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ナルコレプシーを診断するための検査

更新日:2018/03/30 公開日:2015/10/30

ナルコレプシーの治療と対策

ナルコレプシーは昼間に強い眠気が起こって居眠りを繰り返してしまう病気です。この症状を治す/緩和するためには、正しい診断を受ける必要があります。ここでは、ナルコレプシーの診断に必要な問診や検査についてドクター監修のもと紹介します。

ナルコレプシーは「居眠り病」と呼ばれることもあるように、突然、耐えられないほど強い眠気に襲われ、常識では考えられないような場所や状況でも居眠りをくり返してしまいます(睡眠発作)。このナルコレプシーは、どのような方法で診断されるのでしょうか?ここでは、ナルコレプシーの診断を確定するまでに行われる検査について、ドクター監修のもと紹介します。

ナルコレプシーの診断のために行われる問診

ナルコレプシーときちんと診断するためには、まずは丁寧な問診が必要です。

ナルコレプシーでは突然、強い眠気に襲われる睡眠発作だけでなく、喜怒哀楽といった感情の変化にともなって、急に体の力が抜けてしまう「情動性脱力発作」、寝入りばなに鮮明で生々しい夢を見る「入眠時幻覚」、意識ははっきりしているものの手足が動かない「睡眠麻痺(金縛り)」、しっかりと寝ているはずなのに熟睡感が得られない「夜間熟睡障害」、眠った記憶もなくその間にとった行動を覚えていない「自動症」などの症状があらわれます。

これらの症状が出ているかどうか、医師が問診で詳しく聞き出します。例えば、いつから過眠の症状があるのか、どのような眠気か、症状が出るのは平日だけか、それとも休日も出るのか、いびきがあるのか、などが質問されます。できる範囲で正確に答えましょう。

なお、ナルコレプシーに特徴的な症状について詳しくは、『ナルコレプシーの特徴的な症状』『全身の力が抜ける脱力発作の原因はナルコレプシーかも』『ナルコレプシーの睡眠発作・入眠時幻覚・睡眠麻痺の実態』『ナルコレプシーは記憶障害も引き起こす?』をご覧ください。

ナルコレプシーの診断のために行われる検査

詳細な問診のあとに、各種の検査が行われます。

睡眠日誌

自分がいつ、どれくらい寝ているのかを記録しておく日誌です。1日のうち眠っていた時間、横にはなっていたが起きていた時間、昼間に眠気があった/寝てしまった時間などを記録しておくグラフです。ノートに書いておくのもいいですし、専用の用紙を無料でダウンロードすることもできます。最近では専用のスマホアプリもありますので、これを使うのも便利かもしれません。少なくとも2週間、できれば4週間の記録があると診断に役立ちます。

眠気のチェックテスト

ナルコレプシーによる過眠の程度を把握するためにESS(日本語版はJESS)というチェックテストがよく使われます。8項目に答えるだけの簡単なテストです。詳しくは『ナルコレプシー診断に使われるJESSチェックとは?』をご覧ください。

睡眠ポリグラフ検査&睡眠潜時反復試験

睡眠の質をみる検査も行われます。体にいくつかのセンサーなどを装着した状態で一晩眠り、睡眠中の脳波を記録して、睡眠・覚醒の区別、睡眠の深さ、種類、時間などを判定する「睡眠ポリグラフ検査」(PSG)、そして昼間に横になって目を閉じてから眠るまでの時間を測定する「睡眠潜時反復試験」(MSLT)がよく行われています。

ナルコレプシーの特徴は入眠直後のレム睡眠です。通常は眠りに入るとノンレム睡眠が現れますが、睡眠ポリグラフ検査を行ってみると、ナルコレプシーの場合にはいきなりレム睡眠が出現しやすくなります。

その他の検査

他にも、診断に必須というわけではありませんが、ナルコレプシー患者で特徴的な数値が出るために補助的に行われている検査があります。

その一つはオレキシンの検査です。ナルコレプシー患者の脳脊髄液を検査すると、睡眠と覚醒の調整などに重要な「オレキシンA」というペプチドが正常の人の3分の1以下しかありません。

もう一つは遺伝子検査です。免疫システムが敵と味方を判断するために使っているHLA(ヒト白血球組織適合抗原)は人それぞれ異なりますが、なかでもHLA DQB1*0602というタイプをもつ人にナルコレプシーが多いことがわかっています。

ナルコレプシーの診断には何科を受診すべき?

このように、ナルコレプシーの診断には特殊な検査が必要になります。専門医(睡眠医療認定医)を探して受診するのがよいでしょう。睡眠医療認定医は全国に534名います(2018年1月31日現在)。認定医師のリストは日本睡眠学会のホームページで公開されています。

もしくは、かかりつけ医に最寄りの睡眠外来や睡眠医療センターを紹介してもらうのもいいでしょう。かかりつけ医がいない、睡眠外来も近くにない場合は、精神科に相談してみてください(睡眠医療は精神医学の範疇に位置づけられています)。

詳しくは、『何科に行けばいいの?ナルコレプシーが疑われるときの病院選び』をご覧ください。

病院で正しい診断を受けましょう

このように、詳細な問診やさまざまな検査を経て、ナルコレプシーの診断がくだされます。適切な治療を受けて症状を抑えるためには、正しい診断が欠かせません。ナルコレプシーが疑われる場合は、このような診断が行える専門医を受診しましょう。

参考文献

  1. [1]日本睡眠学会. ナルコレプシーの診断・治療ガイドライン
  2. http://www.jssr.jp/data/pdf/narcolepsy.pdf (参照2018-03-01)