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使い過ぎによる膝の痛み(6):膝蓋軟骨軟化症

更新日:2018/03/06 公開日:2015/11/04

加齢・習慣・怪我による膝の痛み

膝蓋骨(しつがいこつ=膝の皿)の裏側にある軟骨に異常が起こる「膝蓋軟骨軟化症(しつがいなんこつなんかしょう)」。異常はなぜ起こり、どのような症状を引き起こすのでしょうか?ドクター監修の記事にて詳しくお伝えします。

膝蓋軟骨軟化症

10~20歳代の女性に多く見られるとされる「膝蓋軟骨軟化症(しつがいなんこつなんかしょう)」の原因と主な症状、治療法について解説します。

膝蓋軟骨軟化症(しつがいなんこつなんかしょう)とは

膝蓋骨(しつがいこつ)は、膝(ひざ)の前面で関節を守る役割を担っている骨で、いわゆる膝のお皿のことを言います。膝蓋軟骨軟化症(しつがいなんこつなんかしょう)とは、膝蓋骨の裏側にある軟骨が変性軟化(組織が柔らかく変化すること)し、膨らんだり亀裂が生じる疾患です。運動をしている若い女性に多く見られ、ランナー膝(中・長距離のランナーに起こりやすい膝スポーツ障害の総称)の一種ともいわれています。片膝のみの発症がほとんどですが、まれに両膝に起こることもあります。

膝蓋軟骨軟化症の原因と症状

ランニングやジャンプなど、スポーツなどでくり返される膝の屈伸運動により、膝蓋骨の軟骨部が擦れて磨耗することが原因のひとつと考えられています。膝蓋軟骨は関節軟骨の中でもっとも厚いため、激しい摩擦などの影響を受けやすいとされています。発症は、膝蓋大腿関節(しつがいだいたいかんせつ)の形態異常や膝蓋骨亜脱臼(しつがいこつあだっきゅう)がある場合など、他のトラブルにともない二次的に起こるケースがほとんどです。

膝蓋骨亜脱臼とは、なんらかの原因により膝蓋骨が正常な位置から外側にずれて脱臼してしまうことで、膝の痛みとともに膝がガクガクする、力が入らないなどの症状を引き起こす障害です。思春期の女性ホルモンの影響によって関節が緩みやすい10~20代の若い女性に多いことから、膝蓋軟骨軟化症もこの時期の女性に多い傾向にあると考えられています。また、女性は男性に比べて筋肉量が少なく、膝蓋骨がずれやすいことも関係しているといわれます。

この他、X脚や偏平足、大腿四頭筋(だいたいしとうきん:太ももの主な筋肉群)のアンバランスも原因になるとされています。

膝蓋軟骨軟化症を患うと、初期には膝蓋骨がひっかかる感じ(キャッチングと呼ばれる症状)など、膝に違和感を覚えます。この状態では、まだ痛みはともなわないことが多いです。少しずつ、階段昇降時や運動時、立ち上がりの際に瞬間的な痛みを感じるようになります。また、膝がくずれるような感じや、圧痛(膝蓋骨を圧迫した際の痛み)、「パキッ」という音やきしみ音をともなうこともあります。

なお、脱臼を起こしている場合は、強い痛みや腫れによって歩行が困難になることもあります。

膝蓋軟骨軟化症の対処法

まずは、運動はもちろん生活面での活動量も減少させ、安静を保つことで症状の緩和をはかります。特に、しゃがむ、膝まずくなどの動作は禁じ、階段は膝を曲げずにゆっくり昇る必要があります。

そのうえで、症状に合わせて以下のような保存療法が行われることもあります。

・痛みや炎症がある場合は抗炎症鎮痛薬を用いたり、湿布やアイシングを行う。

・電気や超音波、鍼灸治療などで痛みを緩和させることも。

・専用のサポーターで膝にかかる負担を軽減させる。

・膝蓋骨を引っ張る筋肉(大腿四頭筋など)の緊張を緩和させるストレッチや、膝蓋骨のずれをカバーする筋肉(太もも内側の内側広筋など)の筋力アップトレーニングを行う。

・偏平足の人は、靴の中敷きを使って土踏まずを上げる。

・肥満傾向の人は減量により膝への負担を軽減させる。

・症状が重い場合は、膝を伸ばした状態で包帯・ギプスなどで固定する。

保存療法で症状が落ち着くのを目指すのが基本で、手術を行うことはほとんどありません。ただし、膝蓋骨亜脱臼をともなっている場合は、手術が検討されることもあります。

軟骨のすり減りが進むと、膝蓋骨の骨面が露出して大腿骨とこすれ合い、痛みが増強してしまいます。このような重篤な状態に陥らないためにも、早い段階で適切な処置を施しましょう。2~3日安静にしていても膝の違和感や痛みが解消されない場合は、医療機関を受診してください。

この病気・症状の初診に向いている科 整形外科

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