スキンケア大学 ヘルスケア大学 メンズスキンケア大学

急に眠くなるナルコレプシーは遺伝によるもの?

更新日:2016/12/09 公開日:2015/10/28

ナルコレプシーの基礎知識

ナルコレプシー患者が家族にいると発病しやすいのでしょうか?また、ナルコレプシーの患者に共通してみられる遺伝子はあるのでしょうか?ドクター監修のもと、ナルコレプシーと遺伝の関係について解説します。

社会生活に支障をきたすほどの強烈な眠気に突然襲われるナルコレプシー。この発症に遺伝は関連しているのでしょうか?ここでは、ナルコレプシーと遺伝の関係についてお伝えします。

ナルコレプシーの患者がいる家族は発現率が高い?

臨床的には、家族性による発症はごく限られたケースとなっています。ほとんどの患者の家族にはナルコレプシーの人はおらず、突発的に発症しています。また、ナルコレプシーを発症している一卵性双生児16組のうち、両方とも発症しているケースは5組のみというデータもあります。このことから、ナルコレプシーの発症には遺伝子以外の外的要因(ストレスなど)が関与していることがうかがわれます。

ただし、ある研究結果によると、家族にナルコレプシーの患者がいる人はナルコレプシーを発症しやすいとの結果が見られ、その発現率は、患者がいない家族に比べて10倍ほどになると報告されています。別の研究でも、ナルコレプシーの患者がいる人に発症がみられたケースは4%ありました。

また、東大病院の本多裕博士のグループがナルコレプシー患者135人(すべて日本人)を対象に行った研究では、全員に同じ型のヒト白血球抗原(HLA)が見つかったそうです。これによると、日本人のナルコレプシー患者はHLAのDR2という遺伝子が陽性である確率が高いと言えるそうです。

DR2にはDR15とDR16という種類がありますが、このうちナルコレプシーの患者にはDR15が陽性という特徴が見られました。DR15は、さらにDRB1*1501とDRB1*1502に分かれています。ナルコレプシーの患者が全員陽性なのは、DRB1*1501だったため、DR2/DR15が陽性でDRB1*1502だけしかない人はナルコレプシーではなく、ほかの過眠症の可能性が高いと考えられます。

ただし、このデータはあくまでも上記の実験における結果であるため、「陽性判定が診断に有効」程度に考えるべきでしょう。また、この遺伝子とナルコレプシーに関係性があるだろうということはわかっていますが、残念ながら詳細なことまでは明らかになっていないのが現状です。

ナルコレプシーの遺伝が気になるときは

「臨床的には家族性による発症はごく限られたケース」とされているとはいえ、上記のような研究結果もあることから、やはり家族にナルコレプシー患者がいることによる影響は気になるでしょう。そのような場合には、遺伝子を調べてみてもいいでしょう。遺伝子検査によってナルコレプシー発症の可能性があるとわかった場合には、発病を予防するために生活のリズムを整えるよう心がけましょう。具体的には、「ストレスをためこまないようにする」「規則正しく十分な睡眠時間を確保する」「大きな病気にかからないよう気をつける」などです。特に、ナルコレプシーを発症しやすい10代の時期に注意しましょう。

この病気・症状の初診に向いている科 脳神経外科