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そもそも風邪ってどんな状態をいうの?

更新日:2017/05/02 公開日:2016/03/24

風邪の基礎知識

「風邪をひいた」「風邪気味」などと言いますが、風邪とはそもそもどのような状態のことを言うのでしょうか。ドクター監修のもと、一般的に言う「風邪」の状態や症状について解説します。また、治し方や治療法についても言及します。

「風邪」とはそもそもどのような状態を指すのでしょうか。詳しく解説します。

風邪は上気道・下気道の急性炎症の総称

「風邪をひいた」「風邪気味」など、一般的にいわれている「風邪」は、正式には「かぜ症候群」と言います。かぜ症候群は、いわゆる上気道と下気道に起こる急性炎症の総称で、上気道は鼻・のど・喉頭(こうとう)、下気道は気管・気管支を指します。

かぜ症候群の主な原因となるのがウイルス。かぜ症候群の原因ウイルスは、現在8種類以上確認されています。ウイルスの種類により、感染する部位や炎症が起きる部位が異なります。風邪にさまざまな症状があるのはそのためです。

風邪の原因となるウイルスについて、詳しくは「風邪の原因と発症のメカニズム」をご覧ください。

一般的に言う「風邪」は「普通感冒(ふつうかんぼう)」のこと

かぜ症候群は大きく「普通感冒」と「インフルエンザ」のふたつに分けられます。

「普通感冒」とは、いわゆる「鼻かぜ」や「のどかぜ」のことで、主症状としては、発熱・くしゃみ・鼻水・鼻づまり、のどの痛みなど。普通感冒はかぜ症候群の中でも症状が比較的軽く、世間でいう「風邪」はこの「普通感冒」を指していることが多いです。

インフルエンザは「流行性感冒」とも言い、11月から3月頃にかけて流行する病気です。気管支の急性炎症によって起こり、最初に38度以上の高熱が出ます。全身症状が強く現れるのが特徴で、悪寒や頭痛、倦怠感、筋肉痛などが起こります。細菌によって二次感染が起こると、肺炎などを併発することもあります。特に小さなお子さんやお年寄りの方は重症化しやすいので早めに受診するようにしましょう。

特効薬はない?風邪の治療と薬物療法の目的

風邪の治療と薬物療法の目的について解説します。

風邪(普通感冒)の原因ウイルスに直接効く薬はない

現在、風邪(普通感冒)の原因ウイルスに効く薬は存在していません。かぜ症候群の中でウイルスに直接作用する薬があるのは、インフルエンザのみです。そのため、風邪をひいてしまったときは、なるべく早く治るよう、安静を保ち、保湿し、栄養をとることが大切です。

薬物療法は症状緩和のため

ドクターが処方する薬も市販の風邪薬も、ウイルス自体に効果を発揮するのではなく、「風邪による諸症状を緩和するため」に使用されます。症状に応じて解熱鎮痛薬や抗ヒスタミン薬、鎮咳薬などを服用しますが、それらの目的は症状をやわらげることです。ただし、細菌感染による風邪の場合は、細菌に直接作用する抗生物質が投与されることがあります。

薬物療法を行う以上、副作用の可能性も考慮しなくてはなりません。市販薬を使用する場合は「市販の風邪薬を使う際の選び方と注意点」を参考にしてください。心臓や肺に持病がある方や高齢の方は、医療機関で薬を処方してもらいましょう。

治療の基本は安静、保湿、栄養

風邪の治療には「安静」「保湿」「栄養」の3つが重要です。

  • 安静
  • まずは安静にして、ゆっくり休養をとることが大切です。布団のなかに1日中いなくてはいけない訳ではありません。軽く読書をする、居間でテレビを見るなど、体力温存し、免疫力を高めましょう。

  • 保湿
  • 特に冬場は部屋の温度調整に気をつけましょう。部屋全体を暖かく、適温にすることがポイントです。部屋の温度が低い状態で、コタツに入って手足だけ暖めるのはよくありません。湿度にも注意し必要時は加湿をしてください。

    また、体を冷やさないよう、汗をかいたらこまめに着替えるようにしましょう。汗をかいたままの衣服を着ていると、汗が蒸発する際に体の熱が奪われるため、冷えの原因になります。

  • 栄養
  • 良質なタンパク質やビタミンなど、栄養価の高い食事を心がけましょう。風邪をひいているときは、胃腸の働きが悪くなっていることが多いです。無理してたくさん食べるのではなく、消化がよく、栄養バランスのとれた食事を3食きちんと摂るようにしましょう。発熱によって汗をかくため、水分補給はしっかりと行い、脱水にも注意してください。

前述したように、風邪の原因が細菌である場合、抗菌薬で治療することがありますが、直接効く薬がないウイルス性の風邪では、上記の安静、保湿、栄養がなにより重要になります。安静にし、水分と栄養をしっかりとっていれば、1週間ほどで自然治癒することがほとんどです。

栄養があって消化のよい物を食べ、水分をしっかり補給

体内で風邪のウイルスを撃退するときは、多くのエネルギーを消費します。そのためにも栄養価の高い食事を取ることで、ウイルスへの抵抗力をつけることができます。風邪をひいた時、特に必要とされる栄養素は、この3つになります。

ビタミンA

ウイルスの侵入を防ぐための、のどや鼻水の粘膜を作る働きがあります。

ビタミンAを多く含む食材:牛乳、レバー、卵黄など

ビタミンC

ウイルスを攻撃する白血球の働きを強化して、免疫力を高める効能があります。

ビタミンCを多く含む食材:いちご、レモン、ブロッコリー、ほうれん草など

タンパク質

カロリー源で、私たちが活動していくために必要不可欠なエネルギーとなります。

タンパク質を多く含む食材:肉、魚介類、乳製品など

発熱する風邪の場合は、汗となって多くの水分が体外へ排出されてしまいます。体内で水分が減少するため、十分に水分補給することも重要です。

風邪をひいているときのタバコはやめましょう

また、風邪をひいているときは、タバコを吸ってはいけません。タバコは体内から必要なビタミンCを奪うだけでなく、有害物質が気管支の繊毛上皮を痛めつけることで、ウイルスや細菌が体内へ侵入しやすくなります。喫煙は風邪をこじらせる大きな原因となるので、風邪を引いているときのタバコは避けましょう。

風邪の症状別に見るおすすめの食べ物

免疫力を高めるには、ビタミンAやビタミンCを積極的に摂取することが効果的です。また、風邪はのどの痛みなど、食べるのが困難になる症状が多く見られるため、症状に合う食べ物や食べ方のポイントも押さえておきましょう。

  1. 高熱・のどの痛みがある場合
  2. のどが痛い時に避けたいのは、熱いもの、固いもの、酸味の強いもの、味の濃いもの、香辛料などの刺激物です。逆におすすめなのは冷たいもの。のどの痛みをやわらげる効果があります。アイスクリームや冷やしたゼリー、プリンなど、冷たくのど越しがよいものを食べましょう。ただし、食べ過ぎはお腹を下す原因になるので、注意してください。

  3. 腹痛・下痢・嘔吐がある場合
  4. また、ショウガや大根の辛味も効果的です。食欲を高める効果とともに、のどの痛みをやわらげる効果もあるとされています。痛みの度合いにもよりますが、すりおろして薬味や飲み物に加えるなどして積極的に摂りましょう。その他、消化によいおかゆ、うどんや、タンパク質が豊富な豆腐、卵などもおすすめです。

    このような症状がある場合は、食べることよりも脱水症状を防ぐために水分補給を優先しましょう。ポイントは、水分と一緒に適度な塩分も補給することです。合間にちょこちょこ補給する水分は常温のミネラルウォーターや経口保水液などでも大丈夫ですが、食事するタイミングには味噌汁の汁だけ飲むなど、塩分も忘れずに摂りましょう。反対に、避けたいのは胃腸を刺激しやすい飲み物です。牛乳やカフェインを含んだ飲み物が、これにあたります。また、スポーツドリンクは効果的な飲み物ですが、糖分が多く含まれるため、薄めて飲むなどの工夫をおすすめします。

症状がやわらいできて食べられそうになったら、消化によく柔らかいもので様子を見ましょう。以下のものがおすすめです。

  • 消化によいもの:おかゆ、うどんなど
  • 消化がよくタンパク質を多く含むもの:白身魚、豆腐など
  • 胃腸を整える効果が期待できるもの:リンゴ(すりおろすとさらに効果的)など

風邪予防には発酵食品が効果的

風邪の予防には、発酵食品が効果的とされています。発酵段階で栄養価が高くなり、豊富に含まれる酵素が消化や吸収もサポートしてくれるためです。発酵食品には、納豆、漬け物、チーズ、ヨーグルトなど、さまざまなものがありますが、特におすすめなのが「発酵食品の王様」と呼ばれるキムチです。キムチはビタミンが豊富なうえに、ヨーグルトの数十倍もの乳酸菌を含んでいるため、腸内環境を整えて免疫力をアップするのに高い効果が期待できます。

発酵食品は、1日に2回以上、時間を空けて摂るとより効果的といわれています。毎日の食事に積極的に摂り入れて、ウイルスに負けない体づくりを目指しましょう。

風邪をぶり返さないための予防法

せっかく風邪が治ってきたというのに、また風邪を引いてしまったという経験はありませんか?風邪をぶり返してしまった時体内では、どんなことが起こっているのでしょうか?

体の抵抗力や免疫の低下によって風邪をぶり返してしまう

一度ひいた風邪がせっかく治ってきたころに、再び同じ症状を繰り返してしまうことがあります。しかし、これは同じ風邪ではありません。

ウイルスに感染すると、のどや気管の粘膜は大きなダメージを受けます。体内では、侵入したウイルスを殺菌していきますが、このウイルスとの戦いが原因で体内の免疫力が落ちてしまっています。そこに新たなウイルスが侵入することで、風邪をぶり返してしまうのです。

風邪が治りかけているときにこそ、外部のウイルスをシャットアウトすることが重要なのです。

風邪のぶり返しへの対処法

風邪を引くと、体内の免疫力が低下してしまうため、普段以上にウイルスの侵入を防ぐことが重要です。そのために下記4つのことを心がけましょう。

  1. ビタミンC を多く摂取する
  2. ビタミンCは体内の抵抗力を高める白血球の働きを活性化させる効果があります。ビタミンCの含有量が多いブロッコリーやキャベツなどの野菜、グレープフルーツやイチゴなどの果物を積極的に食べましょう。

  3. 人混みをなるべく避ける
  4. 特に冬場は、人が多く集まる場所に風邪のウイルスが蔓延します。体内の免疫力が弱っているときは、そういった場所に近づかないようにしましょう。

  5. マスクを装着し、うがいと手洗いをこまめに行う
  6. 風邪のウイルスは口や鼻から侵入していきます。そこで、外出する際には必ずマスクを装着し、日常の中でもこまめにうがいや手洗いを行うように心がけましょう。

  7. 睡眠時間の確保
  8. 寝ているときに体内の免疫力がどんどん高まっていきます。就寝時にはのどの乾燥を防ぎ、睡眠を十分とるようにしましょう。

たかが風邪と軽視しないことが大切

風邪は、健康な方であれば、多くの場合1週間前後で自然治癒します。安静にし、しっかり休養をとりましょう。基礎疾患を持っている方は、風邪によって基礎疾患が悪化するケースもあるため、注意が必要です。

また、風邪をひくと、二次感染による合併症を起こすこともあります。合併症については「中耳炎、気管支炎、肺炎ほか風邪で起こりうる合併症について」で解説しています。

1週間以上たっても治らないときや症状がひどくなる場合は医療機関を受診しましょう。受診について、詳しくは「風邪をひいたらすぐにでも病院を受診すべき?」をご覧ください。

※疾患(しっかん)とはいわゆる病気のことです。

まとめ

風邪には特効薬がありません。身体をゆっくりと休め、しっかり栄養をとり、睡眠もたっぷりとり、身体を温める事が重要です。完全に治癒するまでは、安静にしましょう。

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