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高齢者に多い!「リウマチ性多発筋痛症」とは

更新日:2018/05/22 公開日:2015/11/24

その他のリウマチ性疾患

リウマチ性多発筋痛症は、肩や首、腰の周囲に左右対称の痛みが起こる状態で、高齢者に多いのが特徴です。ここでは、リウマチ性多発筋痛症の概要および症状、診断方法、発症した際の治療法や注意点について、ドクター監修のもと解説します。

リウマチ性多発筋痛症にはどのような特徴があるのか、症状や患者の特性、治療法について解説します。

リウマチ性多発筋痛症とは

リウマチ性多発筋痛症は高齢者に多く、肩や腰の周囲に筋肉痛や関節痛が起きるのが特徴で、PMRという略語で呼ばれることもあります。「リウマチ」という言葉が含まれていますが、関節リウマチとは別のものです。

リウマチ性多発筋痛症の発症頻度と発症しやすい年齢

リウマチ性多発筋痛症の患者数は、関節リウマチの10分の1以下と考えられています。発症する年代は50代以上が多く、発症時の平均年齢は65歳くらいとされています。患者は、男性よりも女性がやや多いのが特徴です。

アメリカでは、人口10万人のうち18.7~68.3人が発症し、中でも50歳以上の人口10万人に対しては、年間で50人程度が発症するとされています。一方、日本においては、正確な調査が少なく情報が乏しいものの、50歳以上の人口10万人に対して約1.5人といわれています。

リウマチ性多発筋痛症の原因

免疫に異常があるために起こることはわかっていますが、原因は明らかになっていません。

リウマチ性多発筋痛症の症状

リウマチ性多発筋痛症は、全身、筋肉、関節それぞれに症状が出ます。全身に出る症状には、発熱、倦怠感、食欲不振、急速な体重減少、うつ症状などがあります。特に夜や明け方に、筋肉に痛みやこわばり感が強く出るといった症状があります。痛みの出る部位は、両肩がもっとも多く、首、お尻、太ももと続きます。一般的には左右対称に痛みます。肩の痛みから、五十肩と診断されてしまうこともあるため注意が必要です。

関節の症状としては、朝に手のこわばりや痛みが出るほか、夜中に痛みが強くなることが多くあります。また、寝返りで体が動いたときに痛みで目が覚めることもあります。

リウマチ性多発筋痛症の診断

リウマチ性多発筋痛症を発症すると、血液検査でCRP(C反応性蛋白)の高値や血沈亢進(けっちんこうしん)などの炎症反応がみられます。貧血を合併するケースが多いことも特徴です。また、筋肉の痛みは生じても、基本的に筋力の低下や関節炎が認められることはほとんどありません。

診断には、決め手となる検査が少ないため、症状からリウマチ性多発筋痛症を疑う必要があります。血液中の炎症反応や症状をみながら、関節リウマチや感染症、ほかのリウマチ性疾患(膠原病:こうげんびょう)の可能性や悪性腫瘍を排除して総合的に判断します。

特に悪性腫瘍に関しては注意が必要です。PMRの10%前後でこの悪性腫瘍が合併しているといわれています。悪性腫瘍を合併している場合、先に悪性腫瘍の治療をすることによってPMR自体も改善することがあります。

ほかのリウマチ性疾患については、『リウマチ性疾患とは?定義や分類について』で解説しています。

リウマチ性多発筋痛症の治療と注意点

治療は長期化しやすいが完治する傾向に

リウマチ性多発筋痛症は、きちんと数年かけて治療すれば、ほとんどの方が寛解にいたります。治療には、ステロイドホルモンが効果的とされており、内服すると劇的な改善がみられ、数時間から数日で痛みやこわばりが治まります。

合併症のリスク

ステロイドを急に減らすとリウマチ性多発筋痛症は再発する可能性が高いため、非常にゆっくりしたペースでステロイドを減量していく必要があります。そのため、長期におよぶステロイド服用によって発症しやすい、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、糖尿病、高脂血症などの合併症を予防するためにも、これらの治療薬も同時に服用することが多く見られます。

まれなケースとして、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)という、視力を失う可能性のある病気を併発することがあります。こめかみ周囲の頭痛、目のかすみ、噛むときに生じるあごの違和感、38℃以上の発熱などがあれば、すみやかに主治医に相談してください。

疑わしい症状があれば医療機関へ

原因は明らかになっていないリウマチ性多発筋痛症ですが、適切な治療を受けることで症状が改善することがわかっています。痛みやこわばりなどの気になる症状があれば、五十肩などと自己判断せず、医療機関を受診しましょう。

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