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病院で処方される不眠症の薬(種類と副作用、注意点)

更新日:2016/12/09 公開日:2015/11/30

不眠症の検査・治療

不眠症の治療では、睡眠薬を使った薬物療法を行うことがありますが、睡眠薬には、どのような効果があるのでしょうか。今回は、主な睡眠薬の種類と安全性、副作用、睡眠薬を利用する際の注意点などをご紹介していきます。

睡眠薬というと、使っているうちに効力が弱まってしまい(耐性)、使う量が増えていったり、薬なしでは眠れなくなったり(依存性)してしまう気がします。これには、「危険なクスリ」というイメージを持っている人も少なくありません。しかし、それはかつて用いられていた「バルビツール酸系」と呼ばれる睡眠薬のことだと思われます。最近使われているものは、バルビツール酸系と比べると、耐性や依存性、副作用が少ない、比較的安全性の高い薬剤といえます。

ベンゾジアゼピン受容体作動薬

最近、不眠症の治療薬として主に処方されているのは、「ベンゾジアゼピン受容体作動薬(GABA受容体作動薬)」という睡眠薬です。

この薬には、脳の興奮を抑えるGABA(ガンマアミノ酪酸)という神経伝達物質の働きを促すことによって、穏やかに眠りに導く「催眠作用」のほかに、不安をやわらげる「抗不安作用」、筋肉の緊張をゆるめる「筋弛緩作用」などがあり、薬の種類によって、効果がそれぞれ違います。

ドクターの指示を守って適切に使用すれば、副作用を過剰に心配する必要はないと思われます。

ベンゾジアゼピン受容体は、前記の生体内物質GABAに対する受容体のいくつもある部品のひとつ。この受容体に結合して作用を示す薬物をベンゾジアゼピン受容体作動薬といい、作用時間によって4つのタイプに分類されます。

超短時間作用型

薬の作用がすぐに現れ、効いている時間が短いため、翌朝まで作用が残らないタイプの薬です。入眠障害(寝つきが悪い)の人に用いられます。

短時間作用型

薬の作用が現れるまでの時間が比較的短く、作用の持続時間も短めの薬です。入眠障害や熟眠障害(熟睡感がない)の人に用いられます。

中間作用型

薬の作用が現れるまでの時間が比較的長く、作用の持続時間も長めの薬です。早朝覚醒(早朝に目覚めてしまう)や熟眠障害の人に用いられます。

長時間作用型

薬の分解に時間がかかり、目覚めた後も薬の作用が比較的長く続く薬で、早朝覚醒や熟眠障害の人に用いられます。日中の不安の改善にも役立ちます。ただし、日中に眠気やだるさが残ってしまうことがあります。

ベンゾジアゼピン受容体作動薬の副作用

(1) 持ち越し作用

睡眠薬の効果が翌朝以降も続くことです。それが強いときには日中に眠気やふらつき、脱力感、頭痛、倦怠感などを示すことがあります。消失半減期(薬物の血中濃度が最高値から半分に減るまでの時間の長さ)が長い薬にみられることがあります。

(2) 筋弛緩作用

筋肉がゆるんで力が入らなくなる作用で、転んだり、ふらついたりしやすくなります。お年寄りほど、作用が強く出るので注意が必要です。

(3) 記憶障害

薬を飲んでから寝つくまでのことや、夜中に目が覚めたときのことを忘れてしまうことです。

(4) 反跳性不眠

長期間服用していた薬を、「ぐっすり眠れるようになったから」と自己判断で突然止めることで、服用前よりも強い不眠が現れるようになることです。

(5) 退薬症状(離脱症状)

長期間服用していた薬を自己判断で急に止めたときに起こる症状で、不眠、不安、焦燥、手足の震え、発汗などが現れます。

(6) 異常行動

ごくまれにではありますが、抑制がとれて興奮しやすくなったり、攻撃性が増したり、錯乱状態になったりすることがあります。

ただし、ドクターの指示に従って適切に使用すれば、上記のような副作用は比較的少ないと言えます。

睡眠薬を利用する際の注意点

睡眠薬を使用する際は、次のことに注意しましょう。

(1) ドクターまたは薬剤師の指示通りに服用する

自己判断で服用する量やタイミングを変えたり、勝手に服用をやめたりしないで、ドクターや薬剤師と相談しましょう。

(2) 薬を飲んだら早めに寝床に入る

睡眠薬を飲んだあとに、そのまま起きて活動していると、ふらついたり、転倒したりことがあります。

(3) アルコールと一緒に飲まない

睡眠薬をアルコールと一緒に飲むと、効果が強くなり、ふらつきや脱力、異常な行動が出たり、記憶が抜け落ちたりすることがあります。

(4) やめたいときはドクターに相談してから

睡眠薬は、急に服用を止めると、反跳性不眠や退薬症状が出る可能性があるため、やめるときは、少しずつ量を減らしていく必要があります。やめたいとき、あるいは服用量を変えたいときは相談しましょう。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

ベンゾジアゼピン系睡眠薬と比較して受容体に対する選択性が高まり、抗不安作用や筋弛緩作用が少なくより睡眠としての効果に重点がおかれています。高齢者においては、転倒のリスクがより少ない利点があります。

メラトニン受容体作動薬

メラトニン受容体に作用することで睡眠薬として働きます。体内時計を調整することで寝つきを良くする睡眠薬です。入眠に対する効果が期待できます。ベンゾジアゼピン系や非ベンゾゼアゼピン系にみられるような依存性や離脱症状が起こりにくいと言われていますが、既に睡眠薬を長期に飲んでいる方には効果が弱いかもしれません。夜勤が多いなど勤務時間が不規則な人、海外渡航が多く時差ボケになりやすくて困っている方には最適です。

オレキシン受容体拮抗薬

オレキシンは脳内の神経伝達物質のひとつで、脳の覚醒の維持に関わっている物質です。オレキシン受容体をクスリでブロックすることで、オレキシンが作用できないようにします。これが、睡眠へとつながります。入眠や中途覚醒に対する効果が期待できます。ベンゾジアゼピン系や非ベンゾゼアゼピン系にみられるような依存性や離脱症状が起こりにくいと言われていますが、服用の翌朝以後に眠気や集中力、注意力、反射運動能力の低下などがみられる場合があるので、自動車の運転などには注意する必要があります。

漢方薬

睡眠を助ける漢方薬が各種あります。上記に示したような副作用はありませんが、上記に紹介した睡眠薬と比べて即効性や確実性は低いかもしれません。また、体質にあっていないと効果は乏しいので、漢方専門のドクターに診察してもらい、その方の体質にあった漢方薬を選んでもらうとよいでしょう。

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