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AED(自動体外式除細動器)の正しい使い方と注意点

更新日:2018/06/05 公開日:2016/05/20

一次救命処置

心肺蘇生に用いるAEDは、音声にしたがって操作すれば誰にでも使える医療器具です。診断機能が備わっているため、電気的な刺激の必要性を自動で判断してくれます。AEDの基礎知識や使用方法について、ドクター監修のもと解説します。

AEDの使い方がわからなくても大丈夫、誰でも簡単に使えます。しかし、事前に方法を知っていれば、いざというときに自信をもって使うことができます。

AEDとは

AEDとは「Automated External Defibrillator」の頭文字を取ったもので、日本語では「自動体外式除細動器」と呼ばれています。今では駅や職場、学校、店舗などさまざまな場所に設置されており、目にしたことがある方も多いでしょう。

AEDは「突然、心臓のリズムに異常が発生した人」に対して、電気ショックを与えることで再び正しい心臓リズムに戻し、蘇生させるための治療機器です。人が急に倒れたり、脈がなくなったりするもっとも一般的なきっかけは心室細動です。AEDは、この心室細動による心停止をくい止めるのに有効です。

誰でも使えるAED

以前、AEDは医療関係者が使う医療器具でした。しかし、緊急時のAED対応で多くの命が救われることから2004年に一般人でもAEDを使った一次救命処置ができるようになりました。ただ、倒れている傷病者にAEDによる電気的な刺激が必要なのかどうかは、一般人では判断できず、AEDを使うことへの戸惑いが生じるかもしれません。

しかし、そのような心配は無用です。電気的な刺激が必要かどうかは、AEDの診断機能が自動的に行います。必要がない傷病者であればAEDは作動せず、不必要な刺激を与えてしまうこともありません。また、AEDは自動音声で操作方法を指示してくれるので、その手順にしたがって操作すれば適切に使用することができます。AEDの使用に際して重要なのは「躊躇しないこと」。一刻も早い行動が、傷病者の命を守ります。

応急手当の基本

  1. 119番通報とAEDの要請
  2. 胸骨の圧迫(心臓マッサージ)
  3. AEDによる電気ショック

傷病者の反応がない場合は大声を出すなどして周りに協力を求めるとともに、すみやかに119番に通報し、胸骨の圧迫やAEDを開始しましょう。

AEDの使用手順

  1. AEDの電源を入れます。機種によってはAEDを開くと自動的に電源が入るものもあります。
  2. 傷病者の胸をはだけ、電極パッドを胸に貼ります。電極パッドに貼る位置が記載されているので、それを参考に2枚の電極パッドを胸に貼り付けます。その際、肌と電極パッドの間に隙間ができないよう、しっかり貼り付けます。心臓ペースメーカーを装着している傷病者(胸にこぶのような出っ張りがあります)の場合、8cm以上、離して貼り付けます。
  3. 心電図が張り付けられると、「傷病者から離れてください」など自動音声が流れ、心電図解析が自動的に始まります。機種によっては解析ボタンを押します。AEDが不要なときは「ショック不要」の音声指示が流れるので胸骨圧迫を再開します。「ショック不要」の場合でも、心肺蘇生しなくてよいということではありません。胸骨圧迫や人工呼吸を継続して行うことが大切です。
  4. 電気的な刺激が必要なときにはAEDの充電が自動的に始まります。傷病者の体に触れないよう離れ、音声ガイドにしたがって「ショックボタン」を押します。瞬間的に傷病者の体がつっぱるように動きます。
  5. 1回目のAEDが終了すると、電極パッドは貼ったまま胸骨圧迫をすぐに開始します。約2分後に再びAEDの心電図解析が自動的に始まり、音声指示にしたがってショックボタンを押します。

AEDの中には持ち出すと警報のような音が鳴る機種もありますが、火災報知機とは異なり、119番に自動通報する仕組みにはなっていません。

こんなときはどうする?

傷病者の体が濡れている場合
電気が水を伝って流れてしまうので、AEDの効果が十分に発揮できません。必ず乾いたタオルなどで胸を拭いてから、電極パッドを貼りましょう。
傷病者の胸毛が多い場合
胸毛が多いと、電極パッドが肌に密着せずAEDの効果が薄れたり、やけどの原因になることもあります。できるだけしっかりと密着するよう電極パッドを貼り付けましょう。
傷病者の体に貼り薬や湿布がある場合
電極パッドを貼る位置に貼り薬や湿布がある場合は、まずそれらをはがしてください。薬が残っていたらきちんと拭き取ってからパッドを貼りましょう。

胸骨圧迫のポイント

あお向けに寝ている傷病者の胸やおなかの動きを見てください。呼吸がないか、息をしていない場合は胸骨の圧迫(心臓マッサージ)が必要です。

  1. 手を重ね合わせ、上側の手の指を下側の指の間に差し込み、握り締めます。
  2. 手の根元を傷病者の胸の真ん中(胸骨の下半分)に添え、両ひじをまっすぐ伸ばして体重が垂直にかかる姿勢で圧迫します。
  3. 胸が5センチほど沈むまで、しっかり体重をかけて押し下げ、すぐに緩めます。「強く、速く、たえまなく」を心がけ、1分間に少なくとも100回のテンポで圧迫し続けましょう。
  4. 人工呼吸ができる場合は、気道を確保し、鼻を軽くつまんで口から息を吹き込みます。胸骨圧迫30回ごとに2度人工呼吸を行うのが1サイクルです。

AEDと人工蘇生の組み合わせ

AEDが早く到着したときにはAEDを優先して行い、AEDが作動していないときは胸骨圧迫を絶えず継続します。心肺蘇生法も、胸骨圧迫+人工呼吸の組み合わせから胸骨圧迫+AEDになります。AEDの刺激を受け、傷病者が嫌がる素振りを見せたり動き出したりしたときにはAEDを中止しますが、電極パットははがさずに装着したままにしておきます。

1歳未満の乳児にもAED?

「救急蘇生法の指針2010」が発表され、新生児を含む1歳未満の乳児にもAEDが使用できるようになりました。AEDの機種によっては就学前の子供に使用できる小児用パッドや、小児モード付きのものもあります。ただ、新生児にAEDを使用するケースはまれで、心肺蘇生を中心に行うことが推奨されています。1歳以上8歳未満の小児には電気的な刺激を減退させる小児用パッドの使用が推奨されていますが、ないときには成人用パッドで代用することができます。