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HLA抗原とHPA抗原(白血球・血小板の血液型)について

更新日:2018/02/22 公開日:2016/01/27

血液型の基礎知識

血液型にはさまざまな種類があります。輸血の際に重要になるABO式血液型やRh血液型のほか、HLA、HPAという血液型もあります。ドクター監修のもと、この2つの血液型のHLA抗原とHPA抗原についてわかりやすく解説します。

血液型の種類の中に、HLA抗原とHPA抗原があります。これらはどのような血液型なのでしょうか。HLA抗原とHPA抗原の構造や特性について解説します。

白血球の血液型、HLA抗原とは?

A型、B型、AB型、O型に分類される「ABO式血液型」や、陽性と陰性に分かれる「Rh血液型」は、赤血球の血液型です。実は、白血球にも固有の血液型があります。それが、HLA(Human Leukocyte Antigen:ヒト白血球抗原)。フランスの輸血学者ドセーによって、1954年に発見されました。

赤血球の血液型は、輸血をする際、献血者と患者の血液型を一致させる必要があります。白血球の血液型であるHLAも同じように、移植を行う際、患者とドナーのHLAの型を一致する割合が重要になります。発見した当初は、白血球のみに存在すると考えられていたHLAですが、今では赤血球を除く多くの組織や細胞に存在することが分かっています。代表的な抗原に、A、B、C、DR、DQ、DPがあります。

HLAは、骨髄移植や臓器移植の際に重要となる抗原です。骨髄移植や臓器移植は、基本的に患者とドナーのHLAの型が一致しないと行えません。型が一致していないと拒絶反応が起こり、重篤な状態に陥ることもあります。

HLA抗原と病気との関連性

免疫系を識別するために使われている複雑な抗原、HLAと、疾患との関連性についてみていきましょう。

ナルコレプシー

ナルコレプシーとは、眠気や脱力が発作的に生じる病気です。根本的な原因は未だ解明されていませんが、1984年に行われた東大病院の本多博士のグループの研究によると、135人のナルコレプシー患者の血液検査の結果、患者全員が同じタイプのヒト白血球抗原(HLA)を持っていることを発見しました(DR2、DQB1)。

レム睡眠の出現異常や、神経伝達物質であるオレキシンの異常といった他の原因も考えられていますので、今後の研究による解明を待ちたいところです。

強直性脊椎炎

原因不明の関節リウマチに類似した慢性炎症性疾患、強直性脊椎炎も、HLA抗原との関連が考えられている疾患です。強直性脊椎炎の患者は、HLA抗体の一つであるHLA-B27型の陽性率が高いということはわかっていますが、こちらも原因は明らかになっていません。

血小板の血液型、HPA抗原とは?

血小板にも、固有の血液型HPA(Human Platelet Antigen:ヒト血小板抗原)があります。1959年、オランダ人のファン・ローゲムらが発見しました。日本では1986年、新生児血小板減少症の子供の母親からHPA抗体が発見されました。母にはない血小板抗原(HPA)を胎児が持っていたとき、母体で胎児の血小板抗原に対する抗体が産生されて、胎児の血小板を壊すことにより、新生児血小板減少性紫斑病を発症するケースがみられます。

臓器移植を行ったり血小板輸血をくりかえし受けていると、HLAに対する抗体が産生され、血小板上のHLAと反応し血小板が壊され、輸血の効果があがらなくなってしまいます。この場合、患者とHLAを適合させたHLA適合血小板を使いますが、それでも輸血効果が乏しい場合には、HLAだけではなく、HPAにも適合した血小板製剤を輸血する必要があります。

血小板抗体は近年つぎつぎに発見されており、1990年には、国際的統一名称「HPA」がつけられて発見順に番号で表示することに決まりました。2013年までに、HPA-33まで報告されています。

医療現場においてHLA、HPAは重要なもの

ABO式血液型やRh血液型など、一般に知られている赤血球の血液型のほか、白血球や血小板にもHLA、HPAという血液型があり、それらは移植治療などにおいて重要な役割をもっています。

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