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糖質制限で筋肉量が落ちる?正しく痩せる方法とは

更新日:2018/01/12 公開日:2015/10/30

食事療法やダイエット法として、従来のオーソドックスなカロリー制限などとは異なり、面倒な計算は不要なだけでなく、おなかいっぱい食べられると話題の糖質制限。しかし、他方で「筋肉が減るのでは?」という声が聞かれます。そこで、糖質制限と筋肉量の関係を詳しく紹介します。

糖質制限で筋肉量が減るって本当?

「糖質制限をすると筋肉が減少する」といわれることがありますが、その理由は以下のように説明されています。

『糖質は、脳のエネルギー源となるなど、生命の維持に欠くことのできない大切な栄養素。そのため、糖質を制限すると、その代わりにタンパク質の元となるアミノ酸が肝臓において糖に変換されるという回路が動き始めます。そのアミノ酸の供給元は体内の筋肉からです。つまり、糖質が不足すると、それを補充しようと体が自らの筋肉をアミノ酸に分解して糖を作り出すこととなり、結果的に筋肉の量が減少してしまうのです。』

確かに糖質制限を行えば体脂肪も減りますが、筋肉も少なからず減ってしまう可能性は高いでしょう。しかし、筋肉がどの程度減ってしまうかはやり方によって異なります。当然のことながら、著しくカロリー不足の状態に陥れば筋肉の減少幅はそれだけ大きくなります。反対に、やり方次第では筋肉の減少を防いだり、筋肉を増やすくこともできます。糖質制限でまず注意しなければならないのは、糖質のみならず同時に総エネルギー摂取量が減りすぎてしまうことです。

筋肉量を落とさず栄養摂取するポイント

糖質制限中は糖質をとらない分、エネルギー補給の維持のためにタンパク質や脂質をしっかり摂らなければいけません。合計の摂取カロリーが低すぎれば、結果として筋肉量が減ってしまうでしょう。

しかし、糖質制限にはダイエットに伴う筋肉の減少を抑える上での有利な条件もあります。糖質制限では、糖質の摂取を減らす一方で、脂質、タンパク質の摂取量は相対的に高くなります。とりわけタンパク質は筋肉の材料となる栄養素であり、ダイエット時に筋肉の減少を抑える働きが期待できます。

通常、タンパク質の摂取基準は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によれば、18歳以上の女性で1日50gが推奨量となっています。しかし、糖質制限中の人やスポーツをする人は、この基準よりも多くのタンパク質を必要とするでしょう。

筋トレなど運動も行い、効果的なダイエットを

基本的に、カロリー不足の状態では体脂肪だけでなく筋肉も減少してしまいます。ただし、条件次第では筋肉の減少を抑え、むしろ増やすことが可能です。

カナダで行われた研究で、総エネルギー摂取量を40%抑えた状態で、レジスタンストレーニング(筋トレ)と高強度のインターバルトレーニングを組み合わせた運動を行いました。対象となるのは過体重の若い男性で、体重1kgあたり1.2gのタンパク質を摂取するグループと、体重1kgあたり2.4gのタンパク質を摂取するグループに分かれて検証しました。

その結果、体重1kgあたり2.4gのタンパク質を摂取したグループの方が、より多くの体脂肪が減り、除脂肪体重(体重から体脂肪の重さを引いた値で筋肉量の目安ともなる)が増加したそうです。つまり、たとえカロリー不足の状態であったとしても、多くのタンパク質を摂取しながら非常にハードな運動を行えば筋肉の減少を防げるばかりでなく、反対に筋肉を増やすことができることをこの研究は示しています(ただし、研究の対象となったのは過体重の男性で、もともと体脂肪が多いため筋肉を維持したまま体脂肪を減らす上で有利な条件であることは確かです)。

タンパク質を食事で摂取するときの注意点

糖質制限中であっても運動とタンパク質摂取によって筋肉の減少を防ぐことができる可能性を確認しました。ここで注意したいのが、たとえば、「100gのタンパク質を摂取」と聞いて、ステーキ100gを食べればよい、と単純に考えてはいけないことです。ステーキ100gには脂質や水分なども含まれるので、純粋なタンパク質100gではないのです。

また、タンパク質を100g摂取するためには、想像よりも多くの量を食べなければなりません。たとえば、卵1個当たりのタンパク質は約6gです。よって、100gを摂るためには、単純計算すれば約16個もの卵を食べることになります。豚もも肉の場合は、100gに含まれるタンパク質は約21gなので、しょうが焼に置き換えると約5人前も食べることになります。

肉や魚などのタンパク質を多く含む食品は、同時に脂質も多く含むものが多いので、摂り過ぎは体脂肪の増加につながり、もちろんよくありません。ですので、実際は、豆腐や納豆などの植物性タンパク質を上手に組み合わせて摂ると同時に、食事では補えない分をプロテインなどで補給するとよいでしょう。

糖質制限をするときは、きちんと他の栄養素(タンパク質、脂質)を摂らなければならないことを忘れず、運動と組み合わせて健康的な体を目指しましょう。

糖質制限による健康影響についての注意事項

糖質制限の効果や安全性については諸説あります。例えば、効果に関して、63名の肥満の男女を低炭水化物食群とカロリー制限低脂肪食群に分けて行った研究で、6か月後では低炭水化物食群の減量幅が大きかったが、1年後になると両者の違いは見られなかったとしています[1]。また、日本糖尿病学会は運動療法と総エネルギー摂取量の制限を重視し、糖質制限に関して、「総エネルギー摂取量を制限せずに、炭水化物のみを極端に制限して減量を図ることは、その本来の効果のみならず、長期的な食事療法としての遵守性や安全性など重要な点についてこれを担保するエビデンスが不足しており、現時点では薦められない」としています[2]。当コンテンツはあくまでも糖尿病などのリスクを持たない健康的な人を対象としていること、また、健康的な人の場合でも糖質制限を取り入れることでの長期的な効果や、健康への影響について否定的な意見があることにご注意ください。

参考文献

  1. [1]Gary D. Foster, et al. A Randomized Trial of a Low-Carbohydrate Diet for Obesity, N Engl J Med 2003; 348: 2082-2090
  2. [2]日本糖尿病学会. "日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言" 日本糖尿病学会. http://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?page=article&storyid=40(参照2017-06-29) 

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