肌のハリを守るための紫外線対策を見ていきましょう。
[目次]
肌のハリや弾力が失われる原因と紫外線による肌ダメージ
肌にハリや弾力をもたらしているのは、真皮に張り巡らされた「コラーゲン線維」と、それをつなぎ止めている「エラスチン線維」です。その隙間を埋め尽くすヒアルロン酸は、肌のうるおいを保つ役割を担っています。この3つの成分は、真皮に存在する「線維芽細胞」によって産み出されています。
また、紫外線の中には肌の奥の真皮層にまで達するものもあり、線維芽細胞にダメージを与えて細くなったり、切れたりします。すると、ハリや弾力が損なわれた肌が重力によって垂れ下がるようになり、肌がたるんでくるのです。
紫外線のうちUV-A波は真皮まで届いて肌にダメージを与える
太陽光には目に見える光の可視光線と、目に見えない紫外線があります。その中でももっとも波長の短い光が紫外線で、「UV-A」、「UV-B」、「UV-C」の3種類があります。
その中で「UV-C」は大気層で吸収され、地表には到達しません。ここでは、肌に届く紫外線「UV-A」、「UV-B」について紹介します。
UV-A
UV-Aは、地上に降り注ぐ紫外線の約95%を占めます。波長が長いので、雲やガラスはもちろん、表皮を透過して真皮まで届きます。ただしエネルギーが弱いので、浴びているという実感があまりありません。
UV-B
UV-Bは、エネルギーが強いので、短時間で皮膚の表面を赤くしたり、炎症を起こしたりするなど、いわゆる「日焼け」の原因になる紫外線です。ただし、波長が比較的に短いため、ダメージを受けるのは表皮が中心です。
これらの紫外線のうち、ハリの低下に大きく影響するのはUV-Aです。UV-Aは浴びていることにあまり気づきませんが、そのダメージは、じわじわと皮膚の奥に蓄積されていき、コラーゲンやエラスチンを変性させてしまうのです。
紫外線は一年中降り注いでいる
紫外線対策というと、「日差しが強い夏場の晴れの日だけすればいい」と思いがちですが、紫外線量は春先から高くなり始め、UV−Aについては、5~6月には真夏とほとんど同じくらいの強さになります。また、曇や雨の日、さらに日陰にいても紫外線がゼロというわけではありません。ハリを守るためには、夏だけでなく、秋や冬もしっかりと1年を通して紫外線対策をしたほうがよいでしょう。
生活シーンにあわせて、日焼け止めをうまく使い分ける方法
肌のハリを守るためには、外出する際は、日傘をさす、つばの広い帽子をかぶる、肌の露出を控えた服装をするなど、紫外線にさらさないようにしましょう。紫外線防止効果のある化粧品や、日やけ止めを使うのも有効です。
日焼け止めに記載されている「SPF」・「PA」値とつける際の注意点
「SPF」は、UV−Bを防ぐ効果を表し、数字が大きくなるほど効果が高くなります。最大表示数値はSPA50です。「PA」はUV−Aを防ぐ効果を表します。「+」「++」「+++」「++++」の4段階があり、+の数が多いほど効果が高くなります。
日焼け止めをつける際の注意点
「日焼け止めは、数値が高いものをつけておこう」と思う人もいるかもしれませんが、その場所の紫外線の強さ、浴びる時間、時間帯など、生活シーンに合わせて選び、効果的に日焼け止めを使うことが大切です。
また、日焼け止めは、塗る量が少ないと十分な効果が期待できません。さらに、SPF値は、SPF20にSPF30を重ねることでSPF50になるというように、単純に足して考えることができませんので、その点もご注意ください。
日焼け止めについて、詳しくは「日焼け止め」の効果と種類についてをご参照ください。
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