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高血圧が引き起こす病気

更新日:2017/03/21 公開日:2015/12/25

高血圧が引き起こす合併症

常に血圧が高い状態が続く慢性的な高血圧は、脳や心臓、腎臓をはじめ、体の各部位に病気を引き起こします。ここでは、高血圧が原因となる病気を紹介し、高血圧の治療の重要性をドクター監修の記事で解説します。

高血圧とは?

安静にした状態で、慢性的に血圧が正常値よりも高い状態のことを高血圧と言います。日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」によると、収縮期血圧が130mmHg未満、かつ拡張期血圧が85mmHg未満なら「正常血圧」、収縮期血圧が130~139 mmHg、かつ拡張期血圧が85~89mmHgの場合は、高血圧ではないものの一歩手前の状態である「正常高値」と分類されます。そして、それ以上の値になると「高血圧」に分類されます。

ただし、一時的な血圧上昇の場合は高血圧とは言いません。体を動かしたり、寒さを感じたり、ちょっとしたことで人の血圧は上昇しますが、これらは心配のないものです。

自覚症状のない高血圧は「サイレントキラー」

自覚症状がない高血圧は放置されがちです。しかし、治療をせずにいると心筋梗塞や脳卒中、動脈硬化などの病気を引き起こす可能性があります。高血圧はある日突然生命を脅かすため、サイレントキラー、つまり沈黙の殺し屋と呼ばれているのです。

動脈硬化から、命を脅かす病気に進行

高血圧は無症状なので、知らず知らずのうちに体をむしばんでいきます。血圧は、たまに高くなる程度ならそれほど問題はありませんが、高い状態が長く続いていると動脈の血管に継続的な圧力がかかり、動脈硬化へと進行させてしまします。動脈硬化は、そのままにしておくと脳卒中や心不全などといった命を脅かす病へとつながっていきます。

自覚症状がある場合も

ただし、高血圧の状態が続いていると、頭痛や頭重感、のぼせ、めまい、耳鳴りなどの症状が起こる場合もあります。また、高血圧が相当進行していると、動悸、呼吸困難、胸痛、むくみ、夜間尿、足の痛みやしびれなどがある場合もあります。

これらの症状は、高血圧に限ったものではありませんが、体になんらかの不調が起きていることには変わりありません。気になる症状があったときは、そのままにせずに、病院を受診しましょう。また、年に一度、健康診断を受けることも、高血圧の早期発見に役立ちます。

脳卒中・脳疾患のリスクが高まる

高血圧によって、もっともリスクが高まるのが脳卒中です。

収縮期血圧が10mmHg上昇すると、脳卒中の発症・死亡リスクが男性で約20%,女性で約15%と、男女共に高くなります。また、脳卒中を発症すると、命が助かっても運動障害や言語障害などが残りやすいため、長期にわたるリハビリが必要になることも少なくありません。

脳卒中の種類

脳卒中は脳血管障害ともいい、脳の血管が破れたり詰まったりすることで、その部分の脳の働きが失われてしまう状態のことをさします。

脳卒中は、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の3つに大きく分類されます。

  • 脳梗塞
  • 脳梗塞は、脳の血管が詰まってその先の脳細胞が壊れることによって起こります。

  • 脳出血
  • 脳出血は、動脈硬化などでもろくなった脳の血管や、先天的にあった脳動静脈奇形部分が破れて脳の中で出血することで起こります。

  • くも膜下出血
  • くも膜下出血は、脳の動脈にできた動脈瘤が破れて出血し、脳の表面とくも膜の間に血液が広がることで起こります。

脳がダメージを受けることで、運動障害、感覚障害、コミュニケーションの障害、飲み込みの障害が起こり、体の機能が失われてしまいます。

なお、日本人が発症する脳卒中の約60%は脳梗塞です。高血圧と脳梗塞の関係性について詳しくは、『高血圧と脳梗塞の関係性』をご覧ください。

高血圧性脳内出血とは?

脳卒中全体の約15%にものぼるという高血圧性脳出血。症状は出血量と場所により異なりますが、大脳皮質に起こった場合は意識障害や片麻痺、小脳ではめまいや嘔吐(小脳症状)、脳幹出血では突然の意識障害、四肢麻痺などに加え、呼吸の傷害など生命の維持に必要な機能に関わってきます。

高血圧性脳内出血の症状や原因、予防法については、『脳が破壊される高血圧性脳内出血とは?』もあわせてご覧ください。

心疾患のリスクが高まる

高血圧が原因となる病気の中で、男性が特に気をつけたいものに心筋梗塞や狭心症などの心疾患があります。収縮期血圧が10mmHg高くなると心筋梗塞や狭心症の危険度が15%増し、男性の場合は特に影響が大きいとされています。

心疾患の種類

  • 狭心症
  • 高血圧によって血管に負担がかかり続けると、血管の壁が傷つき、その壁の中にコレステロールが溜まっていきます。これが、動脈硬化です。動脈硬化が進むと血液の通り道が狭くなり、それによって、心臓の筋肉に必要な酸素や栄養が届きにくくなります。すると心臓が激しい胸痛や圧迫感などの警告サインを出します。これを狭心症と言います。

  • 心筋梗塞と心不全
  • 心筋梗塞は、心臓に血液を送る冠動脈が動脈硬化などで狭くなったり、血栓が詰まったりして完全に血管が塞がり、その先の心臓の細胞が死んでしまうことです。心筋梗塞は、不整脈や心臓破裂などの合併症が起こった場合、死に至る危険性があります。

    また、心不全とは、心臓の働きが弱まり、全身に血液を供給できなくなった状態をさします。主に「収縮機能不全型」と「拡張機能不全型」の2種類に分かれますが、息切れや身体のだるさ、むくみ、呼吸困難、疲れやすいなどの症状が起こり、不整脈が現れて最悪の場合は突然死に至ることがあります。

    高血圧と心不全の関係性について詳しくは、『高血圧が引き起こす心不全』をご覧ください。

  • 心肥大
  • 高血圧の状態が長く続くと、全身に血液を送るポンプの役目をしている心臓は、より強い力が必要になります。心臓は筋肉でできているので、より強い力で血液を送るために心臓の壁がだんだん厚くなっていきます。これを心肥大といい、心肥大がひどくなると心機能の低下や心不全につながります。心臓は握りこぶし大程度ですが、心肥大では2倍まで大きくなるといわれています。

    高血圧と心臓肥大の関係性について詳しくは、『高血圧が心臓肥大を引き起こす?』をご覧ください。

慢性腎臓病のリスクが高まる

血圧が高い状態が続くのは、腎臓にも大きな負担がかかります。血液中のナトリウムなどの排出(腎臓の機能のひとつ)がうまくできず、それによって、さらに血圧が上がるという悪循環に陥ります。そして、腎臓が機能しなくなり、慢性腎臓病となってしまう危険性があります。

高血圧と腎臓病の関係性について詳しくは、『高血圧が腎臓に与える合併症』をご覧ください。

大きな病気を予防するために

定期的に血圧測定を

一般的に、高血圧は高齢になるほど患う確率が高くなります。日本の場合は、30~40代などの若い世代で、すでにおよそ半数の人が高血圧の状態だといわれています。ですから、日頃から自分の血圧に関心を持ち、定期的に測定することが大切です。もし高血圧の徴候が見られるようなら、食生活や生活習慣を意識的に改善する必要があります。

高血圧の予防は食事の見直しから

血圧と食事には密接な関係があるため、食事方法や摂取量、味付けなどには注意が必要です。まずは1日3食、決まった時間に食事をするように心がけましょう。また、満腹になる手前の腹八分目にしておくことも大切です。

  1. 規則正しい食生活を心がける
  2. ・間食を控える

    ・1日3食、腹八分目を心がける

    ・暴飲暴食をしない

  3. 塩分を控える
  4. 外食時の塩分摂取量に注意する

血圧を下げるためには適度な運動も大切

140~159/90~99mmHg程度にある血圧の場合、適度な運動と食生活の改善で血圧を下げられる可能性があります。適度に運動をすることで心肺機能が向上し、血液循環がよくなるためです。

運動にはウォーキングや水泳、サイクリングなどの有酸素運動と、腕立て伏せや筋トレ、短距離走などの無酸素運動があります。有酸素運動は酸素を十分に体内に取り入れながら行う運動ですが、無酸素運動は一時的に力を込めたりすることで血圧を上昇させるので高血圧の方が行うのは危険です。高血圧を下げるためには、有酸素運動をするようにしましょう。

高血圧を予防するために心がけたい生活習慣については、『血圧を下げ、高血圧を予防・改善する方法は?』もあわせてご覧ください。

高血圧を自覚したら、ドクターに相談を

高血圧の状態を長期間放置していると、それだけ血管のダメージも進行し、突然脳卒中や心筋梗塞を起こす可能性があります。ですから、高血圧を自覚したら、早めにドクターの指導を受けましょう。高血圧となっている原因を知り、治療が必要であれば早くから始めることが大切です。

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