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さまざまな汗、多汗症に有効な漢方薬

更新日:2018/05/16 公開日:2016/04/20

多汗症の症状と原因

多汗症やあせもは、発汗異常の一つと捉えられ、発汗は自律神経の支配下にあります。種々の神経障害、自律機能の変化による発汗の異常に効果のある漢方薬とは。漢方専門医の監修のもと解説します。

多汗症(発汗異常)の漢方薬

発汗異常の漢方治療は発汗状態を重視し、これにより患者を区別していきます。具体的には発汗部位(全身、頭部、背部、手足など)と汗の出方(自汗、無汗、盗汗、労汗、漏汗)などで分けられます。また、全身性の多汗症で糖尿病など原因の疾患がある場合にはそれぞれの治療が優先になります。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

比較的体力のある方に使用します。へその上部や下部に動悸があって便秘傾向があり、不眠、多夢、不安、抑うつ気分などの症状がある場合に使用します。腰から下が何となく重いという症状もこの漢方薬を使用する目安になります。

のぼせを改善する桂皮、利尿作用を有する茯苓(ぶくりょう)、鎮静作用のある竜骨(りゅうこつ)、牡蛎(ぼれい)を配合しています。メーカーによっては大黄を含んでいる場合といない場合とがあります。

柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)

体力は普通でアレルギー体質の方に使用します。消炎・発散作用のある柴胡や薄荷(はっか)や連翹(れんぎょう)や栝楼根(かろこん)、排膿作用のある桔梗(ききょう)と牛蒡子(ごぼうし)を配合している体質改善の漢方薬です。荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)と類似します。

神経質で怒りっぽく、情緒不安定、触るとくすぐったがり、不眠、夜泣きなどの症状がある場合に使用します。また、慢性湿疹などにも使用します。

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

体力が普通の方に使用します。皮膚の色が浅黒く慢性の炎症性諸疾患を起こしやすい場合に使用します。また、手のひらや足裏の発汗、筋緊張の悪化、神経過敏のともなう場合にも使用します。

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

体力のない方に使用します。防已(ぼうい)と黄耆(おうぎ)という生薬が主に利水作用があり、むくみを取り除く働きがあります。

ブクブク太り、色白で多飲多汗し息切れしやすいタイプの方に使用します。症状としては、変形性関節症など水分を取り除くと軽くなるものに使用されること多いです。

黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)

体力のない方に使用します。疲れやすさや虚弱、元気がないことや腹部が軟弱なことが使用のポイントです。寝汗などの症状に使用します。黄耆(おうぎ)が止汗作用、利水作用を有しているのでむくみ、寝汗の解消などに使用されます。

玉屏風散(ぎょくへいふうさん)

体力は比較的少ない方に使用します。汗を多くかき、風邪を引きやすい方など免疫力の低下した方に向いてます。

ほてりからくる汗など身体に水分が不足しがちな場合に使用します。構成生薬は防風(ぼうふう)、朮(じゅつ)、黄耆(おうぎ)といういずれも水分の調節をする生薬です。

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

比較的体力のあり、イライラ傾向とのぼせのある方に使用します。また出血傾向のある場合にも用います。

気分がイライラして落ち着かず、胃や胸のあたりにモヤモヤとしたつかえがある方に向いています。特に黄芩(おうごん)、黄連(おうれん)を配合していることで消炎作用、解熱作用が増強されており、熱を持った症状を取り除く漢方薬です。

加味逍遥散(かみしょうようさん)

体力はない方に使用します。脈や腹力は弱く、胸の痞えや背中が急に熱くなったかと思うと、あとに寒くなるという症状があって、いわゆる不定愁訴(ふていしゅうそ)が多い場合に使用します。昔から女性の心気症的傾向の症状に繁用されます。

女神散(にょしんさん)

体力は普通でのぼせやめまいなどの神経症症状に使用します。訴える症状は多くなく、限定されていることも特徴です。(頭痛や肩こりなど)みぞおちのつかえや下腹部の圧痛を訴える方に使用します。香附子(こうぶし)など香りが良く、気をめぐらせる生薬が多く配合されています。

竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

比較的体力のある方に使用します。下部腹直筋の外側が緊張し、排尿障害や手のひらや足の裏に汗をかいたりする場合に使用します。竜胆(りゅうたん)、黄芩(おうごん)、山梔子(さんしし)という清熱作用がある生薬や、当帰という血流改善作用のある生薬が処方されています。