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不整脈に効く漢方の種類

更新日:2016/12/09 公開日:2016/02/22

不整脈の検査・治療法

不整脈に効果的とされている漢方薬について、ドクター監修の記事でお伝えします。体質そのものを改善する働きが期待できる漢方薬は、自分の体に適したものを選ぶのがポイントです。使用の注意点もあわせてお読みください。

不整脈に有効とされる漢方薬をご紹介します。

不整脈の漢方治療

漢方薬を服用することで、不整脈が出やすい体質を改善する方法があります。ただし、漢方薬には不整脈をすぐに治す効果がないことを理解しておきましょう。

心臓のリズムを正常に保つためには、自律神経を整えて血流をよくしておく必要があります。漢方薬には血流に働きかけるものもありますので、上手に活用して特定の症状ではなく全身の状態を調整して体質そのものを変えていくとよいでしょう。

最近の西洋医学では、重症でない不整脈の場合は特別な治療をせずに生活習慣を見直しながら経過を観察していくという考え方が主流となってきました。抗不整脈薬は薬物間の相互作用の比較的多いクスリです。高齢者では既に多くのクスリを飲んでいる場合があります、薬物相互作用などを考慮すると新たなクスリを増やすことはできれば避けたいところです。抗不整脈薬には強い副作用があるため、長期間の服用には注意が必要というのも理由のひとつです。

漢方薬には重い副作用がほとんどありません。治療を要さない軽症の不整脈の人は、漢方薬を服用しながら様子を見るケースもあります。

不整脈に効果が期待できる漢方

不整脈に有効とされる漢方薬はいくつかあります。体質に適した漢方薬を使い分けるとよいでしょう。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

お腹の上あたりに圧迫感があって苦しいときや、精神不安があるときに。ストレスだけでなく、高血圧や動悸にも適しています。やや神経質で不整脈に伴う動悸を強く訴える場合で、平均的な体力のある方に使います。

漢方製剤は7割に甘草(かんぞう)を含んでいますが、柴胡加竜骨牡蛎湯や木防已湯は甘草を含まないので、偽アルドステロン症状などの血清カリウムの副作用の心配はいりません。

桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

胃腸虚弱で体力がなく、神経過敏や精神不安があるときに。血圧が高めで、ふらつきを感じるときにおすすめです。神経質な傾向があるのは、柴胡加竜骨牡蛎湯と同じですが、疲労感があり、より冷えがある方に使います。元気をつける桂枝湯が基本になり、動悸や精神安定作用のある竜骨・牡蛎などのカルシウムを豊富に含む動物由来の生薬を含んでいます。

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)

不安感が強く、動悸のある人におすすめです。貧血気味やだるさにも効果的とされています。

炙甘草湯(しゃかんぞうとう)

顔色が悪く、息切れ、疲れやすい人に。自覚的な動悸・脈の不整と、他覚的な脈の結滞があります。口渇や自然発汗を伴うことがあります。

木防已湯(もくぼういとう)

動悸を主に、時に呼吸苦、浮腫を訴える場合に。他覚的にみぞおちが硬くはることがあります。心不全の徴候があるときに、まず用いられる漢方薬です。

人参養栄湯(にんじんようえいとう)

気血を補うだけでなく、体をリラックスさせる作用もあります。

帰脾湯(きひとう)

動悸や不安感、心身の疲れがある人に。

酸棗仁湯(さんそうにんとう)

心身が疲労して体力が衰えている人に。不安な神経をしずめて、寝つきもよくなるとされています。

冠元顆粒(かんげんかりゅう)

動悸やめまい、血圧が気になる人に。血液をサラサラにして血行を促進する作用があるといわれています。

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

体が弱く、低血圧や冷え性の人に。めまいや立ちくらみを起こしやすい人にも適しています。動悸以外に、乏尿、胃内停水、精神症状がある場合があります。

漢方医学の‘気・血・水’と動悸

1.『気逆の動悸』でのぼせやすい場合には、「桂枝(けいし)」、「黄連(おうれん)」、「呉茱萸(ごしゅゆ)」などを含む漢方薬。

2.『水滞の動悸』には、「朮(じゅつ)」、「茯苓(ぶくりょう)」などを含む漢方薬。

3.『気滞の動悸』には、半夏厚朴湯や柴胡加竜骨牡蛎を用います。

※動悸の強いひとは、体力が弱り疲れやすいことが多いく、『虚労』と言います。このような方は、炙甘草湯や桂枝加竜骨牡蛎湯や酸棗仁湯など虚労に対する漢方薬でよくなることがあります。

動悸を感じる部位は?腹診で漢方薬を選ぶ。

1.腹部の動悸⇒竜骨(りゅうこつ)、牡蛎(ぼれい)、地黄(じおう)、甘草(かんぞう)などを含む漢方薬

2.臍上の動悸⇒柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

3.左臍傍の動悸⇒抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

漢方薬+生活習慣の見直し

心室性期外収縮が過労、睡眠不足、コーヒー、タバコなどにより誘発されるように、不整脈を増悪させる生活環境因子による精神身体変化に対して注意を払うことが大切です。

不整脈の漢方は医師と相談しながら

医師が心電図学的な不整脈の診断を十分に行って適応をよく考慮し、漢方単独で行うか、現代医薬との併用で行っていくかを決めます。安易に漢方薬だけで解決しようという考え方は危険です。

漢方を使用する際の注意点

漢方薬は一般に、専門の医師の下で血液検査などを行いながら適切に使っていれば副作用については過剰に心配する必要はありません。ただし、漢方薬のなかには望む効果と反対の効果があらわれることがあるので気をつけてください。

漢方薬を選ぶ際には、漢方の専門医師や専門家に相談をすることをおすすめします。処方されている薬がある場合には、主治医の了承を得たうえで漢方薬を服用しましょう。