温熱蕁麻疹の症状と原因、治療について
更新日:2016/12/09 公開日:2015/09/28
蕁麻疹の症状と対処法
温熱蕁麻疹とは、「皮膚が急に温まることが原因で起こる蕁麻疹」のこと。温熱蕁麻疹とはどんな状態の時に起こり、どのような症状が現れ、また、どう対処すればいいのかについて、ドクター監修の記事にて詳しくお伝えします。
皮膚が急に温まることが原因で起こる蕁麻疹を「温熱蕁麻疹(おんねつじんましん)」と呼びます。
温熱蕁麻疹とは
皮膚が急に温まると出現する温熱蕁麻疹とはどういうものか、詳しくみてみましょう。
原因は?
皮膚の温度が急に温まることがきっかけで蕁麻疹が起こります。冬に多く発症します。
蕁麻疹は、皮膚の血管周辺にある肥満細胞(マスト細胞)が刺激を受け、ヒスタミンという化学物質が放出されることで起こります。ヒスタミンには皮膚の血管を拡張させる作用があり、血管が拡張することで血液中の液体成分が血管の外に漏れ出し、これが皮膚を赤く盛り上げて蕁麻疹となるのです。また、ヒスタミンには、神経に作用してかゆみを引き起こす作用もあるため、赤い膨隆とともに強いかゆみも生じます。
温水や温風など体温よりも温かい物質に触れたり、急に皮膚を温めたりすることで肥満細胞が刺激され、ヒスタミンが放出されて蕁麻疹が起こるのが温熱蕁麻疹です。
症状は?
体全体が温まった時に全身に現れる全身性と、局所的に温まった時にできる局所性とがあります。この時にできる蕁麻疹は、小豆大ほどの大きさの膨疹で、強いかゆみをともなう特徴があります。
また、痙攣や脱力感をともなうこともあります。
症状が出た場合の対処法は?
かゆい部分を引っ掻いてしまうと、皮膚を傷つけてしまいます。そのため、できるだけかかずに様子をみましょう。
また、何度も出現したり、症状がつらい場合は、医療機関を受診して抗ヒスタミン薬(内服薬や外用薬)、抗アレルギー薬(内服薬)を処方してもらいましょう。蕁麻疹は、これらの薬物療法によってほとんど治まりますが、効かない場合はステロイド剤が処方されることもあります。
温熱蕁麻疹が起こりやすい状況・なりやすい人
では、温熱蕁麻疹が起こりやすい状況、なりやすい人についてみてみましょう。
温熱蕁麻疹が起こりやすい状況とは?
・暖房器具の温風が直接、体にあたった時
・カイロや湯たんぽなどを使って、体の一部が急激に温まった時
・体が冷えている状態で、急に熱いお湯に浸かった時
・運動をして急に体が温まった時
・温かい飲み物を摂取した時
・寒い屋外などから暖かい室内に入った時
など、主に冬場になることが多いのが特徴です。
温熱蕁麻疹になりやすい人とは?
・寒がりの人
・血行が悪い人
・痩せている人
・敏感肌の人
・乾燥肌の人
特に、冬は肌が乾燥しがち。乾燥してバリア機能が弱まっている肌は刺激を受けやすく、蕁麻疹もできやすい傾向があります。
温熱蕁麻疹にならないために注意したいこととは?
温熱蕁麻疹を起こしたことがある、または起こす可能性がある人は、以下のようなことに注意しましょう。
・暖房器具の温風が直接、体に当たらないようにする
・室内外の温度差をできるだけなくす
・お風呂はぬるめの湯にゆっくりと浸かる
・カイロや湯たんぽ、コタツなどはできるだけ使わない
・普段から体を温め、血行をよくする努力を(冷えた体が急に温まることで発症するため)
・保湿を心がけて、肌のバリア機能を高める
実はアレルギーの場合も! 判断に注意
蕁麻疹には、原因が特定できない特発性のものと、原因が特定できるアレルギー性のもの、そして温熱蕁麻疹のように物理的な刺激が原因となって起こるものとがあります。
実は、温熱蕁麻疹以外の場合も、体が温まることで蕁麻疹の症状が重くなる傾向があり、もしかすると温熱蕁麻疹ではなく、アレルギーが原因の場合もあるのです。
蕁麻疹は通常、10分ほどでなくなるケースも多いのですが、何度も起こる場合はどのような時に出ているかをよく観察し、あまりにも頻発したり、長く続く、症状がひどいといった場合は、一度医療機関で医師に相談してみるのもよいでしょう。
この病気・症状の初診に向いている科 皮膚科
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