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使い過ぎによるひざの痛み(3):膝蓋腱炎(ジャンパー膝)

更新日:2017/03/22 公開日:2015/11/04

加齢・習慣・怪我による膝の痛み

ひざの使いすぎで起こる「膝蓋腱炎(しつがいけんえん)」について、ドクター監修の記事で解説します。「ジャンパー膝」とも呼ばれるこの障害は、どのような原因によって起こるのでしょうか?症状と治療法もあわせて詳しくお伝えします。

膝蓋腱炎(ジャンパー膝

ジャンパー膝のひとつである「膝蓋腱炎(しつがいけんえん)」とは、どのような疾患でしょうか?原因や症状、治療法について解説します。

膝蓋腱炎(ジャンパー膝)とは

ジャンパー膝とは、ジャンプをした際に膝に痛みを感じるスポーツ障害のひとつで、その原因の大半を占めるのが膝蓋腱炎です。そのため、一般的に膝蓋腱炎=ジャンパー膝とされることが多いです。

膝蓋腱(膝蓋靭帯とも呼ぶ)は、膝蓋骨(しつがいこつ:膝のお皿)から脛骨(けいこつ:すねの骨)につながる腱(靭帯)です。膝蓋腱が脛骨に付着している部分を、脛骨結節と呼びます。

膝を曲げ伸ばしする際は、太ももの主な筋肉群である大腿四頭筋が収縮します。これが膝蓋腱を介して、膝から足首までの部分を持ち上げます。ジャンプをする機会が多いスポーツでは、ジャンプ前や着地の際に頻繫に膝を屈伸させるため、膝蓋腱や脛骨結節部が大腿四頭筋にくり返し強く引っ張られます。また、膝蓋腱には着地時の衝撃を吸収する役割もありますが、スポーツ時にジャンプをし着地する時には膝に約1tともいわれるほどの衝撃がかかるため、くり返されると、やはり膝蓋腱に大きな負担がかかります。このような負担やストレスが蓄積することで膝蓋腱に炎症が起こり、膝に痛みが生じるのが、膝蓋腱炎です。

膝蓋腱炎は、成長期の男子や身長が高い人に見られることが多いです。これは、急速な骨の成長に腱や筋の成長が追いつかないことから、大腿四頭筋や膝蓋腱の柔軟性が低下し、膝蓋骨周辺にストレスが蓄積しやすいためとされています。

膝蓋腱炎の症状

主な症状としては、以下のものがあげられます。

・ジャンプしたとき、特に着地時の膝の痛み

・膝蓋骨の下部の腫れ、熱感

・脛骨結節部の隆起

初期は、スポーツ中(特にジャンプなどの動作時)には痛みを感じても、そのほかの活動中には痛みがないことが多いです。進行すると炎症によって常に痛みを感じるようになり、さらに重症になると膝蓋腱の断裂が起こることもあります。

膝蓋腱炎の治療

スポーツ中や後に痛みを感じる場合は、太もも前面のストレッチと患部のアイシングを徹底しましょう。サポーターやテーピングの装着により、患部にかかる負担を軽くすることも大切です。また、膝蓋腱への負担が少ないジャンプの仕方(体幹をしっかり前傾にし、臀部や太ももの裏の筋をフルに使う)を習得すると、再発の予防が期待できます。

スポーツをしていないときにも痛みを感じる場合は、上記に加えて、しばらくはジャンプ動作を行わないようにし、様子を見ましょう。

スポーツに支障をきたすほどの痛みがある場合は、しばらく(一か月単位で)運動自体を休んでください。必要に応じて、抗炎症鎮痛薬なども使いましょう。そのうえで、大腿四頭筋や膝蓋腱の柔軟性を高めるストレッチや、下肢の筋肉バランスを改善するためのストレッチ、膝に関係する筋力アップを行ってください。

膝蓋腱の断裂が起きた場合は、手術が必要となります。手術方法には、切れた膝蓋腱を縫い合わせる縫合術、体のほかの部位の腱を使う移植術、人工腱を使う膝蓋腱再建術などがあります。

膝蓋腱炎の初期にはスポーツ時にのみ痛みを感じることから、医療機関を受診せず、痛みを我慢しながらスポーツを続けている人も珍しくないと言います。しかし、放っておくと慢性化して治りにくくなったり、最悪の場合は断裂する可能性もあるので、初期段階で適切な対処を施すことが大切です。

この病気・症状の初診に向いている科 整形外科

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