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使い過ぎによる膝の痛み(5):タナ障害

更新日:2016/12/09 公開日:2015/11/04

加齢・習慣・怪我による膝の痛み

「タナ障害」とは、膝の使いすぎによって起こる膝疾患のひとつです。主な発症原因と症状、治療法について、ドクター監修の記事にて詳しくお伝えします。

使い過ぎによる膝の痛み(5):タナ障害

スポーツ選手などによく見られる「タナ障害」とは、どのような疾患なのでしょうか?主な症状と原因、治療法について解説します。

タナ障害とは

「タナ」とは、膝関節内にある関節腔(かんせつこう)という空間を仕切る「滑膜ヒダ」のことです。棚のような形に見えることから、「タナ」と呼ばれるようになりました。

タナは、母体の中にいる胎児の段階で、関節包(膝関節を覆う袋)が作られる際に、一時的にできるものです。生まれた後は退化してなくなる人と、そのまま残存する人がいます。日本人の場合は、約半数の人に残存しているとされます。

タナ障害(滑膜ヒダ障害とも呼ばれる)とは、タナが関節内に挟まったり、強く刺激を受けることで炎症を起こす疾患です。スポーツをしている人に多く見られますが、タナが残存している人であれば、特に運動をしていなくても発症することがあります。

タナは、形状や大きさによって以下の4タイプに分かれます。

・A型…索状(太く長い状態)にやや盛り上がっている

・B型…膜状(膜のような状態)で幅が狭い

・C型…幅が広く厚みもある(膝関節内の大腿骨内側を覆っている)

・D型…タナの一部に穴が空き、縁の一部が索状に離脱している

このうち、炎症を起こしやすいのはC型とD型で、A型、B型での発症はほとんど見られないとされます。

タナ障害の原因と症状

タナは大腿骨(だいたいこつ:太ももの骨)と膝蓋骨(しつがいこつ:膝の皿)の間にあるため、膝を屈伸した際に挟まって大腿骨に擦れてしまうことがあります。特に屈伸運動の多いスポーツなどをしていると、くり返し刺激が加わることでタナが肥厚(肥えたり腫れて厚みを増すこと)したり、裂けて炎症を起こしやすくなります。膝を屈伸するときには太ももの大腿四頭筋が主に使われるため、ストレッチ不足などによりここが硬く緊張していると、膝蓋骨を引っ張る力が強まることからタナ障害が起こりやすいとされます。

主な症状としては、以下ものがあげられます。

・屈伸運動や起立時、階段昇降時に膝が引っかかるような感じがする。

・膝を動かすと「コリッ」「パキッ」「ボキッ」などの音がすることがある。

・膝まわりが重苦しい感じがする。

・膝の内側を押すと痛みがある。

・初期は膝を動かすと痛みが生じ、放置すると安静時もジンジンとした痛みが長時間続くようになる。

タナ障害の治療法

タナ障害は初期の段階できちんと治療すれば、ほとんどの場合に症状が治まり、再びスポーツができるようになります。治療は、以下のような保存療法が基本となります。

・炎症と痛みが収まるまで、運動を休止する。

・抗炎症鎮痛剤(内服薬)や湿布などの外用薬で、痛みと炎症を抑える。

・超音波や温熱・冷却療法などの物理療法で、膝周辺にある筋肉の緊張を和らげる。

・大腿四頭筋の柔軟性を高めるストレッチや、筋肉強化をはかる筋トレを行う。

保存療法で改善が見らない場合や、ほかの組織にも影響を及ぼしている場合は、膝に小さな穴を開けて関節鏡を挿入し、患部をモニターに映して手術を行う「関節鏡視下の滑膜ヒダ切除術」などが検討されます。

放置するとタナが刺激を受け続けて硬く肥大化し、滑膜や軟骨など、ほかの組織を傷付ける原因にもなりかねません。このような状態を避けるためにも、初期のうちにしっかり治しておきましょう。

この病気・症状の初診に向いている科 整形外科

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