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手術が必要となる盲腸(急性虫垂炎)の治療

更新日:2016/12/09 公開日:2016/02/18

盲腸の診断・治療法

盲腸(急性虫垂炎)の治療では、手術を行うことが基本とされています。その手術には複数の方法があり、それぞれ特徴があります。ここではドクター監修のもと、それらの手術の方法や、注意しなければならない合併症について解説します。

「盲腸」とは俗称で、正式には「急性虫垂炎(きゅうせいちゅうすいえん)」と呼ばれる病気です。盲腸の治療法について、手術にフォーカスして紹介します。

盲腸の治療は手術による切除が基本

かつて、盲腸の治療には手術が不可欠とされてきましたが、現在では「カタル性虫垂炎」の場合のみ、抗生物質による治療ができるようになりました。しかし、薬物療法を行った場合でも、10〜20%ほどの確率で再発する可能性があるため、治療は手術による虫垂切除が基本とされています。

盲腸の手術方法について

手術には「開腹手術」と「腹腔鏡手術」の2つがあります。

開腹手術

「交差切開法」と「傍腹直筋(ぼうふくちょっきん)切開法」の2つがあります。

「交差切開法」では、右下腹部を5cmほど斜めに切開し、虫垂を切除します。手術の傷が目立ちにくい切開法です。一方「傍腹直筋(ぼうふくちょっきん)切開法」では、右下腹部を縦に切開し、切開部分の長さを手術中に変更できるため、お腹まで膿が広がっていた場合などに柔軟な対応が可能です。

腹腔鏡による手術

開腹手術よりも新しい術式で、お腹に小さな穴を数か所あけ、そこから内視鏡を入れて行います。傷が小さく、術後回復も早いので、入院も短期間で済むというメリットがあります。

手術時の注意点

盲腸の手術には、合併症や後遺症のリスクがともないます。

手術中に起こる合併症

・出血

輸血を要する大量出血が起こることは、滅多にありません。

・他臓器の損傷

まれに、腸管や膀胱、子宮、尿管などを損傷することがあります。

手術後の合併症

・創感染

・遺残膿瘍(いざんのうよう)

比較的高い割合で起こりやすい、お腹の中に膿が残る症状です。特に、虫垂に孔(あな)が開いてしまった穿孔性(せんこうせい)虫垂炎の場合に起こりやすくなります。抗菌薬による治療が可能ですが、再手術を行うこともあります。

・糞瘻形成(ふんろうけいせい)

虫垂切除したところから便が漏れ出す、まれな合併症です。治療には長期絶食を要します。

・腸閉塞

腸と腸、または腸と損傷した部分がくっついて起こります。重症化した場合は手術を行います。

予期せぬ合併症

手術により、予想外の合併症にみまわれることがあります。特に腹腔鏡を使った手術では注意が必要です。

後遺症のリスク

炎症により虫垂の壁がやぶれると、腹膜炎を併発することがあります。細菌と消化液が混じった腸の内容物が漏れ出し、「細菌性腹膜炎」と「化学的腹膜炎」が起こります。また、腸管と腸や腸と腹壁が癒着すると腹痛や腹部違和感などの後遺症が残るリスクも。最悪の場合、腸閉塞や、細菌の毒素が血液に交じったことによるショックで、死亡する危険性があります。

医師は、患者に十分な情報を提供する必要があります。合併症や後遺症のリスクについてきちんと説明を受け、医師と十分話し合うことが大切です。

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