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貧血の種類(2)溶血性貧血

更新日:2018/05/14 公開日:2016/03/31

貧血の種類

ひとくちに「貧血」といっても、貧血の種類はいろいろあります。ドクター監修のもと、病気によって起こる貧血のひとつである「溶血性貧血」の症状と原因について解説します。

貧血の原因は、鉄分不足だけではありません。ここでは、溶血性貧血について解説します。

溶血性貧血とは

血液を生成する赤血球の寿命は、通常120日前後といわれていますが、この寿命が15~20日と、10分の1程度に短くなってしまうことで起こる病気を「溶血性貧血」と言います。赤血球の膜が通常よりも早く壊れ、ヘモグロビンが流れ出てしまうために起こります。

原因は、先天性によるものと後天性によるものに分けられます。先天性で多いのは「遺伝性球状赤血球症」、後天性には「自己免疫性溶血性貧血」があります。自己免疫性溶血性貧血は、全国で1,300~1,700人がかかっているといわれています。

溶血性貧血の主な症状

ごく一般的な貧血の症状である動悸、息切れ、めまい、疲労感などに加えて、黄疸がみられることが溶血性貧血の特徴です。この黄疸は、赤血球が壊れて流れ出たヘモグロビンが体内で処理されるときに発生する「ビリルビン」という黄色い色素が増えることであらわれます。

ビリルビンは、体内で増えると同時に、尿の中にも排泄されます。そのため、尿の色が濃くなったり、赤っぽい尿が出たりすることがあります。わずかなビリルビンの量であれば、大きな影響はありませんが、赤血球の破壊が慢性化すると、ビリルビンが胆嚢(たんのう)にたまり、結石ができやすくなる恐れがあります。また、膠原病(こうげんびょう)やリンパ腫などを合併することもあります。

溶血性貧血の主な原因

溶血性貧血の過半数を占めるといわれている「自己免疫性溶血性貧血」は、体内で自己抗体できて赤血球に結合し、破壊することによって起こります。ウイルス感染や薬による影響といわれていますが、その原因のほとんどは明らかになっていません。

抗体には、37度前後の体温に近い「温式」、4度と極めて体温よりも低い「冷式」のふたつの型があります。自己免疫性溶血性貧血の80%は温式ですが、マイコプラズマ肺炎などでは、冷式がみられることがあります。また、他の病気によって血管の壁が変化したり、外からの力によって赤血球が壊されてしまうこと(赤血球破砕症候群)も、赤血球が破壊される原因となります。原因はさまざまですが、マラソンなどのスポーツ選手に起きることがあるといわれています。

溶血性貧血には、遺伝はありません。しかし、先天性である場合は、赤血球の膜をつくっているタンパク質や酵素の異常によって、赤血球の膜が壊れやすくなることがあります。

「自己免疫性溶血性貧血」の治療法について

症状が軽い場合には、治療の必要がなく、自然治癒する場合もあります。治療が必要な場合は、主に薬物療法が行われます。治療薬としては、副腎皮質ステロイドホルモン薬が効果的とされています。また、外科的治療法として、脾臓(ひぞう)摘出手術を行うことがあります。