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「致死性家族性不眠症」とは?

更新日:2018/05/02 公開日:2015/11/30

不眠症の基礎知識

不眠症には怖い病気というイメージはあまりありませんが、最悪の場合は死に至る「致死性家族性不眠症」もあります。ごくまれに発症するこの病気を、ドクター監修のもとにどのような病気なのかを紹介します。

不眠症の中には、眠りたいのに眠れなくなり、どんどん不眠が悪化して、最後には死を招く危険性もある「致死性家族性不眠症(FFI)」があります。今回は、この致死性家族性不眠症についてお話していきます。

致死性家族性不眠症とは

致死性家族性不眠症(FFI)は、プリオン病(伝染性海綿状脳症)と呼ばれる難病の一種で、遺伝性クロイツェルト・ヤコブ病(CJD)やゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病(GSS)と同じタイプに分類されています。ヒト以外で発症するプリオン病では、牛の牛海綿状脳症(BSE:狂牛病)が有名です。

プリオン病では、正常プリオン-タンパク質が一部変化して、異常プリオン-タンパク質になります。異常プリオン-タンパク質は、近くにある別の正常タンパク質を異常形に変化させ、これが連鎖的に続くことにより、異常プリオンが一定の量に達するとプリオン病を発症します。

プリオン遺伝子の突然変異が遺伝するため、プリオン病としての致死性家族性不眠症は家系的に発生することがあります。ただし非常に珍しい病気で、この遺伝子を受け継ぐ家系は、世界中でわずか40家系、日本には数家系しか報告されていません。また、この家系に属する人であっても、発病していない人もたくさんいます。

致死性家族性不眠症の有効な治療法はいまだ確立されておらず、厚生労働省から難病指定を受けています。

致死性家族性不眠症の症状

致死性家族性不眠症では、主に脳の視床という部位に異常プリオンが蓄積し、それによって睡眠障害が引き起こされます。はじめに気づく症状は、昼寝ができない、夜間に眠れない、熟睡した感じがしないといった軽い不眠症の症状で、やる気がなくなったり、今まで楽しめたことが楽しめなくなったりするなど、性格にも変化が現れます。また、交感神経系の活動が異常に活発になり、ものが二重に見えたり、目が疲れたり、夜間の発熱、血圧・心拍数・体温の上昇、呼吸が荒くなる、汗や涙が増えるなどといった症状が現れることもあります。それ以外にも、散発的に起こる筋肉の引きつり、痙縮、硬直などの症状が現れます。

病気が進行すると、ひどい睡眠不足で日中もウトウトするようになり、幻覚が見えたり、記憶力が低下したりします。そして、やがては「認知症」や「ミオクローヌス」という筋肉のけいれんが起きたり、次第にコミュニケーションもままならなくなっていきます。最終的には、やせ衰えて寝たきりになり、死んでしまいます。

致死性家族性不眠症は、発病後2年以内に全身衰弱、肺炎などで死亡することが多いとされています。

致死性家族性不眠症の検査と治療

「進行性の不眠」「認知症」「ミオクローヌス」といった典型的な症状や家族歴がある場合に、この病気の可能性が疑われ、最終的には遺伝子検査で、プリオン遺伝子に異常があるかどうかで診断が確定します。ただし現在のところ、致死性家族性不眠症に有効な治療法は見つかっていません。

しかし、致死性家族性不眠症は、プリオン遺伝子に異常がある人なら、必ず発病するというわけではありません。この病気を発病した家族の中には、同じ病気を発病した人がいるものの、発病しなかった人も大勢います。

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