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痔ろうの主な原因や症状と治療法について

更新日:2017/04/21 公開日:2015/10/30

痔の基礎知識

痔ろうは原則として自然治癒しないため、手術が必要な病気です。痔ろうの主な原因や症状、治療法についてドクター監修のもと説明していきます。また、女性よりも男性の罹患数が多いとされる理由についても解説します。

生活習慣病の一つともいわれる痔をはじめとする肛門疾患。肛門疾患に悩まされている人は男女問わず多いものですが、なりやすい肛門疾患の種類には男女差があり、男性に多いのは「痔ろう」です。ここでは、男性が痔ろうになりやすい理由と、痔ろうの原因・症状・治療について解説します。

痔ろうの症状

肛門の奥にあるくぼみ(肛門陰窩/こうもんいんか)に細菌が入り込んで膿が溜まると、肛門の周辺が化膿して腫れ、強い痛みが起こります。この状態を「肛門周囲膿瘍」と呼びます。さらに症状が進行すると、溜まった膿が皮膚を破って穴が開き、細菌の侵入口である肛門陰窩と膿の排出口をつなぐトンネルのような通り道が残ることがあります。これが痔ろうであり、「あな痔」とも呼ばれています。

痔ろうになると、トンネルから膿が出てくるのと同時に、強い痛みが起こることがあります。38~39度に及ぶ発熱をともなうこともあり、お尻が熱を持つ場合や患部が腫れズキズキ痛む症状がでることもあります。一度トンネルができると細菌が侵入しやすくなるため、放置していると再び膿が溜まってトンネルが枝分かれするなど、痔ろうが拡がっていきます。ほかの痔のように、食生活や生活習慣の改善だけでは治療効果が期待できない場合が多く、手術によりトンネルを取り除く治療が必要なケースが多い肛門疾患です。

痔ろうの主な原因

痔ろうの原因は、はっきりわかっていないことも多いのですが、下痢になりやすい人は痔ろうが多いといわれています。下痢が起こると、肛門陰窩(こうもんいんか)というくぼみに便が入りやすくなり、細菌に感染しやすいからです。また、排便時に強くいきむクセがあると肛門に負担がかかりやすくなるので、痔ろうになりやすいです。
肛門陰窩(こうもんいんか)がもともと深い人や、疲労やストレスによって肛門内の免疫が低下している場合も細菌感染や炎症を起こしやすいため、痔ろうになる可能性が高いといわれています。
最近では、シャワートイレでお尻を洗いすぎることで痔ろうになる人も増えているようです。シャワートイレの水が肛門内に溜まり、下痢のときと同じような状態になってしまうことで起こると考えられています。清潔にしようと、お尻を洗いすぎることは控えましょう。

痔ろうが男性に多いのは下痢になりやすいから!?

実は、女性よりも男性のほうが痔ろうが多いといわれています。男性は女性よりも下痢になりやすいということが理由のようです。男性は仕事で強いストレスを受けたり、お酒を飲んだりする機会が多いため下痢になりやすいと考えられています。また、女性はダイエットや月経などの影響で便秘になりやすいことも、男性よりも痔ろうが少ない原因と言えるかもしれません。

適度な飲酒であれば大きな問題はないのですが、日常的に多量のお酒を飲んでいる人や、タバコなどの刺激物をとっている人は、免疫力が低下して細菌に感染しやすくなるため、痔ろうになりやすいと考えられます。一概には言えませんが、一般的には女性より男性のほうがアルコールやタバコを摂取する人が多いため、痔ろうは男性に多い可能性があります。しかし、最近では女性でも痔ろうになる人が増えています。女性の飲酒・喫煙率や仕事のストレスなどが増えていることが影響しているかもしれません。

痔ろうの治療

痔ろうは、原則的に自然治癒しません。根本的な治療には手術が必要になります。痔ろうの手術には、大きく3つの術式があります。

開放術式

痔ろうのトンネル部分(ろう管)を切り開き、皮膚の外に開放してしまう術式です。背中側にある浅い痔ろうに行われるケースが多く、再発率が1~2%の低さというメリットはありますが、手術後に肛門の変形が起こるリスクもあります。

くりぬき法(括約筋温存術式)

痔ろうのトンネル部分(ろう管)をくりぬいて摘出する術式です。くりぬいた後に一次口(最初に細菌に感染した部分)を縫合します。肛門の変形のリスクは低く、早く完治するとケースも多いのですが、傷が化膿しやすく、再発率が15%程度と比較的高めであるというデメリットがあります。

シートン法

痔ろうのトンネルの穴に輪ゴムを通して、ゴムの力でろう管を切開していく術式です。痛みが少なく、筋肉のダメージも少ないのですが、完治までに数か月と時間がかかってしまうデメリットがあります。また、高い技術が必要とされるため、対応できる病院が限られます。

長年にわたり放置して症状がひどくなると、最悪の場合、癌化して肛門をとる場合もあります。肛門周辺に強い痛みや腫れなどの症状を自覚したら、早めに病院を受診しましょう。

この病気・症状の初診に向いている科 肛門外科

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