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おたふく風邪(流行性耳下腺炎)の治療薬について

更新日:2018/12/13 公開日:2016/02/17

おたふく風邪(流行性耳下腺炎)の基礎知識

ウイルスの感染で発症するおたふく風邪には、特効薬がないといわれています。では、病院ではどのような薬が処方されるのでしょうか。ここでは、ドクター監修の記事で、おたふく風邪発症時に主に処方されている薬と予防法について解説します。

おたふく風邪になった場合、薬で治せるのでしょうか。もし治せるとしたらどんな薬が使われるのでしょうか。ここでは、おたふく風邪の治療時に処方される薬について紹介します。

特効薬がないといわれる理由とは

おたふく風邪は、ムンプスウイルスといわれるウイルスによって起こります。したがって、細菌に対して効果がある抗生物質は効きません。抗ウイルス薬があればいいのですが、ムンプスウイルスに対する抗ウイルス薬は開発されていません。ウイルスを撃退したり、増殖を抑えその働きを止めたりする抗ウイルス薬の開発は、抗生物質などと比べ難しいとされています。ウイルスは体の細胞内で増殖しますが、正常な細胞を攻撃することなくウイルスだけを見極め、攻撃できるような薬を開発することは難しく、開発費もかかってしまいます。

また、おたふく風邪の原因となるムンプスウイルスは、飛沫感染および接触感染します。会話やくしゃみ、咳といったことで感染してしまうので簡単に流行しますが、ウイルスそのものは比較的に弱く、感染しても症状が出ない不顕性感染が30~35%ほどいるといわれています。おたふく風邪対策は予防接種での予防、または、発症し症状が出てきた場合には症状に応じた対症療法での対処が必要になります。

ムンプスウイルスは、外側がエンベロープと呼ばれる脂質の二重膜で包まれていて、この部分がヒトの体の細胞に吸着することで感染しやすくなっています。しかし、このエンベロープは脂質から成り立っているので、界面活性剤やエタノールなどの消毒薬で破壊することができ、感染力を弱めることができます。インフルエンザウイルスも同様の構造をしています。飛沫感染や接触感染をし、エンベロープをもつウイルスには、せっけんを用いた手洗いやうがい、アルコールによる消毒が有効な予防手段になります。特効薬がないおたふく風邪は、せっけんを用いた手洗い・うがい・アルコール消毒、予防接種といった予防対策でリスクを減らすことが大切です。

腫れの痛みを和らげる薬の紹介

おたふく風邪の治療の基本は対症療法ですが、発熱や痛みに対してはアセトアミノフェンの内服薬・坐薬や、イブプロフェンといった解熱鎮痛薬が使われます。体本来の免疫機能を考えると、必要以上に解熱鎮痛薬を使わない方がよく、高熱や腫れ・痛みが激しいときに使われることが最善です。

頭痛や嘔吐が激しい時は、合併症として無菌性髄膜炎を発症している可能性を考えなければなりません。この場合は、発熱・頭痛に対して解熱鎮痛薬を用い、脱水に注意をしながら、必要に応じて水分補給を行い、自然軽快を持ちます。膵炎(すいえん)の合併は非常にまれですが、この場合はその具合に合わせて抗菌薬、酵素阻害薬が用いられることもあります。まれに起こる合併症として、感音性難聴がありますが、これに対する特効薬はありません。

アセトアミノフェンやイブプロフェンをはじめとする解熱鎮痛薬は、あくまでも発熱や痛みなどの症状を抑えるためのものであり、ムンプスウイルスを抑えておたふく風邪自体に効くものではないということをしっかり認識しておくことが大切です。

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