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変形性膝関節症の症状とメカニズム

更新日:2017/03/17 公開日:2015/10/30

加齢・習慣・怪我による膝の痛み

加齢による膝(ひざ)の痛みは変形性膝関節症が原因で起こることが多いといわれています。ドクター監修のもと、変形性膝関節症の原因と痛みが起こるメカニズムについて解説します。また、病院で行われる治療法についても触れます。

中高年になると膝(ひざ)の痛みが現れやすくなりますが、その多くは「変形性膝関節症」によるものといわれています。特に50歳以上の女性に多いというこの症状は、どのようなものなのでしょうか。詳しく解説します。

変形性膝関節症とは

膝関節の軟骨がすり減り、膝を曲げたり伸ばしたりといった動きが悪くなり、痛みや腫れを引き起こす病気です。一次性と二次性のものに分けられ、明らかな原因があるものを二次性といい、それ以外の加齢が原因で発症するものを一次性といいます

一次性関節症

関節の軟骨がすり減ることで痛みが起こるもので、中高年の変形性膝関節症のほとんどはこのタイプです。しかしながら、軟骨がすり減る原因ははっきりしていません。加齢による老化現象、肥満による膝関節への負担、スポーツや肉体労働などによる膝の酷使、遺伝による体質、運動不足による筋力低下、女性ホルモンの影響、O脚など、さまざまな要因があると考えられています。

二次性関節症

膝の外傷や病気が原因となり、二次的に起こるものです。原因には、膝関節内骨折、下肢骨折の変形治癒、膝靱帯損傷、半月板損傷、先天的な関節の異常、関節リウマチ、痛風などがあり、比較的若い年代でも発症することがあります。

変形性膝関節症の症状

変形性膝関節症の多くは一次性のものなので、ここでは一次性関節症の主な症状についてお伝えします。

初期は、起床時や長時間イスに座った後などの動き始めに膝がこわばる感じがします。ただし、この時点での痛みは違和感という程度であまり強くなく、持続することもほとんどありません。1~2日ほどで解消されることが多いです。

症状が進むと、しゃがんだり正座をしたときなど、膝の曲げ伸ばしをした際や、階段の上り下りをした際に痛みを感じるようになります。また、膝を完全に伸ばしきる・曲げきることもできなくなります。炎症が強くなると、関節に水が溜まる「関節水腫」により、膝に重だるさを感じるようにもなります。

症状がさらに進行すると、すこし歩いただけでも激しく痛み、外出もままならなくなります。拘縮(関節の曲げ伸ばしの制限)が進み、立つ、座るなどの日常的な生活にも支障が出てくるため、家に閉じこもって動かなくなってしまう方も多くいます。

膝に痛みが起こるメカニズム

関節軟骨と関節包の働き

変形性膝関節症は、太もも側の大腿骨とすね側の脛骨(けいこつ)をつなぐ関節に起こります。

大腿骨と脛骨の関節面(それぞれの骨がふれあう面)は、関節軟骨というしなやかさと強度を兼ね備えた滑らかな軟骨で覆われています。関節軟骨は、衝撃などを吸収するクッションの役割と、骨と骨の摩擦を防ぐ役割を担っています。

また、関節は関節包という袋に包まれていて、この内側には滑膜という膜があります。滑膜からは、ヒアルロン酸が豊富に含まれた関節液が分泌され、潤滑油となって関節のスムーズな動きを助けています。この関節軟骨と滑膜から分泌される関節液の働きにより、膝の関節は滑らかに動くことができるのです。

関節軟骨の摩耗により痛みと変形が進行する

何らかの影響(加齢や体重増加・膝の酷使など)を受け続けると、軟骨に裂け目ができてきます。これが深くなると、関節軟骨の細胞を作っているコラーゲンやプロテオグリカンが失われていくため、軟骨がもろくなってしまい、徐々にすり減っていきます。さらに、関節液中のヒアルロン酸の濃度が関節液量とともに減少していくことにより、滑らかだった軟骨の表面はザラザラになり、関節軟骨はクッションの役割をしっかり果たせなくなってしまいます。このことが原因で、膝がこわばって動かしにくいといった症状が現れてきます。

また、関節軟骨がすり減ることで膝関節(大腿骨と脛骨の骨同士)が直接ぶつかるようになってしまったり、すり減った軟骨のかすや脱落したかけらが滑膜を刺激して炎症を起こすことで、関節に水がたまる関節水腫を引き起こし痛みや重だるさを生じます。

骨には再生能力があるため、こすれ合ってすり減ったとしても、本来は損傷した場所を修復しようとする力が働きます。しかし、関節に水がたまり圧力がかかっていることから、横にはみ出した形で骨を増殖させてしまいます。この増殖部分は、骨の端が棘のように盛り上がる形に変形していくことから「骨棘(こっきょく)」と呼ばれます。これができると脚の変形が進みやすくなり、痛みはさらに増していきます。

変形性膝関節症の治療法

膝の動きの悪さや痛みが気になったら、整形外科を受診しましょう。整形外科では、問診によって痛みの状態などを詳しく聞き、視診・触診で膝の状態や歩き方などをチェックします。さらに、X線検査や必要に応じてMRI検査が行われ、変形性膝関節症と診断されると、症状や状態に合わせた治療が行われます。

変形性膝関節症による痛みなどの症状の出方は人によって異なるため、治療も個人の症状に合った方法で行われます。一般的に、初期~中期の段階では痛みや腫れを抑えるための薬物療法や運動療法、生活改善などの保存療法が行われます。

保存療法でも症状が軽減しない場合や、症状が進行している場合は、手術療法が検討されます。手術療法には、大きく3つの方法があります。

関節鏡視下手術

内視鏡を関節に入れ、半月板の傷んだ部分を切除したり、はがれた軟骨のかけらや骨棘を除去する方法。

高位脛骨骨切り術

膝関節に近い脛骨を楔状(ななめ)に骨切りすることで、O脚やX脚の変形を修復して膝への負担を軽減させる方法。

人工関節置換術

破壊された関節表面の骨軟骨を切除して、特殊な金属やセラミック製の人工関節に置き換える方法。

すり減った軟骨を放置しておくと、どんどん悪化し、痛みで歩けなくなることもあります。治療してもすり減った軟骨を元に戻すことはできませんが、早期治療で進行を食い止めることは可能です。少しでも違和感を覚えたら、医療機関を受診しましょう。

この病気・症状の初診に向いている科 整形外科

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