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痔は放置していれば治る?自分でできる応急処置とは

更新日:2018/02/28 公開日:2015/10/30

痔の基礎知識

おしりに痛みや腫れ、出血があるときは痔かもしれません。できれば放置している間に治ってくれればいいのですが、痔は放置していいのでしょうか? また、応急処置はどうすればいいでしょうか。ドクター監修のもと詳しく解説します。

◎短くポイントをまとめると
痔は何もしないままで放置していては、治らないどころか、悪化する可能性がある
痛みなどの症状を自宅で応急処置する方法はあるが、本当に痔なのか確認するためにも早めに病院へ
痔の治療とともに、おしりによくない生活習慣を改善することも重要(再発予防)

痔の放置はNGのイメージ写真画像

おしりの状態を自分で確認することは難しいものですが、痛みや腫れ、出血があるときは痔かもしれません。デリケートな部分の病気なので、できれば見ないふりをして、放置している間に自然に治ってほしいと思うのが人情です。痔は放置していれば治るのでしょうか? また、痛みなどの症状についてはどのように応急処置をすればいいのでしょうか? 

痔は放置していれば治る?

「知らないうちに痔が治っていてほしい」と内心思っている方には気の毒ですが、結論から申し上げると、何もしないままで放置していても治らないどころか、悪化します

痔は主に3種類あり、一番多いのが痔核(じかく;別名いぼ痔)、次に裂肛(れっこう;切れ痔)、その次が痔瘻(じろう;あな痔)です。このうち痔瘻は、放置することで肛門周囲膿瘍(細菌感染により痛み、腫れ、発熱を引き起こす)を繰り返し、5年、10年と長期間にわたって放置した場合はまれに癌化することがあります[1]。

痔核や裂肛は、初期こそ痛くないか、痛みが短時間でおさまりますが、そのまま何も対処せず、痔を作ってしまった生活習慣を続けてしまっては、悪化してしまう可能性が高くなります。詳しくは『痔は悪化するとどうなる?悪化させない方法は?』をご覧ください。

この3種類の痔は、それぞれに原因や病態が異なります。どの痔であるかによって治療や対処法が変わってきますので、まずは自分がどの種類の痔で、どの程度の重症度なのか、また「本当に痔なのか」を確認しておくことが重要です。恥ずかしいかもしれませんが、早めに消化器科や肛門科を受診しましょう

痔の応急処置はどうすればいい?

ここでは、いま起きている痛みなどの症状を自宅で応急処置する方法について紹介します。ただし、あくまでこれは応急処置であり、痛みが引いたからといって病院に行かなくてもよいわけではありませんので注意してください。なお、初期の裂肛と外痔核については、応急処置や生活習慣の改善で自然治癒が見込めます。詳しくは『痔は自然治癒するの?』をご覧ください。

痛みがあるときの応急処置

シャワーではなく湯船につかっておしりを温めることで、血行が促され、症状がやわらぎます。痛む場合は、軽くひざを曲げて横向きの姿勢に寝ると、肛門に負担がかからなくなります。市販薬の中には、痛みを抑える効果が含まれるものがあるため、使ってもよいでしょう。下着の上から、カイロをあてて温めるのも効果的です。

なお、肛門の周囲が熱を持ち、赤く腫れてズキズキ痛む場合は痔瘻(肛門周囲膿瘍)の可能性があります。このときは冷やすと症状が多少やわらぎます。温めると逆効果になるため気をつけましょう。

出血があるときの応急処置

トイレットペーパーに血がつく、便器にポタポタと血が落ちる場合は、痔核や裂肛が考えられます。いずれの場合も、ウォシュレットや入浴などで患部を清潔にし、下着が汚れないように、患部をトイレットペーパーやコットンなどの柔らかい素材のものをあてて安静にします。

なお、便に血が混じっている場合は大腸などからの出血の可能性(大腸癌や腸の炎症性疾患)も考えられるため、応急処置後に必ず病院を受診しましょう。

肛門から痔核が出ている場合の応急処置

痔核が進行すると、排便時などに肛門の内側にできているイボが肛門の外に出てくることがあります。痛みがないことが多く、触れても痛くない場合は、出てきたものを肛門の中に指で押し戻すとよいでしょう。戻すときに気をつけたいのは、突出物を無理に押し込まないことです。まず、肛門を清潔にし、便器に座ったまま指で出てきたものを肛門の中に押し戻します。押さえながら立ち上がるとスムーズに肛門の内側に戻すことができます。戻りにくい場合は、温かいシャワーやトイレの温水便座機能を使って肛門を温めてみましょう。それでも戻らないときは、無理に押し戻さず、早めに病院を受診します。

また、裂肛により肛門縁にできた「見張りイボ」である可能性もあります。この場合は押し込んでも戻りませんし、押すと痛みを感じます。これができているということは裂肛が慢性化しているということでもあるので、やはり病院受診が必要となります。

かゆみがある場合の応急処置

便が肛門に付いて炎症を起こしたり、温水便座で肛門を洗いすぎたりすると、肛門周辺にかゆみが出ることがあります。また、肛門の内側のイボが外側に出てきて、下着に接触してかゆみが起こるケースもあります。おしりを拭いて清潔にした後、かゆみ止めの軟膏などを塗っておくといいでしょう。肛門の外に出てきた痔核がこすれたり、粘液などでおしりがかぶれたりした場合は、温水便座の洗浄機能などを使っておしりを丁寧に洗い、水分をしっかり拭き取りましょう。

市販薬を使った応急処置

これまでにあげた症状は、市販の「痔疾用薬」で軽減することができます。薬局では多くの種類の坐薬、軟膏、内服薬が売られています。坐薬や軟膏には、痛みやかゆみを緩和する局所麻酔成分、出血や腫れを抑える抗炎症成分、かゆみを抑える鎮痒成分、他にも止血成分や殺菌成分、創傷治癒促進成分、血行改善成分が含まれています。内服薬には、止血成分、血行改善成分、生薬成分などが含まれます。何がどのくらい含まれているのかは製品によって異なりますので、薬剤師にアドバイスをもらってもいいでしょう。

まとめ

残念ながら、痔は何もしないままで放置していても治らないどころか、悪化します。ここまでに紹介した応急処置を行ったら、早めに消化器科や肛門科を受診しましょう。また、痔はおしりによくない生活習慣があると発症・悪化しやすくなります。ぜひ『痔は悪化するとどうなる?悪化させない方法は?』を参照して、生活習慣を改善してください。これが再発予防にもなります。症状を我慢するのではなく、恥ずかしい気持ちをぐっと我慢して、病院を受診し、早い段階で適切な治療を受けるようにしてください。

参考文献

  1. [1]日本大腸肛門病学会編. 肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)診療ガイドライン2014年版. 南江堂 2014.

この病気・症状の初診に向いている科 肛門外科

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