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不整脈を予防する食事・食べ物

更新日:2018/04/19 公開日:2016/02/22

不整脈の基礎知識

不整脈になると、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが上がるということを聞いたことがあるかもしれません。普段の食事から不整脈を予防できるのでしょうか? ここでは、不整脈を予防するためには何を食べて、何を食べないようにしたらよいのか解説します。

そもそも不整脈って何?

「不整脈」とは、心臓の心拍数が異常になっていることを広く指す言葉です。通常であれば、心臓は1分当たり60~70拍くらいで規則的に収縮し、ポンプの役目をして全身に血液を送っています。しかし、不整脈では脈が早すぎたり、遅すぎたり、不規則な収縮を繰り返したりしてしまいます。心室細動や心房細動という病名を聞いたことがあるかもしれませんが、これも不整脈の一種です。

不整脈が起こると、必要な量の血液を送り出すことができなくなります。さらに、血流が滞ってしまうので、血栓(血液が固まったもの)ができ、血管を塞いでしまうこともあります。血管が塞がった先の組織には酸素や栄養が行かなくなり、やがて細胞が死んでしまいます。例えば、脳の血管を血栓が塞いでしまう状態のことを脳梗塞といい、心臓そのものに血液を送っている冠動脈がつまると心筋梗塞ということになります。これらの病気は命にかかわる可能性があるということはよく知られています。

このように、不整脈は起こらないに越したことはありません。不整脈を予防するには、どのような食事や食べ物を摂るように心がければよいのでしょうか。ここでは、不整脈を予防するための食事や食べ物をご紹介します[1]。

肥満にならないような食事を心がける

不整脈のなかでも、脈拍が1分当たり400~600拍と非常に多くなり、まったく不規則になって心臓の本来の働きができなくなってしまうのが心房細動です。この心房細動の発症リスクを高めるのが「肥満」(BMIが25以上)です。フラミンガム研究と呼ばれる米国の大規模な研究により、肥満がある人ではない人より約1.5倍も心房細動になりやすく、BMIが1増えるごとに心房細動の発症率が4%ずつ上がってしまうということが分かっています。不整脈を予防したいなら、肥満にならないような食生活を心がける必要があります。

肥満にならないようにするには、食事から摂るエネルギー量より、生命維持や運動などで使うエネルギー量の方が多くなるようにすることが重要です。体重を1kg減らすには7,000kcalを消費しないといけないといわれています。急激な減量はかえって身体に良くないので、月・年単位でゆっくり落としていきましょう。BMIやダイエットの方法については下記をご覧ください。

不整脈の予防に魚をたくさん食べよう

肥満にならないようにしたうえで、不整脈対策として積極的に摂りたいのは「魚油」です。DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)という方が馴染みがあるかもしれません。いずれもn-3系多価不飽和脂肪酸に分類されるもので、青魚に多く含まれています。

魚油には、自律神経の緊張を緩和させたり、中性脂肪を下げたり、炎症を抑えたり、血圧を低下するなどの作用が期待できます。欧州諸国のなかでもドイツはn-3系脂肪酸の摂取量が少ないため、日本と比べて20倍も心臓による突然死が多いそうです。日本人は伝統的に魚を多く食べる習慣がありますが、近年では魚より肉を多く食べる食生活に変わってきていますので、意識して青魚を食べるようにしたいものです。

アルコールやカフェインは控えめに

不整脈の予防としては、場合によってはあまり摂らない方がいい食品がアルコールとカフェインです。

不整脈とアルコール

アルコールを飲むと、心電図で確認できるQT時間(心筋に電気信号が送られている時間)やP波(心房に電気が伝わるタイミング)にばらつきが生じることが研究で明らかになっています。つまり、お酒を飲むと不整脈が起こりやすい状態になると考えることができます。

アルコールと不整脈の関係については、まだはっきりしたことは分かっていませんが、女性より男性の方が飲酒による心房細動の発症リスクが高いという研究があります。男性、とくに心筋梗塞を起こしたことがある人や、心電図の検査で異常が指摘されている人は飲酒を控えた方が良さそうです。もちろん、女性ならどんなに飲酒しても大丈夫というわけではありませんのでご注意を。

不整脈とカフェイン

コーヒーなどに含まれるカフェインも不整脈と関係しているのではないかといわれています。こちらも確定的なことは分かっていませんが、カフェインは交感神経を高める作用に加え、QT時間をばらつかせ、心房細動からの回復を遅らせることが示唆されています。このことから、心筋梗塞になったことがある人や、高血圧による心肥大が指摘されている人、心臓の機能が低下しているような人はカフェインをなるべく控えた方が良さそうです。健康な人の場合は適量であればあまり気にしなくてもよさそうです。ただし、カフェイン中毒になるほど飲むのは良くありません。詳しくは『過剰摂取は身体に悪影響!カフェイン中毒とは』をご覧ください。

参考文献

  1. [1]加藤徹ほか. 食事療法と不整脈:不整脈発症を予防するための食事療法はどのようにすすめればよいか?Life Style Medcine 2010: 4(4); 348-353

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