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脱水は3つのタイプにわけられる!?タイプ別の特徴とは

更新日:2018/06/05 公開日:2016/04/24

脱水症状の基礎知識

脱水症には、失われた成分で分類される3つのタイプがあります。タイプ別の特徴や身体に現れる症状について、ドクターの監修のもと詳しく説明します。また、自宅でできる対処法や危険な脱水についても解説します。

脱水症は身体の水分が不足することで、頭痛やめまい、吐き気や筋肉のけいれん、呼吸が乱れるなどの症状が現れることです。夏だけではなく、冬にも起こる可能性があり、重篤な症状に発展する場合もあります。ここでは、タイプ別の特徴を詳しく解説していきます。

脱水症とは

私たちの体の大半は、体液という水分で成りたっており、含まれている体液の割合は、成人で体重の6割・高齢者で5割・新生児では7~8割と年齢ごとに違いがあります。

体液は体内に入ってきた水分量と、体外へ出ていった水分量に大きな変化が無いようバランスが保たれています。このバランスが崩れて、体液が不足した状態が脱水症です。さらに、脱水症は失われた成分ごとに分類されます。

脱水症が起こる原因については、『脱水症状ってどんな状態?原因と対処法』でも詳しく解説していますので、参照ください。

脱水のタイプは失われた成分で3種類にわかれる

成人の身体で体重の60%にもおよぶ水分は、細胞内液と細胞外液にわけられます。細胞内液か細胞外液かによって電解質の組成が異なり、細胞内液にはカリウム、細胞外液にはナトリウムの電解質がより多く含まれています。電解質にはそれぞれに役割があり、常に濃度が一定に保つようにバランスをとっており、このバランスが崩れると細胞の働きが低下し、さまざまな不調をきたします。

脱水症は身体の水分が失われるだけでなく、電解質も同時に失われた状態になります。失われた成分によって以下の3タイプに分類されます。

  1. 身体の水分が不足する脱水
  2. ナトリウムが不足する脱水
  3. 水分とナトリウムが同時に不足する脱水

身体の水分が不足する脱水(高張性脱水)

水分が不足した脱水を高張性脱水(水欠乏性脱水)と言います。高張性脱水の原因は、発汗や水分摂取量の不足、尿の量が増加する、気づかぬうちに皮膚や粘膜から蒸散する不感蒸泄などがあります。身体の水分が少なくなるので、細胞外液中のナトリウムは濃度が高くなり体液は濃くなります。

細胞内液の水分が細胞外液へ移動することで循環血液量は保たれますが、細胞内液の水分は減少してしまいさまざまな症状があらわれます。のどの渇きを感じにくい高齢者や、のどの渇きを感じても自力で水分補給をすることが難しい小さな子供に多い脱水症です。

高張性脱水の症状
のどや口が激しく渇き、尿の量は減少します。身体の表面は皮膚の温度が温かく、色は赤みがありますが正常に近い状態です。水分の減少が進むと、発熱、意識障害、幻覚、体重減少がみられます。

ナトリウムが不足する脱水(低張性脱水)

細胞外液に含まれるナトリウムが減少する脱水を、低張性脱水(ナトリウム欠乏性脱水)と言います。細胞外液とは血液も含まれ、いわゆる血中のナトリウムが減少した状態と考えられます。そうすると、ナトリウムの血中濃度を保とうと、血液の水分が細胞内液に移動します。結果、血液量が少なくなり、循環不全を起こしやすくなります。

下痢、嘔吐、副腎機能の低下、大量の発汗、利尿薬の作用などが原因でナトリウムが減少し、低張性脱水の症状が現れます。

低張性脱水の症状
口の渇きは起こらず、頭痛、低血圧、麻痺、頻脈、意識障害などがみられます。皮膚の色は青白く、温度は冷たくなります。血液の濃縮により血栓ができやすくなります。

身体の水分とナトリウムの両方が不足する脱水(等張性脱水)

身体の水分とナトリウムが同じタイミングで不足し、ナトリウムの濃度に変化がない脱水を等張性脱水(混合型脱水)と言います。原因は主に、出血、下痢、熱傷などにより細胞外液が急速に失われることで起こります。

等張性脱水の症状
のどの渇き、口の中が乾く、食欲不振、嘔吐、めまい、倦怠感などが現れます。これら脱水の症状は、普段からこまめに水分を補給して予防することが大切です。激しい運動で大量の汗をかいたり、頻回な下痢や嘔吐によって消化液を失ったりした場合は、経口補水液などを利用し水分だけでなくナトリウムも補いましょう。

病院での脱水症の治療

日常で脱水の症状が現れた時には、電解質がバランスよく含まれた「経口補水液」などで補水をすることが理想です。口からの補水が難しいときや症状が改善しない場合は、すみやかに医療機関を受診してください。

医療機関では、失われた水分の補充と電解質のバランスを整えるために点滴による「輸液療法」が行われることもあります。医療機関において点滴を行う場合には、慎重に脱水のタイプを見極める必要があります。血液に含まれるナトリウムの測定を行ない、医師の判断のもと脱水症のタイプに適した輸液方法が選択されます。

自宅でできる脱水症の対処法

水分と電解質が体内に素早く吸収されるようにナトリウムとブドウ糖の濃度が調節された「経口補水液」が、脱水症の対処には最適です。大量の汗や嘔吐、下痢で失った水分をすみやかに補えますが、身体に負担がかからないよう冷やさずに少量ずつ飲むようにしましょう。

また、経口補水液は塩分が含まれているので、高血圧、心臓病、腎臓病などで塩分摂取を制限している人は薬でコントロールされた身体のミネラルバランスを崩す可能性もあります。持病のある方は、ドクターや薬剤師に相談してから利用するとよいでしょう。

経口補水液の作り方

経口補水液は市販品もありますが、自宅でも作ることも可能です。水1Lに対して、砂糖40g(小さじ4と半分)、塩3g(小さじ半分)を混ぜるだけと比較的簡単に作れます。また、オレンジやグレープフルーツの果汁を混ぜるとカリウムも補給できてより効果的です。

「かくれ脱水」や「中~重度の脱水」については、『自宅でもできる!脱水症状を起こしたときの対処法』を参考にしてください。

注意点

自分で水分を飲むことができ10~20分で症状が改善できれば安心ですが、回復しない場合やいつもと違う言動がある場合は重症化の可能性があります。すみやかに医療機関を受診してください。また、脱水症による熱中症が疑われるときは必ず側で回復を見守ることが大切です。

脱水症は冬でも起きます。油断せず日頃から対策を

水分摂取が少なくなる冬にも脱水症は起こります。また、冬にはノロウイルスやロタウイルスが流行し、下痢や嘔吐で水分と電解質が一気に減少する「等張性脱水」が起こりやすくなります。

寒いから大丈夫と油断せず、日頃から経口補水液を常備しておくようにしましょう。

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