スキンケア大学 ヘルスケア大学 メンズスキンケア大学

膝痛の治療法(3):温熱療法・冷却(寒冷)療法

更新日:2017/08/23 公開日:2015/10/30

加齢・習慣による膝の痛みの対処法

膝痛の治療法には、「温熱療法」や「冷却(寒冷)療法」というものがありますが、患部を温めたり冷やしたりすることで、どういった効果が期待できるのでしょう?その効果や方法をドクター監修のもと説明します。

身体の痛みをやわらげるために、患部を温めたり冷やしたりする「温熱・冷却(寒冷)療法」というものがありますが、どのような時に冷やしたり、温めたりすればいいのでしょうか。ここでは、膝(ひざ)の痛みを治療する際の効果的な方法を解説します。

温熱・冷却(寒冷)療法とは?

温熱・冷却(寒冷)療法とは、熱や電気、光線、氷などの物理的な刺激を加えることで、膝の痛みや炎症を抑える理学療法の1つです。一般的に温熱療法は慢性炎症による痛みに、冷却(寒冷)療法はケガなどによる急性炎症による痛みに行われます。膝痛をもたらす代表的な病気に、「変形性膝関節症」がありますが、温熱・冷却(寒冷)療法は薬物療法や運動療法とあわせて、この変形性膝関節症の基本療法とされています。

変形性膝関節症とは?

膝関節にある軟骨が減ったことにともない、膝の屈伸の動きが悪くなったり、痛みを生じたりする痛みを生じたりする疾患で主として加齢変化です。変形性関節症は膝痛をもたらす代表的な疾患であり、この病気の潜在人数は50歳以上の日本人におよそ3000万人もいるといわれています。この病気は一次性(主として加齢変化)と二次性(半月板損傷や靱帯損傷に併発して発生)のものに分けられ、それぞれで原因が異なります。詳しくは『変形性膝関節症の症状とメカニズム 』で紹介しています。

温熱療法とは?

目的は「血流をよくすること」

温熱療法は、患部を温めることによって、筋肉などの緊張をゆるめたり、血流をよくして痛みに関係する物質の代謝を促したりすることで、慢性的な痛みをやわらげるものです。

方法は「病院では赤外線など、家ではお風呂など」

病院での温熱療法は、赤外線や低周波、レーザー、ホットパックなどを用いて行いますが、家庭でも、お風呂や温湿布、温めたタオルなどを使って行うことができます。また、痛みを予防するためには、サポーターを使って保温するなど、膝を冷やさない工夫も必要です。

冷却(寒冷)療法とは?

目的は「炎症を抑えること」

冷却(寒冷)療法は、患部を冷やして、炎症や腫れを抑えたり、痛みの感覚を鈍くしたりすることで、急性の痛みをやわらげるものです。

方法は「アイスパックなど」

アイスパック、冷やしたタオル、冷湿布などを用いたり、冷浴などの方法があります。

変形性膝関節症には温熱療法(ホットパック)が効果的との研究報告も

変形性膝関節症に対して、温熱療法の1つである「ホットパック」がどの程度の効果を発揮するのかという研究が、順天堂大学医学部整形外科講師池田浩先生と、同総合診療科助教授久岡英彦先生、そして株式会社花王との共同で行われました。

具体的な試験内容について

具体的な試験内容は、変形性膝関節症と診断された50歳以上の女性32名に、日常生活の中で毎日一定時間、市販の家庭用温熱パックを装着してもらい、ふだん通りの生活をしてもらうというもの。パックの装着時間は、4週間にわたって毎日1回6時間までとしました。そして、ふだんの生活の中で、変形性膝関節症に起因する困難がどの程度あるかを「無し」「少し」「中程度」「かなり」「極度」の5段階で答えてもらったのです。

日常生活の困難度合いが「軽減」した

もともと被験者たちが日常生活の中で困難を感じやすかったのは、階段の昇り降りや車の乗り降り、床掃除、床に落ちたものを拾う、重いものを運ぶときでした。しかし、ホットパックで毎日温めたことによって、こうしたときの困難が、「少し」もしくは「無し」の程度にまで軽減したという人が大多数を占めました。

温熱療法は効果が持続することも示唆された

試験を終えた6週間後に、一部の被験者に対して追跡調査をしたところ、ホットパックの使用をやめているにもかかわらず、試験終了時の膝痛がよくなった状態を維持できていた人が多かったのです。これは、ホットパックにより痛みが軽減したことで、体を動かしやすくなったため、それ以降は温めなくても、改善効果が持続したのだと考えられています。

膝痛の治療における温熱・冷却療法のまとめ

膝痛にはその症状に合わせて温熱療法や冷却療法がとられることもあります。基本的には慢性痛に温熱療法、急性痛に冷却療法がとられます。これらの治療方法の特徴を知っておき、治療に役立てるといいでしょう。

この病気・症状の初診に向いている科 整形外科

ヘルスケア本