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膝痛の治療法(5):外科手術

更新日:2017/08/23 公開日:2015/10/30

加齢・習慣による膝の痛みの対処法

膝(ひざ)の痛みが強い、立ち座りが困難、脚の変形が顕著など、膝のトラブルが生活に支障が出るほど重症の場合は、手術が検討されることもあります。ドクター監修のもと、膝のトラブルに適用される主な外科手術をご紹介します。

膝(ひざ)のトラブルにはさまざまなものがありますが、ほとんどの障害において治療は保存療法が基本となります。ただし、保存療法の効果が見られなかったり、膝痛が我慢できないほど強い、関節の変形が進んで日常生活に支障があるといった場合には、手術が検討されます。膝トラブルの改善に用いられる主な外科手術の方法をご紹介します。

膝痛の外科手術(1):関節鏡視下手術

膝関節の周りに約1cmの傷口を2~3か所開け、そこから直径約5mmの関節鏡(内視鏡の一種)を挿入して、膝関節内をモニターでチェックしながら手術を行う方法です。半月板の損傷や骨の変形が膝痛の主な原因であり、関節の変形がほとんど見られない場合に適用されます。関節を大きく切開しないことから傷口が小さく済み、術後の痛みがあまりなく、回復も早いことがメリットです。また、入院が1~2日で済むことも魅力のひとつです。

ただし、症状の緩和効果が長続きしないケースが多いことから、近年ではこの方法を用いない病院も多くなっていると言います。

膝痛の外科手術(2):高位脛骨骨切り術(HTO)

もともとO脚である場合だけでなく、変形性膝関節症によりO脚に変形してしまった場合にも用いられます。膝の変形が進行してO脚が強くなると、その結果体重のかかる軸もどんどん膝の内側にかかる負担が大きくなり、膝関節にある軟骨の内側がますますすり減りやすくなります。

脛骨(けいこつ:すねの骨)の一部を内側から外側に向かって切り、骨の向きをO脚からX脚方向に変えて固定することで、体重のかかる軸を内側から外側へ変化させ軟骨の摩耗の少ない側で体重をささえるように変化させる手術です。

適応の条件は、関節外側の軟骨が残っていることとなります。膝の曲げ伸ばしが困難なほど変形性関節症が進行している、肥満傾向が強い、骨粗しょう症が強いといった場合は、手術適応ではなくなります。また、O脚の度合いが強い場合も、矯正角度(=骨切開口部)が大きくなって骨折を起こしやすくなるため、用いることができません。

メリットは、関節が温存されるため、術後のスポーツや重労働が可能であること。正座ができるようになる人も多いと言います。デメリットとしては、入院期間が2週間~1か月と長いことと、回復にも時間がかかることがあげられます(完全に骨が融合するには2か月以上かかるとされます)。また、1年後には金具を抜き取る手術が必要になります。

膝痛の外科手術(3):人工膝関節置換術

機能が損なわれた膝関節軟骨を取り除き、人工の関節に取り換える手術です。膝関節が変形し、痛みも強い場合に行われます。関節の変形を矯正するだけでなく、関節痛を80~90%とることが可能です。術後のリハビリにより、歩行能力の向上も見込めます。

方法には、以下の2種類があります。

人工膝関節全置換術(TKA)

膝関節全体を人工のものに置き換える手術で、変形が関節全体に及んでいる場合に適用されます。切開範囲は約10~15cm、手術時間は1時間30分~2時間、入院期間は約3週間です。人工関節の寿命はおよそ15~20年とされています。

人工膝関節単顆置換術(UKA)

膝関節の一部分を人工のものに置き換える手術で、変形が一部に限定されている場合に適用されます。切開範囲は約7~10cm、手術時間は1時間~1時間30分、入院期間は約2週間です。人工関節の寿命はおよそ10年で、TKAよりも劣るとされています。

なお、TKA、UKAのいずれも、半年~1年に1度の定期健診を行い、人工関節の状態をチェックします。ゆるみや破損などが起こった際は、最置換術を行います。

以上の手術には、多かれ少なかれ感染や血栓症(静脈内に血の塊ができる)などの合併症のリスクがあります。また、膝関節の状態によって適応する手術が限られるケースも多く、手術しても効果がない、または手術によって状態が悪化する場合もあります。自分の膝の状態や手術のリスク、治療後の目的(日常生活が支障なく送れればいいのか、スポーツがしたいのかなど)をよく考慮し、医師と相談して手術をするか否かを決めましょう。

この病気・症状の初診に向いている科 整形外科

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