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膝の脱臼をくり返すことも!膝蓋骨不安定症とは

更新日:2018/05/22 公開日:2015/10/30

加齢・習慣・怪我による膝の痛み

膝のお皿が外れたり、膝が抜けるような感じがする膝蓋骨不安定症。ひどくなると膝の脱臼をくり返すこともあるので注意が必要です。ドクター監修のもと、膝蓋骨不安定症の原因と主な症状、治し方について解説します。

膝蓋骨(しつがいこつ)とは、いわゆる膝のお皿のこと。これが外れる、外れそうになるといった不安定な状態になるのが膝蓋骨不安定症ですが、具体的にはどのような症状で、悪化するとどうなるのでしょうか?治療法もあわせて詳しく解説します。

膝蓋骨不安定症とは

膝(ひざ)は、大腿骨(だいたいこつ=太ももの骨)と脛骨(けいこつ=すねの骨)とが合わさる関節です。この前面には膝蓋骨(しつがいこつ)というお皿状の骨があり、関節を守っています。

膝蓋骨不安定症とは、なんらかの原因により膝蓋骨が正常な位置から外側にずれてしまう疾患です。主には、大腿骨との相性が悪い、膝蓋骨と脛骨をつなぐ膝蓋腱に異常がある、膝蓋骨のずれを抑えている靭帯がゆるんだりきつくなっている、などの原因により起こります。重症になると、日常生活や運動時に外側に脱臼してしまう「膝蓋骨亜脱臼(しつがいこつあだっきゅう)」を招きます。一度脱臼が起こると不安定性が強くなることから、脱臼をくりかえす「反復性膝蓋骨脱臼」につながるケースも少なくありません。

主な症状としては、膝蓋骨がはずれそうな不安定感があります。重症化して実際にはずれてしまう(脱臼が起こる)と、膝蓋骨周囲の強い痛みや腫れ、だるさなどが現れます。膝の曲げ伸ばしが制限されたり、歩行が困難になることもあります。反復性になると、膝蓋骨が時々はずれてしまいます。

通常であれば、膝の痛みは、長年にわたる膝の酷使のほか、スポーツや加齢によるものなど、さまざまな要因があるとされています。

しかし、膝蓋骨不安定症の原因にいたっては、先天的なものが大きいと考えられています。特に、膝の中心にあるべき脛骨粗面が外側にあるなど、膝周辺の骨の形状が、もともといびつである人に起こりやすいです。また、思春期の女性ホルモンの影響で関節が緩みやすくなるとされる若い女性やX脚の人、扁平足の人が比較的なりやすい傾向にもあるとされます。そして、生まれつき関節が柔らかい、関節の可動範囲が広い(全身関節弛緩性)といった素因も大きく関与します。

膝蓋骨不安定症の治し方

治療では、基本的には以下のような保存療法が行われます。

膝の筋力アップなどの運動療法

太ももの内側にある「内側広筋」を鍛えることで、膝蓋骨を内側に引っ張る力が強まり、外側にずれるのを防止できます。

膝サポーターなどの装着療法

装具で膝蓋骨を支え、ずれを防止します。

脱臼した際は徒手による整復後、ギプスや装具で約3週間固定します。痛みや炎症が起こっている場合は、薬で抑えます。

以上のような保存療法を行っても脱臼をくり返す場合は、軟骨が損傷して変形性膝関節症に移行する可能性もあるため、手術が検討されます。

※変形性膝関節症について、詳しくは『膝の痛みの大半はこれが原因?変形性膝関節症とは』をご覧ください。

手術には、主に以下の方法が用いられます。

脛骨粗面前内側移行術

膝蓋腱が付着している脛骨粗面が外側にずれている場合に行います。このような状態では膝蓋骨が脱臼しやすいため、そのおそれがない位置まで脛骨粗面を内側と前方に移動させ、手術用ネジで固定します。

内側膝蓋大腿靱帯再建術

膝蓋骨のずれを防ぐ内側膝蓋大腿靱帯が緩んでいたり、脱臼したことによる損傷がみられる場合は、靭帯の再建術を行います。膝蓋骨に穴を開けて自己採取したハムストリング腱(太ももの裏側にある膝を曲げるための半腱様筋腱や薄筋腱)を通し、反対側を大腿骨に開けた穴に通してネジで固定します。

外側膝蓋支帯切離術

膝蓋骨の外側にある組織の緊張をゆるめ、外側に引っ張る力を弱めるために行う手術です。単独ではなく、前述のふたつの手術と組み合わせて行います。

膝蓋骨の不安定性が極端に強い場合や、再手術が必要になった場合は、上記の3つをすべて行うこともあります。

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