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虫刺されで腫れるのは、なぜ?

更新日:2016/12/09 公開日:2016/04/18

虫による皮膚疾患

蚊やダニに刺されると、かゆみをともなう腫れが生じます。なぜ、虫に刺されると腫れるのでしょうか? ここでは、ドクター監修のもと、虫刺されで起こる腫れの原因とメカニズムについて解説します。

暖かくなってくると増える虫刺され。なんとなくかゆいと思って見てみると、腕や足に赤い腫れができていたという経験は、だれしも一度はあるはずです。ここでは、なぜ虫に刺されるとかゆみをともなう腫れが生じるのか、その原因とメカニズムについてわかりやすく解説します。

腫れの正体はアレルギー性の炎症反応

人を刺すことで皮膚に炎症を起こす虫には、ハチやアリなどの刺咬(しこう、刺したりかんだりすること)性の虫、蚊やダニなどの吸血性の虫、体に有毒毛を持つチョウやガの幼虫などの接触性の虫、の3つのタイプがあります。

ハチの毒針やイラガの幼虫の毒棘(どくきょく、毒をだすトゲのこと)に代表されるように、刺咬性の虫や接触性の虫には毒を持つものがあり、刺されたり触れたりすると毒によって痛みや発赤(ほっせき、皮膚が赤くなること)が生じます。これは、毒の成分の化学的な刺激によって起こるもので、だれにでも同じように生じます。

一方、蚊やダニなどの吸血性の虫に刺されると、かゆみをともなう腫れが生じます。これは、虫が人の血を吸う際に皮膚に注入する唾液腺物質に対して、アレルギー性の炎症反応が起こるためです。唾液腺物質には刺激性がほとんどないため、ハチに刺されたときのような痛みや発赤は起こりません。

アレルギー反応には即時型と遅延型がある

アレルギー反応は、蚊やダニなどの吸血性の虫に刺されたときだけでなく、ハチなどの刺咬性の虫やイラガの幼虫などの接触性の虫に刺されたり触れたりしたときにも起こります。これは、ハチやイラガの幼虫の持つ有毒物質に対してアレルギー反応が起こるためです。

蚊の唾液腺物質やハチの有毒物質が体内に侵入すると、私たちの体はこれらをアレルゲン(抗原)とみなし、IgE抗体が作られます。アレルゲンがIgE抗体と結合すると、肥満細胞が活性化され、細胞内からヒスタミンなどの化学物質が放出されます。ヒスタミンには血管の拡張作用や知覚神経を刺激する作用があるため、虫に刺された箇所が膨らみ、かゆみが生じるのです。このアレルギー反応は、虫に刺されてから5~30分程度であらわれます(即時型アレルギー反応)。

一方、虫刺されによるアレルギー反応には、刺されてから1~3日後に症状があらわれるものもあり、これを遅延型アレルギー反応と呼びます。唾液腺物質や有毒物質などのアレルゲンが体内に侵入すると、それらに対して特異的に反応するTリンパ球(白血球の一種)が活性化され、炎症反応を引き起こす物質(炎症性サイトカイン)が放出されるため、虫にさされた箇所にかゆみをともなう腫れが生じます。Tリンパ球の増殖や活性化に時間がかかるため、症状があらわれるのが遅くなります。

虫刺されの症状の程度には個人差がある

アレルギー反応は、体内に侵入してきた異物(アレルゲン)の情報を記憶し、再び同じ異物が侵入した際にすばやく反応できるような状態(このような状態になることを「感作(かんさ)」と言います)になっていなければ起こりません。そのため、生まれて初めて虫に刺されたときには、皮膚の腫れやかゆみが生じません。

虫刺されによる皮膚症状は、感作の成立状態によって異なります。たとえ同じ種類の虫に刺されても、症状の程度に個人差があるのはこのためです。虫刺されの腫れに対する治療法は、『虫刺されの初期対応と効果的な薬』で詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。

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