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盲腸(急性虫垂炎)はどんな検査をする?治療の費用はどのくらい?

更新日:2018/04/27 公開日:2016/02/22

盲腸の診断・治療法

盲腸(急性虫垂炎)は虫垂が何らかの原因で閉塞し、内部で細菌が増殖して炎症が起こることです。虫垂の壁に穴があいた場合は穿孔と言い、腹膜炎などの重い合併症を起こし、場合により命にかかわることがあります。ここでは、ドクター監修のもと、医療機関を受診した際の診断・検査方法を解説します。

◎短くポイントをまとめると
盲腸は早急な診断と治療が必要
医療機関では触診、血液検査、画像診断など、さまざまな方法で診断が行われる
手術をともなう入院となった場合は、およそ7日間、37.5万円の1~3割の費用がかかる

「盲腸」とは俗称で、正式には「急性虫垂炎(きゅうせいちゅうすいえん)」と呼ばれる病気です。盲腸は緊急対応が必要となる腹痛のなかでも頻度が高く、ほかの病気と区別をしたうえでの早急な治療が必要となります。また、進行度などによっても症状が変わってくるため、注意が必要です。ここでは、病院などの医療機関で行われる盲腸の診断、検査の方法を紹介します。

盲腸の診断について

盲腸では腹痛が起こることが多いです。腹痛は上腹部、またはおへそ周辺に突然始まり、痛みのせいで吐き気や嘔吐が起こる場合もあります。時間とともに、痛みの位置ははっきりと右下の腹部へ移動し、強い痛みを感じるようになります。さらに進行すると発熱や血液の検査値に変化がみられます。

診断のためには、問診と腹部の触診、採血、腹部超音波検査やCTによる画像検査が行われます。

触診

腹部を触る・押すなどして、痛みのある場所を確認します。症状が進むと、腹部を圧迫して手を離した際に痛みが増す「ブルンベルグ徴候」が特徴としてみられます。そのほか、圧迫したときや足を伸ばしたりすると痛みがどう変化するかを観察します。

虫垂に穴があき、腹膜炎を併発した場合は、腹部がかたくなる「筋性防御(きんせいぼうぎょ)」がみられます。

血液検査

盲腸にかかると、多くの場合で白血球数の増加と、炎症反応(CRP)の上昇がみられます。例えば白血球数では、通常3,500~9,000/μLのところ、10,000~15,000/μLとなります[1]。

ただし、すべての場合で検査値に変化が出るわけではありません。加齢に伴い免疫反応は落ちていくため、高齢者の場合は白血球や炎症反応が上昇しない場合があります。また、免疫の反応がまだ始まったばかりの発症直後も数値としてあらわれない場合があります。

画像検査(腹部超音波検査/CT検査/腹部X線検査)

腹部超音波(エコー)検査は、超音波プローブ(超音波を発生する深触子)をお腹にあてて、CT検査は、X線をさまざまな角度から体にあてて得た多くの断面図をもとに情報を得る検査です。「虫垂の形状の変化・腫れの有無」「虫垂の中に便が石のように固まった糞石などの異物がないか」「虫垂周辺に膿がないか」「虫垂に穴が空いてしまっている穿孔の有無」などを観察できます。腹部X線検査は、糞石や穿孔の有無、他の疾患との区別(鑑別)を推測するのに役立ちます。

乳幼児や子供など、自分の症状をうまく伝えられない場合、採血では結果を判断しづらい高齢者、白血球数が増加したり虫垂の位置が変化したりする妊娠中などには特に有効な検査です。妊娠中の場合は放射線の影響を考え、腹部超音波検査を行います。

盲腸の治療法について

虫垂穿孔(虫垂に穴があく)をおこす可能性があることから、虫垂炎が疑われたら基本的に虫垂の切除手術を行います。炎症が軽い場合は、抗生物質の投与により経過観察を行うこともありますが、一旦炎症が抗生物質で治っても1〜3割ほどの確率で再発することがあります[2]。一部では、治療を受けて退院した後、1年以内に再発せずに過ごせることを「治癒」の定義とするという意見もあります。

詳しい治療法については『手術が必要となる盲腸(急性虫垂炎)の治療』をご覧ください。

盲腸を手術する場合の費用と入院期間について

このように、盲腸の検査は多岐にわたりますし、特に手術となると、入院期間や費用が気になる方もおられると思います。保険会社の報告によると、日本国内での盲腸の手術をともなう入院の場合の平均は、入院期間7日間、費用は37.5万円となっています[3]。費用は保険の種類や条件によって、そのうちの1~3割の負担となります。

参考文献

  1. [1]医療情報科学研究所編. 病気がみえる vol.1 消化器. 第5版. メディックメディア 2017; 184-189
  2. [2]千葉市医師会. “「虫垂炎」” 千葉市医師会. http://www.chiba-city-med.or.jp/column/074.html(参照2018-01-23)
  3. [3]鈴木厚. “日本の医療の危機―第1回―” 日医NEWS. http://www.med.or.jp/nichinews/n170620l.html(参照2018-01-28)

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