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慢性盲腸炎の症状って?痛みはどの程度?どんな検査や治療をする?

更新日:2018/07/17 公開日:2016/02/29

盲腸の診断・治療法

「盲腸」と聞くと、お腹の激しい痛みに苦しむ病気というイメージがあります。そこに慢性という言葉が付くと、すごい痛みがずっと続くのかなと心配になりますよね。ここでは、慢性盲腸炎の症状や検査、治療法についてドクター監修のもと解説します。

◎短くポイントをまとめると
急性盲腸炎と慢性盲腸炎の症状はかなり異なる
慢性盲腸炎は右下腹部の痛みや膨満感、吐き気、嘔吐などの軽度の症状が長期間にわたって反復、持続する
病院(消化器科)では医師にどのような症状なのかしっかり伝えることが重要
最も確実な治療は手術で盲腸を切除すること

盲腸(虫垂)のイラスト画像

 

一般的に「盲腸」と呼ばれている部位は、正式には「虫垂ちゅうすい」といいます。上のイラストで示すように、虫垂は小腸と大腸のつなぎ目の近くにあり、虫のようにピョロっと飛び出ている部分です。場所としては右の下腹部になります。ここに何らかの原因で炎症が起こると「盲腸炎」(虫垂炎)となります。

慢性盲腸炎ではどんな症状が起こる?

単に「盲腸炎」と言ったときには、実際は急性虫垂炎を指すことが多いのが実情です。急性盲腸炎と慢性盲腸炎の症状はかなり違うのですが、どのくらい違うかのわかりやすくするために、まずは典型的な急性盲腸炎の症状を解説します。

急性盲腸炎で起きる症状

初期では便秘もしくは下痢になり、だるさや疲労感が起こります。加えて、へそ~みぞおち周辺で波のある腹痛(押されるような鈍い痛み)が起こります。半日から1日くらい経つと、炎症の範囲が広がって腹膜に及び、痛む部位が右下腹部に移動し、突き刺すような激しい痛みが起こり、歩くと腹部に響くようになります。この状態になると、軽い吐き気や嘔吐があり、食べ物を受け付けなくなります。

さらに炎症が進み、盲腸が穿孔(いわゆる「破裂」)すると、腹膜全体が刺激を受けてお腹の筋肉が緊張しっぱなしになってしまいます。お腹を触るとカチカチに固くなっています。ここまで重症化すると緊急手術が必要になります。放っておくと命にかかわりますし、手術しても合併症が起こって入院期間が長くなることもあります。

なお、急性盲腸炎について詳しく知りたい方は、『盲腸(急性虫垂炎)はなぜ発症する?食べ物やストレスが原因?』をご覧ください。

慢性盲腸炎で起きる症状

急性盲腸炎は「急性」と言うだけあって、1日単位で症状が重くなっていきます。しかし慢性盲腸炎はここまで重い症状にならず、軽度の症状が長期間にわたって反復、持続します。具体的には、右下腹部を中心にとした痛みや膨満感、吐き気、嘔吐などの症状が現れます[1]。これらの症状がずっと続くわけではなく、「腹痛が数日続き、時々痛みがなくなる」といった具合です。

急性盲腸炎で見られるような、動くだけで突き刺すような痛みが走るようなことはなく、お腹もカチカチに固くなることはほとんどありません。しかし、盲腸炎に特徴的な所見もあり、検査をするとどこかで炎症を起こしていることが確認できます。

このように、急性盲腸炎と違って慢性盲腸炎は症状がはっきりしていないことが多く、病院でもすぐに慢性盲腸炎だと見抜くことは難しいことがあります。

どんな検査や治療をする?

慢性盲腸炎かもしれないと思ったら、お近くの消化器科クリニックを受診しましょう。まずは医師の診察で、どのような症状がいつ起きているのか、以前にも同じようなことがあったか、などの情報をしっかり伝えるようにすると、診断のよい参考になります。

その後は、医師の判断で必要に応じて触診や検査を行います。触診ではお腹が固くなっていないか、圧痛があるか、盲腸炎に特徴的な所見がないかどうかなどを確認します。また、血液検査を行って炎症の指標が上がっていないかを確かめたり、画像検査(X線、エコー、CTなど)を行って腸や周辺の内臓に異常があるかどうかを確認したりすることもあります。

というのも、盲腸炎だと思っていたら実は別の病気だったということもあり得ますので、診断は慎重に行われます。

慢性盲腸炎である(であろう)と診断できたら、治療を行います。最も確実な治療は手術で盲腸を切除してしまうことです。本当に慢性盲腸炎であった場合は、手術によって症状はなくなります(場合によっては腹腔鏡下手術を行います)。

とはいえ、手術を受けるのに抵抗感のある人もいるでしょう。盲腸の炎症を抗生物質(抗菌薬)などで抑えることはできますが、あくまで一時的なものです。その後も同じような腹痛をくりかえす可能性があります。慢性盲腸の炎症は軽度なことが多く、検査値に異常が出ないこともあり得ます。早い段階で手術を受ければ、体への負担も軽く済みます。原因不明の腹痛が続いている方は、医療機関へ相談してみてはいかがでしょうか。

参考文献

  1. [1]“慢性虫垂炎” 南山堂医学大辞典 第20版. 南山堂 2015

この病気・症状の初診に向いている科 消化器科

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