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難病指定の「再生不良性貧血」とはどんな病気?

更新日:2017/03/23 公開日:2016/03/28

貧血の基礎知識

貧血の種類でも難病に指定されている再生不良貧血。血液をつくりだす骨髄の異常により、赤血球などが減少し、体に酸素不足を起こす再生不良貧血について、原因や検査方法、治療方法などをドクター監修の記事で解説します。

貧血のなかでも難病指定されている「再生不良貧血」は、なぜ起こるのでしょうか?再生不良貧血が起こるメカニズムや診断方法、治療などを解説します。

再生不良性貧血とはどういう状態なのか

通常の貧血は、酸素を運ぶ役割の赤血球(ヘモグロビン)が低下することで起こります。しかし、再生不良貧血は赤血球だけでなく、血液を構成している白血球、血小板のすべてが減少してしまう状態が起こります。この状態のことを、「汎血球減少(はんけっきゅうげんしょう)」と呼びます。

赤血球の減少だけであれば、体内への酸素循環の低下に留まります。しかし、細菌から守る役割の白血球が減少すれば、免疫力が低下するため病気のリスクが高まります。血小板の減少は、出血した血が固まりにくくなります。このように通常の貧血よりも、異常な状態になってしまうのが再生不良貧血です。

再生不良貧血の原因

なぜ、血液を構成する重要な血球まで減少してしまうのでしょうか。その原因は、血液を作りだしている骨髄での異常です。なんらかの原因で、骨髄で血液をつくり出すための「造血幹細胞」が減少してしまうため、正常な血液が作りだせなくなるのです。

この状態になるのは、生まれつきある先天性のもの、そして生まれてから何かの原因で発症する後天性があります。先天性によるものは少なく、後天性のものが大部分を占めているのが現状です。しかも、発症する患者の9割以上は何が原因で発症しているのかが解明されていません。

原因が特定できる例も

原因が特定されているのは、薬剤の使用やウイルス感染によるものです。再生不良貧血は特定疾患(難病)に指定されています。毎年100万人で5人程度が新たに発症するとされています。

再生不良貧血の症状

再生不良貧血でも、一般的な貧血の症状と同様にめまいや頭痛、身体がだるくなる、疲れやすくなるといった症状が起きます。呼吸が速くなったり、心拍数がしたりすることで、息切れや動悸なども生じます。再生不良貧血では、こういった症状に加えて、血小板減少によって出血がしやすく、アザもできやすくなるのが特徴です。鼻出血や歯肉出血が起こることがあり、進行すると眼底出血や血尿なども発生することがあります。

再生不良性貧血の患者の中には症状がやがて、骨髄異形成症候群や発作性夜間血色素尿症、急性白血病などの血液疾患に進展することがあります。

病院での診断のための検査方法とは

血液検査によって汎血球減少が認められると、再生不良貧血が疑われます。骨髄から血液を採取する骨髄穿刺(こつずいせんし)や骨髄生検の検査を行います。また、MRI検査で骨髄の密度の低下が明らかになると、再生不良貧血と判断されます。骨髄異形成症候群との見極めが難しいケースでは、診断までに複数回の検査が必要です。

再生不良貧血の治療方法

再生不良貧血は、軽症や中等症の場合は経過観察となります。しかし、汎血球減少が進行していくと、リンパ球の働きを抑える免疫抑制療法がとられることが一般的です。重症例では、40歳未満は白血球の型が同じ血縁者からの同種骨髄移植が推奨されています。免疫抑制療法による効果がみられない場合には、骨髄バンクへ登録された白血球の型が同じ非血縁者ドナーによる、同種骨髄移植がとられることもあります。

再生不良貧血の経過

 軽症や中等症の患者の中には、汎血球減少があった場合でも、症状が進行しない、もしくは自然に回復するケースもあります。かつては、重症の場合には汎血球減少が進行し、半年で患者のおよそ半数が死亡するとされていました。しかし、最近では抗生物質やG-CSF、血小板輸血などの支持療法が発達したことから、免疫抑制療法や骨髄移植が早期に行われるようになりました。そのため、患者のおよそ7割が輸血が不要になるまでに改善し、9割近くの患者に長期生存が期待できるようになっています。

難病指定と医療費補助について

指定難病で一定以上の重症度の患者は、公費負担(医療費助成)を受けられることが可能です。

指定難病とは、以下の定義に基づく疾病のことを指します。

  1. 発病の機構が明らかとなっていない
  2. 治療方法が確立していない
  3. 希少な疾病である
  4. 長期の療養を必要とする
  5. 患者数が国内において人口の0.1%程度以下である
  6. 客観的な診断基準が確立している

なお、上記のうち1~4は一般的な難病の定義です。

難病指定にともなう公費負担には、一部自己負担が生じる場合と、全額公費負担になる場合の2種類があります。

また、多くの場合では重症度もしくは障害の程度が中等度以上に相当するケースに限って、公費負担(医療費助成)が受けられる仕組みになっています。ご自身が医療給付の対象となるかどうかわからない場合には、かかりつけの専門医や市区町村および都道府県の窓口へ問い合わせましょう。