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肩こりを改善・解消するための薬の選び方・使い方

更新日:2018/05/02 公開日:2015/12/03

肩こりの治療

肩こりをやわらげるための市販薬にはいろいろな種類がありますが、病院で薬を処方してもらう方法もあります。内服薬、湿布薬、塗り薬などの薬が数多くありますが、ドクター監修のもと、薬を選ぶポイントや使い方について解説します。

最近では、肩こりをやわらげるための市販薬がいろいろありますが、薬を選ぶときにはどのようなポイントをチェックすればいいのでしょうか。

肩こりとは?

肩こりとは、肩から首の周辺の筋肉が緊張し、重苦しく感じる状態のこと。

「痛い」「重い」「苦しい」「だるい」「張っている」「ジンジンする」「冷たい」など、人によって、感じ方もさまざまです。

さらに、感じ方だけでなく、肩こりになる原因も人によって異なります。長時間の無理な体勢や、肥満、なで肩といった体型の問題、生活習慣、老化、ストレスなど、いろいろな理由から肩こりは起こるのです。肩こりの原因が一人ひとり違うとなると、対処法もおのずと変わってきます。それぞれの原因に合った治療・対処を行うことが大切です。

肩こりのメカニズム

肩は、全体重の1/5~1/10近くにあたる頭と腕を支えているため、とにかく負担がかかりやすい部位です。デスクワークや車の運転、寝転んでの読書など長時間の無理な体勢によって肩の筋肉が疲れると、疲労物質である「乳酸」が溜まります。すると、筋肉が硬くなって血管を圧迫し、血行が悪くなっていきます。これが、肩こりの始まりです。

血行が悪くなると、痛みの物質が生まれ、神経を刺激します。脳が不快感や痛みを感じとりさらに、自律神経も影響し、筋肉が疲労します。そしてまた、乳酸が溜まり肩こりが慢性化するという悪循環に陥ってしまうのです。慢性的な肩こりは、ほぐした途端に軽くなったように感じますが、時間が経つごとにこりが徐々にぶり返します。

また、心理・社会的ストレスやホルモンバランスも肩こりに関連しており、悪循環になる要因の一つです。

肩の骨や筋肉は、全身の骨や筋肉とつながっており、肩だけを治療すればよいというわけではありません。全身の骨や筋肉、肩の骨、筋肉がバランスよく収縮して体を動かしているのですが、どこかを無理して引っ張りすぎてしまうと引っ張られた部分が硬くなり、つながりの前後からこりを感じることもあります。

肩こりの慢性化を防ぐためにも、まずは姿勢や生活習慣、ストレスの改善を心がけましょう。

肩こりに使用する薬とは

最近では、ドラッグストアなどで肩こりの症状をやわらげる市販薬が多数店頭に並んでいます。肩こりの症状をやわらげる薬のタイプには、内服薬、塗り薬、湿布薬などがありますが、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

内服薬

肩こりや腰痛専門の薬ではありませんが、ビタミンB群やビタミンEなどが含まれている錠剤などは、疲労や血行を改善する働きがあるため、肩こりや腰痛の解消のために服用する人が多くいます。また、肩こりが激しく痛む人や、首筋や肩にひどいコリがある人は、痛み止めや筋肉の緊張をとる薬を使用します。

経口摂取する内服薬の成分は、血液にとりこまれて患部に運ばれます。したがって、他の薬を服用している場合は飲み合わせに注意しなければいけません。また、痛み止めでは、胃がむかむかするなどの副作用や、筋肉の緊張をとる薬では、眠気が出るなどの副作用が出る場合がありますので、販売店の薬剤師に相談することをおすすめします。

これに対して、以下に述べる塗り薬、湿布薬(パップ剤)、プラスターでは、皮膚を通過して成分が直接患部に到達することによって効果が発揮されますので、飲み合わせの心配はほとんどありません。ただ貼り付け枚数が多いと内服薬同様の胃がむかむかするなどの副作用や、長期間の貼り付けにより、皮膚がかぶれたりすることがありますので注意が必要です。また、一部の薬では、経口剤、湿布剤に同一成分が入っているものがあります。同成分を経口剤、湿布剤として併用するのは控えた方がよい場合があります。

塗り薬

痛みをやわらげるなどの即効性が期待できる塗り薬には、クリーム、ゲル、ローションなどのさまざまなタイプがあります。

湿布薬(パップ剤、プラスター剤)

直接患部に貼ることで即効性が期待できる湿布剤には、冷感湿布と温感湿布があります。また、厚みのあるパップ剤と薄いプラスター剤があります。

病院でも肩こりの治療を受けることができ、薬を処方してくれます。病院では、薬局に売っていない強力な効能を持った薬や湿布が処方される場合もあるため、市販薬で効果を感じない場合は、医療機関へ受診をおすすめします。

飲み薬(漢方処方系)

肩こりで処方される漢方薬には、大きく分けると、症状が出ているときに一時的に飲むものと、慢性的な体質改善のために長期間飲み続けるものとの2種類があります。

越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)/防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)/桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)など、痛みやしびれなどの症状を一時的に改善させる目的で使用されます。

一般的に肩こりは慢性的な症状なので、一時的に症状が改善されても再びぶり返すことがあります。そのような場合は、下記の漢方薬による治療をすすめることがあります。

大柴胡湯(だいさいことう)/小柴胡湯(しょうさいことう)/柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)/柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)など、緊張やストレスを和らげ、「気」の状態を整える漢方薬を使用します。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)/桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん/当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)/加味逍遙散(かみしょうようさん)など、血のめぐりをよくしたり、血を補ったりするような漢方薬を使用します。

  • 肩こりの症状を改善させる漢方薬
  • 症状に合わせて一時的に飲む漢方薬の例
  • 慢性的な痛みや、体質改善のための漢方薬の例
  • 「気(生命エネルギー)」に問題がある場合
  • 「血(主に血液)」に問題がある場合

漢方医学的な診察と血液検査の大切さ

基本的に、整形外科では西洋医学に基づく診察を行いますが、漢方医学に関する知識を持った医師の場合には、漢方医学的な問診に加えて、脈診、舌診、腹診を行い、漢方医学的な判断をします。体質に合わない漢方薬を飲むと、胃腸をこわしたり、体のバランスが崩れたりして肩こりがひどくなることがあります。

また、定期的に血液検査をしてもらうことによって、副作用が出ていないか、今のつらい症状の原因が他にないかをチェックしてもらうことが大切です。きちんと診察してもらい、自分の体質にあった漢方薬を専門の医師と一緒に探していくことが「安全」で「近道」です。

湿布薬を選ぶポイント

肩こりをやわらげる湿布は即効性もあって手軽に使えますが、たくさんの種類があるので、どのように選べばよいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

そこでいくつか、湿布を選ぶポイントをご紹介します。

冷感湿布

メントールあるいはカンフルを含んでおり、貼ったときにひんやり冷たく感じる冷感湿布は、捻挫など、急な痛みや炎症をともなった脹れなどに使うとよいでしょう。患部をひやっと感じさせ、薬がしみこむことで、痛みを和らげる効果があります。

温感湿布

肩こりや腰痛など慢性的な痛みや、腫れがひいたあとの痛みに効果的です。カプサイシン(唐辛子の辛味成分)の刺激で患部を温かく感じさせ、薬がしみ込むことで、筋肉の緊張がほぐれ、血行が促進されます。ただ実際は、お湯で温めているようなものではなく、刺激によってそう感じているため、皮膚がかぶれたりしやすいので注意が必要です。

冷感/温感のいずれの湿布も、水分を多く含んだ粘着剤に有効成分をとけこませたものを伸縮性のある柔らかい不織布(厚さ約1mm)にぬった(薬剤層厚さ約1mm)製品です。

いずれの湿布も、皮膚で感じる温度は違いますが、効果に対しては優劣がついておりません。やって気持ちよい方を使われるとよいでしょう。

プラスター(経皮鎮痛消炎テープ剤)

突発的な痛みや慢性的な痛みに関係なく使えます。ベージュ色の薄い仕様で、パップ剤と異なり、水分を含んでいないので、冷たく感じる効果は劣りますが、薄く・軽く・はがれにくく、動かすことの多い関節部分に使うことが多いです。パップ剤と同様に皮膚から成分を吸収し炎症などの痛みを抑えてくれます。

しかし、貼りつきが強いためかぶれやすい場合もありますので注意してください。

湿布もプラスターも効果に対しては、優劣がついておりません。やって気持ちよい方を使われるとよいでしょう。

市販薬では、効果が期待できない場合は、注射で治療する方法もあります。詳しくは、「肩こり治療に使われる注射の方法と種類、効果・副作用」で解説していますのでご覧ください。

肩こりには運動がおすすめ

おすすめは、ウォーキングやヨガ、ストレッチといった運動です。このような疲労感を覚えない程度で行えるエクササイズで筋肉をほぐしましょう。また、体を動かすと全身の血行もよくなります。肩こり解消には肩甲骨まわりの筋肉を動かすことはもちろん、全身の血流をよくすることも大切です。さらに、体を動かすことに意識が集中するエクササイズ中は、悩みやストレスの軽減にも効果が期待できます。

入浴も血流促進によい影響があります。40度くらいの湯船にゆっくり浸かることで、全身の筋肉がゆっくりほぐれ、血行もよくなります。ただし、長く浸かれば浸かるほどよいというわけではありません。のぼせるほど浸かってしまうと逆に疲労につながりますので、気持ちよくあたたまる程度で湯船から出るようにしましょう。

肩こりの整体での検査と治療法

肩こりがなかなか解消されない場合、整体院で施術を受けるというのもひとつの方法です。整体院で行われる施術はどういったものかを解説します。

整体院で行う施術

整体は、カイロプラティックなどと異なり、統一した定義はありません。そのため、痛みのチェック方法や行われる施術は、整体院によって異なります。痛みのチェック方法に関しては、実際に体を動かして、体のどの部分に痛みが出るのかを整体師がチェックしていくのが一般的です。

施術の方法は、前述したとおり整体院によって異なりますが、マッサージがメインとなります。関節や骨格の歪みにアプローチする施術を行っている整骨院もあれば、筋膜にアプローチする施術、トリガーポイントにアプローチして痛みの緩和を目指す施術を行っているところなどさまざまです。

整体院や整体師によっては、マッサージを受けるだけではなく、日常でもできるストレッチの方法を教えてもらうこともできます。

自分に合った整体院を見つけることが重要

整体には定義が無く、資格も必要としないため、整体院や整体師によって技術や施術方法にばらつきがあります。そのため、自分に合った整体院を見つけることが重要となります。また、こりや痛みが解消されても、一時的な効果に過ぎないことが少なくありません。根本的に改善できているかどうかを判断するには、何度か通い続けることが必要となってきます。早めに効果を感じられればよいのですが、カイロのようにぐきっとやることによって神経麻痺が増悪したりすることもありますので注意が必要です。

国家資格保有者の開院されている整体院では、保険が適用されるケースもありますが、そうではない整体院では保険が適用されないため、長期間にわたる通院は経済面でも負担になりかねません。

できるだけ早く、痛みを解消したい、根本的な治療を受けたい、という場合は、ペインクリニック、肩こり外来のある病院またはクリニックという方法もあります。

ペインクリニックについて詳しくは、『ひどい肩こりに効果的?根本治療を目指すペインクリニックとは』で解説していますのでご覧ください。

この病気・症状の初診に向いている科 整形外科

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