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膝痛の治療法(1):運動療法

更新日:2017/08/23 公開日:2015/10/30

加齢・習慣による膝の痛みの対処法

膝痛の治療では一般的に手術以外の保存療法が行われますが、中でも痛みや炎症が落ちついているときにメインとなるのが運動療法です。ドクター監修のもと、運動療法が膝痛の緩和・改善によい理由と、具体的な方法について解説します。

ケガやトラブルによりひざに炎症や腫れ、痛みなどの症状が出た場合は、安静を保ちつつ、それぞれの症状に応じた治療が行われます。症状が治まってきたら、運動療法も同時に行うことで、改善と再発の防止をはかっていくのが一般的な流れとなっています。ここでは、運動療法がひざトラブルにもたらす効果と、具体的な方法についてお伝えします。

なぜ、ひざのトラブルが起こるのか

ひざには、骨と骨のあいだにクッションのようなはたらきを持つ、関節軟骨があります。関節軟骨自体には、神経が通っていません。そのため、関節軟骨自体が痛むことはありません。ただし、関節軟骨がすり減るなどといった関節に異常が見られる場合、関節を包む「関節包」が引っ張られた際に関節の周囲の神経が痛むことがあります。

上記の症状が起こる原因は、病気やスポーツによるもの、長年の生活習慣、そして加齢によるものなど、さまざまな原因によって引き起こされるとされています。

膝痛への運動療法の目的と効果

ひざにトラブルが起こったときは、痛みなどの症状が治まってきたら、できるだけ早いタイミングでひざに負担がかからない運動を行っていくことが推奨されています。それには、大きくふたつの理由があります。

症状の緩和と再発の予防を目指す

運動には血行の改善と患部を温める効果があるため、症状の緩和が期待できます。また、関節の動きをスムーズにする効果も見込めます。このほか、ひざのトラブルが再発することを予防するためにも、運動は必須となります。

ひざの痛みや違和感が気になって脚を動かさなくなる(運動量が減る)と、ひざへの負担を軽減させる周囲の筋肉(主に大腿四頭筋やハムストリングス)が衰えることから、関節への負担が増え、症状が再発しやすくなります。また、関節は動かさないと柔軟性が落ちて硬くなってしまうため、ひざが曲がりきらない、伸びきらないなど、可動域(動く範囲)も狭まってしまいます。

こうなると、関節を動かしにくいことからますます運動量は低下する傾向に。運動不足に陥ると体重も増加しやすいため、ひざの関節への負担はますます大きくなり、トラブルが起こりやすくなるという悪循環に陥ってしまいます。

このような状態を防ぐためにも、痛みなどの症状がある程度治まったら運動療法を開始し、現在のトラブルを早期に解消するとともに、今後の予防につなげることが大切なのです。

病気の根本治療を目指す

運動療法には、症状の緩和・再発防止効果だけでなく、疾患を根本的に治療する効果も見込めることがわかってきました。これは、体を動かすことによる新陳代謝の改善が関係します。新陳代謝がよくなるとひざ関節などに栄養がいきわたりやすくなるため、痛みや炎症の原因となる老廃物の排出につながります。また、細胞の活動も活発になるため、病気の進行が食い止められ、根本的な治療につながるとも考えられています。

具体的には、関節液の循環がよくなることで関節機能の回復が早まる、老廃物が排出されることで関節水腫(ひざに水が溜まる症状)が改善される、関節軟骨に栄養補給がしっかり行われるなどの効果が期待できます。

膝痛の予防・改善によい運動療法とは

運動療法では、まずウォーミングアップやストレッチから始め、筋トレを行い、最後にクールダウンのストレッチを行うのが基本です。主に、以下のことを目標として運動を行います。

  • ひざ関節の緊張を和らげて動きを滑らかにし、可動域を広げる。
  • 屈伸の際に主に使う大腿四頭筋(太ももの主な筋肉群)の柔軟性と筋力をアップさせる。
  • ひざを曲げる際に主に使うハムストリングス(太もも裏面の筋肉)の柔軟性と筋力をアップさせる。

それでは、運動療法の流れの一例をご紹介しましょう。

ウォーミングアップ(エクササイズ)

ストレッチ、筋力トレーニングの前に、下記にあげた方法のいずれかを行ってウォーミングアップしましょう。

椅子に深く腰かけた状態で背筋を伸ばし、両ひざを交互に上げてリズミカルに足踏みします。ひざ関節を緩やかに動かすことが目的なので、高く上げる必要はありません。片脚10~20回を1セットとし、1日2セット行うのが目安です。高く上げ過ぎたり回数が多すぎたりすると、腰痛などのトラブルを招く可能性があります。くれぐれも無理はしないようにしてください。

  • 足踏み体操
  • ひざの曲げ伸ばし運動

椅子に座り、片脚を上げます。ひざを曲げる角度90度~45度の間で、ゆっくりとリズミカルに動かしましょう。こちらも、ひざの関節を緩やかに動かすのが目的なので、大きく動かしたり力強く行ったりする必要はありません。片脚10~20回を1セットとし、1日2セット行うのが目安です。

ストレッチ

床に座って片脚を伸ばし、片脚は曲げてかかとがお尻の横につくようにします。この状態で両手を後ろにつき、曲げた側の太ももが伸びているのを感じながら数秒キープ。逆の脚も同様に行いましょう。両手を後ろについたときに脚を曲げている方のお尻や腰が浮いてしまう場合は、伸ばしている方の脚のひざを立て、内側に倒して行ってください。

床に座って両脚を揃えて伸ばし、背筋を伸ばしたまま上体を前に倒します。太ももの裏が伸びているのを感じながら20秒間キープ。1回につき20秒ほど休憩を入れながら、3回ほど行いましょう。

  • 大腿四頭筋のストレッチ
  • ハムストリングスのストレッチ

筋力トレーニング

痛みの状態や症状にあわせ、下記のいずれかを行いましょう。

床に仰向けに寝て両脚を伸ばします。ひざの下に丸めたタオルを入れ、これを押しつぶすように太ももに力を込めて10秒間キープ。10回を1セットとし、1日2セット行うのが目安です。

両足を肩幅程度に開き、両手を腰に当てます。腰が反らないように注意しながらひざの関節を30度ほど曲げてお尻を落とし、ゆっくり戻しましょう。10回を1セットとし、1日2セット行うのが目安です。

  • 大腿四頭筋の筋トレ(軽め)
  • 大腿四頭筋の筋トレ(重め)

これは、ひざ関節と股関節の可動域(動く範囲)を4分の1にとどめたスクワットです。スクワットは大腿四頭筋の筋力アップに効果的な運動ですが、ひざを深く曲げてしまうとひざの痛みを発生させやすいため、ひざのトラブルの改善には4分の1スクワットがよいとされています。

これらのほか、横向きに寝た状態で上の方の脚を上げてお尻の横の筋肉を鍛える方法や、仰向けに寝た状態で両ひざを立て、その間にボールなどを挟んで太もも内側の筋肉を鍛える方法なども効果的です。

ひざのトラブルが改善されたら、日常生活に適度な運動を取り入れて予防を心がけることも大切です。たとえば、1日30分・週3日以上のウォーキングや、ひざへの負担が少ない水中エクササイズ・水泳などがおすすめです。できる範囲でかまいませんので、ぜひ行ってみてください。

この病気・症状の初診に向いている科 整形外科

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