化粧品やサプリメント成分として注目のグルコシルセラミドとはどんなものか、詳しくみてみましょう。
グルコシルセラミドとは
スフィンゴ糖脂質の一種で、セラミドとグルコースが結合したものです。小麦や米、トウモロコシ、大豆、こんにゃく芋などに多く含まれていて、これを植物性グルコシルセラミドと呼びます。
グルコシルセラミドは、私たちの肌にも存在します。皮膚の表面の角質層の下にある、基底層から顆粒層に存在し、細胞と細胞を結合させる役割を果たしています。
肌のセラミドは、ターンオーバー(新陳代謝)の過程で生成され、いったんグルコシルセラミドとスフィンゴミエリンに分解されてから蓄積されていきます。その後、再びセラミドに合成されます。つまり、グルコシルセラミドは、肌の中でセラミドが分解されてできる成分のひとつであり、セラミドを作りだす際に必要な成分でもあるのです。
セラミドについて詳しくは、「セラミドの皮膚内での役割」をご覧ください。
グルコシルセラミドの効果
肌の保湿効果のほか、バリア機能を高めることでアトピー性皮膚炎の改善や皮膚の老化予防効果もあるといわれています。
肌の保湿効果
グルコシルセラミドは角質細胞同士を密着させ、細胞内の保水機能の改善や、水分の蒸発を抑えるバリア機能の改善に効果が期待できることが分かっています。
抗アトピー効果
アトピー性皮膚炎では、グルコシルセラミドとスフィンゴミエリンがセラミドに再合成される際に異常が起こり、グルコシルスフィンゴシンとスフィンゴシルホスホリルコリンという物質に変化します。その結果、セラミド(特にセラミド1)が不足し、肌のバリア機能が低下した状態になってしまいます。
そこで、グルコシルセラミドを補給することでセラミド1を増やし、肌のバリア機能を高め、アトピーの症状を緩和させる効果が期待できます。
また、セラミド1の不足は角化症や魚鱗鮮(ぎょりんせん)といった皮膚病の原因になることもあり、これらを防ぐ効果も期待できます。
肌の老化抑制効果
グルコシルセラミドには、肌を老化させる酸化反応を抑える抗酸化作用や、エラスターゼ・コラゲナーゼ・チロシナーゼなどシワやシミの原因になる酵素を抑制する作用、肌の細胞(皮膚線維芽細胞)増殖を活性化する作用などもあり、アンチエイジング効果が期待されています。
なお、エラスターゼは肌の中のコラーゲンを結びつけるエラスチンを分解する酵素、コラゲナーゼはコラーゲンを分解する酵素、チロシナーゼはメラニンを作りだす酸化酵素です。
グルコシルセラミドの摂り方
植物性グルコシルセラミドは、食品から直接摂取しようと思うと相当量を食べなければなりません。たとえば、1日に必要なグルコシルセラミド量600μg(=マイクログラム)は白米お茶碗25杯、玄米10杯、パスタ3皿に含まれています。生芋こんにゃくだと100gで摂取できます。ただ、この量から考えると、毎日食品で摂るのは現実的ではありません。
そのため、植物から抽出したグルコシルセラミドを高濃度で配合したサプリメントや化粧品から摂るのがおすすめです。
サプリメントなどで経口摂取する場合は、グルコシルセラミド1日1~2mgを継続して摂ると効果が期待できるといわれています。
植物性グルコシルセラミド配合化粧品では、米ぬかや小麦胚芽などから抽出されたグルコシルセラミドを使ったものが多くみられます。選ぶ際は、セラミド配合量をチェックしましょう。さらに、肌への浸透率を高めるために成分をナノ化したものがおすすめです。上手に活用して乾燥肌対策に役立てましょう。
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