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顔の傷跡はレーザー治療で目立たなくなる?

更新日:2018.06.08
公開日:2016.04.18
ドクター画像
この記事の監修者
いなばクリニック 院長 稲葉岳也

傷跡を治すのにレーザー治療が有効であることは、広く知られています。傷跡にはニキビ跡や手術の跡、やけどの跡などさまざまな種類があります。ここでは、ドクター監修のもと、傷跡に対するレーザー治療の有効性について解説します。

傷跡が残る理由

肉芽組織や瘢痕組織が表皮から透ける

肉芽組織や瘢痕組織は、通常の皮膚とは色や性状が異なります。それらが表皮の下から透けると、傷跡として目立ってしまいます。

傷が治る過程がスムーズに進まなかった

たとえば、傷口から感染した化膿症状やその周りの血行不良などの理由で炎症期が長くなると、次の細胞増殖期も長くなり、神経芽細胞がコラーゲンを必要以上に作り出してしまう場合があります。すると肉芽組織が過剰にでき、傷口に赤みや盛り上がりができやすくなり、傷跡として目立ってしまいます。

レーザー治療が適している傷跡とは?

顔にできる傷跡には、水疱(水ぼうそう)の跡やニキビ跡のようにへこみのあるもの、平らなもの、皮膚が盛り上がっているものなどがあります。それぞれのタイプの傷跡に対するレーザー治療の効果は、以下のとおりです。

へこみのある傷跡

水疱(水ぼうそう)の跡のように、赤みのないへこんだ傷跡に対して、レーザー治療はとても有効です。炭酸ガスレーザーやエルビウムYAG(ヤグ)レーザーで傷跡の段差を削り、うまく平坦にできれば、跡を残さずにきれいに治すことができます。レーザーで削った部分は、傷が治るまで湿潤環境を維持する必要があります。

同じへこみのある傷跡でも、ニキビ跡は赤みが強いため、レーザー治療の前に外用薬や内服薬を使用し、ニキビを沈静化させる必要があります。赤みがとれたら、水疱の跡の治療と同じように、削るタイプのレーザーでへこんだ部分を平坦化します。最近では、施術後の色素沈着などの合併症のリスクが少ない、フラクショナルレーザーが効果的だとする報告も多くあります。

皮膚が盛り上がっている傷跡

やけどなどの傷が治ったあとに、皮膚が盛り上がった傷跡ができることがあります。このような傷跡は、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)やケロイドと言います。

肥厚性瘢痕やケロイドに対しては、色素レーザーが有効だといわれています。赤みのある肥厚性瘢痕では、赤みが薄くなる、皮膚の盛り上がりが平坦化するなどの効果が得られるだけでなく、痛みやかゆみなどの症状の改善も認められています。一方、ケロイドでも色を改善する効果が期待できるものの、根治するにはほかの治療法を併用するほうがよいと考えられます。

なお、肥厚性瘢痕の治療については、『赤く盛り上がった傷跡を消すには?』『傷跡を消すには、どんな薬が効果的?』をご覧ください。

皮膚が平らな傷跡

皮膚が盛り上がった肥厚性瘢痕は、数年たつと白っぽい平らな傷跡になります。これを、成熟瘢痕(せいじゅくはんこん)と言います。正常な皮膚との境目が目立つため、それをレーザー治療で改善できないかという要望は多くあるようですが、レーザーでは境界をぼかすことが困難です。切除できる範囲の大きさであれば、手術で切除するという方法があります。

傷跡を残さないようにするために

なるべく傷跡を残さないようにするために、なにができるでしょうか。

新陳代謝が正常な状態を保つ

表皮までの浅い傷の場合には、表皮細胞の新陳代謝が活発なため、約4週間で新しい細胞に置き換わり皮膚はほぼ元の状態に戻ります。表皮の下にある真皮に傷が達しても、厚さの半分以下でとどまっている場合は表皮細胞が傷口で正常に再生します。そのため、見た目には傷が残っていないように見えます。

正常な新陳代謝を保つために大切なポイントを3つ紹介します。

  • 傷口を潤す

傷は、乾燥しているよりも体液に浸っている方が新陳代謝を活発にします。傷口をキレイに洗い流し、ウェットタイプのばんそうこうなどを使うと、傷の治りもよいといわれています。

  • 栄養素をバランスよく摂る

正常な新陳代謝を保つためには脂肪酸、アミノ酸、亜鉛、マグネシウム、タンパク質、鉄、ビタミンA、Cなど多くの栄養素が必要です。いずれの栄養素も不足なく摂取するために、普段からバランスのよい食事を心がけましょう。

  • ストレスを溜めないようにする

ストレスは自律神経のバランスを崩し、新陳代謝を悪くするといわれています。自律神経の正常な働きをキープできるように、適度にリラックスできる環境を作りましょう。

一方、真皮の半分以上に達した深い傷では、表皮細胞ではなく肉芽組織が傷を埋めていくので、傷跡として残りやすくなります。

紫外線対策をする

傷口にできた新しい細胞に紫外線が当たると、そこだけ傷跡が目立ちやすくなります。また、シミになる可能性もあるため、傷ができたところは直接日差しが当たらないようにします。傷が治った後もワンシーズンは日焼け止めを塗るなどの紫外線対策を心がけましょう。気になる場合には季節に関係なく紫外線対策を行うとよいです。

かさぶたははがさない

かさぶたは本来、傷を止血し、新しい表皮ができるまで傷を感染から守ってくれています。はがしてしまうと傷の修復が妨げられ、傷跡が残りやすくなります。また、炎症性色素沈着(えんしょうせいしきそちんちゃく)というシミになることがあります。新しい表皮ができれば自然にはがれ落ちるものなので、無理にはがさないようにしましょう

レーザーの適応については医師とよく相談を

レーザー治療は、比較的患者の負担が少ないという利点がありますが、傷跡の治療で行う場合は保険適用外となります。また、患者によって傷跡の状態や程度が異なるうえ、どの機種のレーザーをどのくらいの強さで当てれば効果があるのか、ということもはっきりわかっていません。場合によっては、レーザー治療以外の治療法が適していることもあるので、まずは医師とよく相談することが大切です。

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