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盲腸(急性虫垂炎)はなぜ発症する?食べ物やストレスが原因?

更新日:2018/06/11 公開日:2016/02/18

盲腸の基礎知識

盲腸(急性虫垂炎)になるとお腹が痛くなって入院・手術が必要になったり、放置しておくと破裂する、という話を聞いたことがあるかもしれません。どうして盲腸が起こるのでしょうか。ここでは盲腸の原因についてドクター監修のもと解説します。

◎短くポイントをまとめると
「盲腸が何らかの原因で詰まること」が発症の主な原因
盲腸が詰まるとそこで細菌が異常に増殖し、炎症が起きて痛みが起こる
盲腸への血行が悪くなることにより、組織が死んで穴が空く(破裂する)こともある
盲腸を詰まらせる原因として多いのは「糞石」

虫垂(盲腸)のイメージイラスト

盲腸もうちょう」とは俗称で、正式には「急性虫垂炎きゅうせいちゅうすいえん」と呼ばれる病気です。一生のうちに盲腸になる人の割合は、男性で約9%、女性で約7%と言われています。10人いたら1人弱は経験があるということなので、かなり身近な病気です。

身近であるからこそ、盲腸になるとお腹がすごく痛くなったり、入院や手術をしなければいけなかった、破裂(正式には穿孔)して重症化(急性腹膜炎)したりする、というような話を耳にすることがあるのではないでしょうか。ここでは、どうして盲腸が発症するのか、その原因とは何なのかをドクター監修のもと解説します。

盲腸の原因はまだはっきりとは解明されていない

盲腸(急性虫垂炎)が病気として記録されたのは1886年のことでした(米国ハーバード大学の教授であったReginald Heber Fitz医師が発表)。それから今に至るまで、はっきりとした原因は解明されていませんが、おそらく発症に関係していると思われるいくつかの要因と、盲腸に炎症や穿孔が起こる流れはおおよそ見当が付いています。

盲腸(虫垂)の中が詰まってしまう

盲腸の形状は、この記事の冒頭に掲載したイラストで示したように、細いポケット状になっています。これが小腸から大腸へのつなぎ目のすぐ近くで飛び出たような格好になっています。

このポケット上の盲腸の中が何らかの原因で詰まってしまうと、この中で腸内細菌が異常に増殖をしてしまい、内側がパンパンに膨らんでしまいます。そうすると、炎症が起こったり、盲腸に血液やリンパ液がうまく循環できなくなってしまって組織が死んでしまい、穴が空いてしまったり(穿孔)します。これが盲腸の発症のおおよその流れです。

盲腸の発症に関連する要因

盲腸の発症に関連すると考えられている要因はいくつかあります。その中でも、盲腸の中を詰まらせる原因として多いのが「糞石ふんせき」です。これらは盲腸を発症した人(特に穿孔が見られる人)のお腹を開いてみるとよく発見されます。糞石は、便になりかけた消化途中の食べ物や、粘液中のカルシウム成分が固まったようなもので、これが盲腸の中を塞いでしまうことで密閉空間となり、細菌が感染・増殖しやすい状況になってしまいます。

また、過剰に増えたリンパ組織や、腸管内膜の損傷や炎症、腫瘍なども盲腸の発症に関係しているといわれています。ストレスは直接的な原因としてはあげられていません。

盲腸になると起こる典型的な症状

盲腸の症状は人によって多少異なりますが、多くの人で見られる典型的な症状が知られています。

盲腸の中が糞石などで詰まると、まずは腸の粘膜で炎症が起こります。初期では悪心(吐き気)を感じることが多く、胃の調子が悪いと思うでしょう。倦怠感や疲労感もみられます。しばらくすると、へそ~みぞおち周辺で腹痛が起こります。このときの痛みは内臓痛と呼ばれ、押されるような、しぼられるような鈍い痛みであり、波があります(痛い時と痛くないときがある)。

やがて、半日から1日くらい経つと、炎症の範囲が広がって腹膜に及び、突き刺すような激しい痛みが起こるようになります(体性痛と呼ばれます)。痛む部位が右下腹部に移動し、痛い場所がはっきり限定されて感じるようになります。つま先立ちになってからドンと踵をついたときにお腹に痛みが響くようなら、腹膜に炎症が起こっている可能性が高いです。

この状態になると、軽い吐き気や嘔吐があり、食べ物を受け付けなくなります(食欲不振)。

さらに炎症が進み、盲腸が穿孔(いわゆる「破裂」)すると、腹膜全体が刺激を受けてお腹の筋肉が緊張しっぱなしになってしまいます。お腹を触るとカチカチに固くなっています。ここまで重症化すると緊急手術が必要になります。

なお、盲腸になったら必ず手術が必要となるわけではなく、症状がごく軽いものなら抗生物質(抗菌薬)の投与で様子を見ることがあります。これで症状が収まっても、再発して手術が必要になることがあります。また、穿孔が起きても炎症が周りに広がらず、膿瘍ができている場合は、まず抗生物質などで炎症を抑えるなどしてから、日を改めて手術をするようなケースもあります。

盲腸の診断法や治療法、予防法などについて詳しくは、こちらのリスト『家庭の医学 盲腸(急性虫垂炎)』に載っている記事をご覧ください。

参考文献

  1. ・デニス・L・カスパーほか編. ハリソン内科学 第5版. メディカル・サイエンス・インターナショナル. 2016; 2037-2040
  2. ・大坪毅人. 急性虫垂炎の最新の治療法. ドクターズサロン 2015; 59(9): 677-680

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