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飲み込める小さな内視鏡「カプセル内視鏡」

更新日:2018/08/07 公開日:2016/03/31

体を調べる「生体検査」

小型のカメラを飲み込むカプセル内視鏡のメカニズムや特徴について、ドクター監修の記事で解説しています。どんな人を対象に使用されるのか、メリットはなんなのかを、トラブルの例や解決方法とともにご紹介します。

内視鏡というと、口や鼻、肛門からスコープを挿入し、その先端を上下左右に動かし検査や処置を行っていくというイメージがあります。この方法では、全消化管の75%を占め、全長が6~7mにもなる小腸は十分に観察できませんでした。

カプセル内視鏡は、レンズやイメージセンサーがついた小さなカプセルを飲み込むだけで、複雑に入り組んだ小腸も検査できる内視鏡です。

小型カメラを飲みこむカプセル内視鏡とは

カプセル内視鏡には、小腸カプセル内視鏡と、大腸カプセル内視鏡の2種類があります。撮影原理は、スコープを用いた内視鏡と同じですが、スコープ無しで検査できるように、小型化し、バッテリーや受診アンテナを装備し画像信号を送ります。カプセル内視鏡には、照明用LED、小型レンズ、イメージセンサー、電気回路、バッテリーが内蔵されています。

まず、画像を撮影するときにバッテリーがONになりLEDが消化管(小腸や大腸)を照らしだします。LEDに照らされた小腸・大腸は小型レンズを通し、イメージセンサーにとり込んで画像を結びます。スコープを使わず、飲み込むカプセル型なので、従来の内視鏡が届かなかった部位の検査がしっかりできるようになりました。

小腸カプセル内視鏡は、小腸を見るため直径が約11mm、長さが約26mmの大きさのカプセルになっています。大腸カプセル内視鏡は、直径約10mm、長さが約30mmとなっていて、両端に2個の小型カメラがついています。毎秒最高35枚のスピードで大腸の腸管内を撮影することができます。

カプセル内視鏡のメリット

カプセル内視鏡は、アンテナやレコーダーを体外に装着してカプセルを飲むだけですので、検査時に口からスコープを入れられる苦痛がないことがメリットといえます。

苦痛や恥ずかしさがなく、被曝の心配もない

苦痛を和らげる鎮痛剤が不要ということ、スコープを肛門などから入れられる恥ずかしさがないことなど、患者への精神的負担があまりありません。もちろん、腹部X線造影のような放射線による被曝の心配もありません。また、スコープ操作を行う場合に比べると、消化管の動きに合わせて進んでいくので体を傷づけるリスクが低いといえます。

検査4時間後から食事が可能

検査開始2時間後からお水、4時間後から軽い食事ができ、普段の日常生活を送りながら検査をすることができることもカプセル内視鏡のメリットといえるでしょう。

どのような人に向いている?

小腸カプセル内視鏡は、原因不明の腹痛や下痢などで小腸疾患が疑われる場合に、診断を目的として行われます。ただし、クローン病などの狭窄や腸閉塞などの通過障害が疑われる場合は向いていません。大腸カプセル内視鏡は、大腸がん検診で要精密検査と通知を受けた方、大腸がんの疑いのある方、過去に大腸がんを含むがんがあったことのある方が対象となります。

スコープ挿入が難しかった人にも

痔の症状がある方、がん家系の方、大腸がんの血縁者がいる方なども大腸カプセル内視鏡検査をおすすめします。また、狭窄・屈曲・癒着などのためスコープ挿入が困難といった方の場合にも、大腸カプセル内視鏡が向いています。

現在では、内視鏡スコープの挿入が困難だった場合には、「注腸レントゲン検査」やCTスキャンを用いたCTコロノグラフィーで検査をすることが主流になっています。今後は、被曝がない「カプセル内視鏡」の実用化が進んでいくかもしれません。

カプセル内視鏡を使った検査の流れ

検査前の準備

検査の前日までに注意事項が担当の医師から説明されます。腸の閉塞などが疑われる場合は、前もってダミーのカプセルを飲むよう指示されるケースもあります。担当医の指示に従い、検査の前日は消化のよい食べ物を食べるようにしましょう。前日の夕食は午後9時か遅くとも10時には済ませるようにします。

大腸カプセル内視鏡の場合は、前日下剤を飲み、当日は腸管洗浄剤を服用して、腸管洗浄が十分に行われたと判断されてから検査開始となります。

検査当日

カプセル内視鏡検査のための準備として、腹部などに数か所、アンテナセンサーパッドをつけ、腰にはレコーダーを装着し、センサーパッドと接続して検査準備が完了します。カプセル内視鏡を適量の水で飲み込み、検査開始になります。

検査は約8時間で終わります。決められた検査時間がきたら検査終了となりますので、レコーダーなどを返却しに行きます。後日、排出された内視鏡カプセルは、使い捨てなので医療機関で指示されたとおり適切な方法で破棄しましょう。検査結果は、後日指定された日以降に担当医から説明されます。

カプセル内視鏡が排出されないときは?

カプセル内視鏡は、普通のお薬などと同じようにカプセルを飲むだけですが、まれにカプセルが体内から排出されないことがあります。また、カプセルが排出されたかわからない場合がありますが、その場合は腹部単純X線検査で確認できます。狭窄などの疑いがある場合、体内で壊れても影響のないダミーカプセルにより消化管開通判定を行い狭窄などがないことを確認します。

カプセル内視鏡は、小さなカプセルなので自然な腸管運動で排泄されますが、もし2週間以上カプセルの排出が確認できない場合は、内視鏡で回収を試みます。それでも困難な場合などは、開腹手術が必要となることもありますので、事前に担当医へ相談するようにしましょう。

定期的な検診で早期発見・早期治療を

苦痛や被曝のリスクが少なく、肛門からスコープを挿入される従来の内視鏡のような恥ずかしさもない「カプセル内視鏡」は、今後どんどん実用化が進められていくと思われます。

内視鏡検査に限らず、病気を回復させるには定期的な検診で早期発見することが近道です。人間ドックを利用し、健康診断を怠らないようにしてください。また、検査のことでわからないことや不安な点がある場合は、必ず医師に確認し、納得をしてから検査を受けるようにしましょう。

『家庭の医学 体を調べる「生体検査」 記事一覧』のページに、カプセル内視鏡を含めた「生体検査」の一覧があるので、こちらも参考にしてください。