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バセドウ病と真逆の症状が出ることもある『橋本病』とは

更新日:2016/12/09 公開日:2016/02/17

バセドウ病について知っておきたいこと

バセドウ病と同じく甲状腺に異常が起こる病気のひとつに橋本病があります。橋本病では、甲状腺の炎症のほか、バセドウ病と似た症状、または真逆の症状が出ることもあります。橋本病の詳しい症状や治療について解説します。

甲状腺に異常が見られる病気はバセドウ病以外にもさまざまなものがあります。ここでは、バセドウ病と似た症状や真逆の症状をきたすこともある橋本病について解説します。

橋本病は自己免疫の異常が影響

橋本病は甲状腺に慢性の炎症が起きる病気で「慢性甲状腺炎」とも呼ばれます。バセドウ病と同様に自己免疫の異常が関与しています。

橋本病は女性に多く、男性の発症率の20~30倍といわれるほどの多さです。年齢別の患者数では20代後半以降の人の割合が高く、特に30代と40代の割合が高くなっています。

診断のために行う検査

血液検査で調べるのは甲状腺ホルモンや甲状腺刺激ホルモン(TSH)の数値、また、甲状腺の組織成分に対する抗体などです。また、甲状腺エコーでは、多くは甲状腺が腫大してみえますが、時に萎縮している場合もあります。甲状腺が粗いエコー像を示すことが多く、エコーを見た様子からも橋本病を疑います。抗体を調べても診断が明確にできない場合には甲状腺の細胞を検査することもあります。

橋本病の症状

橋本病では、多くの場合甲状腺の腫れのみの症状で、甲状腺機能は正常なレベルをキープしています。しかし、20~30%程度の割合で甲状腺機能の低下が見られます。また、一過性ではありますが、甲状腺ホルモンが過剰になりバセドウ病と間違われることもあります。

びまん性甲状腺腫

橋本病の甲状腺腫はバセドウ病と同じように甲状腺全体に広がる甲状腺腫ですが、バセドウ病に比べて腫大した甲状腺が硬く、また、甲状腺の表面がゴツゴツしたものが多いといわれています。

甲状腺機能低下症による症状

甲状腺機能が過度に高くなるバセドウ病もさまざまな症状がみられますが、甲状腺機能低下が起きた場合にもむくみや皮膚の乾燥、無気力など種々の症状が現れます。むくみは、「粘液水腫」とも呼ばれるもので通常のむくみとは違い、圧迫したときに元に戻ることが特徴です。

また、橋本病は意欲や気力がなくなり、忘れっぽさや口のもつれなどが生じることもあり、さらに、月経が長引くなどの月経異常や不妊症、流産のリスクが高くなることもあります。

甲状腺ホルモンの過剰

橋本病で慢性の炎症が強くなると、まれにホルモンが甲状腺から漏れ出てしまうことがあります。そうなると、一時的に甲状腺ホルモンが高くなり、発汗や動悸といったバセドウ病に似た症状が出ます。しかし、バセドウ病とは異なり、炎症が治まれば甲状腺機能は正常な状態に戻ります。

橋本病の治療

治療の必要性の判断

甲状腺機能が正常の場合には甲状腺ホルモンの量に過不足がないと考えられるため、早急に治療を受ける必要はないとされています。しかし、甲状腺機能低下がある場合は症状が明確に現れていない場合でも心臓や肝臓の機能低下、また、新陳代謝の低下などさまざまな影響が起こりうるので治療が必要です。若い女性の場合は、甲状腺機能低下が不妊の原因となります。治療することで、不妊が治りますので、その際は治療が必要です。

主な治療方法

橋本病の治療は、甲状腺ホルモン薬を用いて甲状腺ホルモンを補います。甲状腺ホルモン薬は適量であれば通常、副作用は生じないとされている薬です。

ただし、高齢者の場合、あるいは心臓病の患者さんや甲状腺機能が著しく低下している人には少量の服薬から始め、薬を増量する際にも慎重に行う必要があります。

この病気・症状の初診に向いている科 甲状腺科

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