠、睡眠不足、ストレス増加など、もともと外陰部や腟にいたカンジダが、腟内細菌環境の変化や身体の抵抗力が下がったことをきっかけに起こる日和見感染症の側面が非常に多い疾患です。

性感染症ではなく日和見感染症として、女性が外陰膣カンジダ症を起こしてしまう原因を列挙してみます。

  • 抵抗力の低下 ⇒ストレス、体調不良、過労、睡眠不足、ステロイド薬の使用
  • 腟内細菌環境の変化 ⇒ホルモンバランスの変化(妊娠中、月経前など)、抗生物質の使用(腟内環境を整える乳酸菌の減少)、陰部の洗浄しすぎ(乳酸菌の減少、外陰皮膚のバリアー崩壊)
  • 陰部環境の湿潤 ⇒通気性のよくない服や下着の着用、おりもののついたシートを長時間交換しない

上記の中で特に「洗浄しすぎ」に注意が必要です。カンジダ症を発症したときに、かゆみがあっておりものが多くなるため、過度に洗浄してしまう人が多いのですが、その行為自体がますますカンジダが増殖させてしまったり、カンジダ症がなかなか治らない原因につながっている可能性があるのです。

なお、外陰膣カンジダ症の症状、治療、予防については、『膣カンジダを市販薬で治すには?効かない原因は?』『膣カンジダの症状と原因』などの記事をご覧ください。記事リストはこちら⇒『家庭の医学 カンジダ』

参考文献

  1. [1]“カンジダ症” 南山堂医学大辞典 第20版. 南山堂 2015
  2. [2]日本性感染症学会. 性感染症 診断・治療ガイドライン2016, Jpn J Infect Dis 2016: 27(1); 86-90

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