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頭を打った時の応急手当―頭痛や吐き気は危険?病院の何科に行くべき?

更新日:2018/05/16 公開日:2016/05/23

応急手当

歩いていて転んだ、自転車でぶつかった、高いところから転落したなどして頭を打ったときは、どのように対応すればいいでしょうか。どんな症状が出ていると危険なのでしょうか。ここでは、頭を打った時の対処法と応急手当についてドクター監修のもと解説します。

◎短くポイントをまとめると
心肺停止している場合は119番通報して一次救命処置を行う
意識低下、頭痛、悪心・嘔吐、ひきつけや痙攣、耳や鼻からの出血がある場合なども119番通報を
頭を打ってから1日は慎重に様子を見て、何かあったら救急外来や脳神経外科などを受診
数週間~数か月後に頭痛や嘔吐、脱力感やふらつきなどの症状が現れたら、病院へ

頭部打撲のイメージ写真画像

頭を打った時にこんな症状があれば即119番!

転倒や転落、事故などで頭を打った時に、呼吸がない、心臓が止まっているという場合は119番通報し、一次救命処置(心臓マッサージや人工呼吸、AEDなど)を行いましょう。具体的な一次救命処置については日本医師会が作成した資料が参考になります。

大人に対する一次救命処置

乳児や小児に対する一次救命処置

また、呼吸や心拍には問題がなくても、下記のような症状が一つでもあれば脳に損傷を負っている可能性があるので、すぐに119番通報しましょう。

  • 意識がない/もうろうとしている
  • 呼びかけても返事がない
  • 返事をしてもすぐに眠り込んでしまう
  • いびきをかいている
  • ひきつけや痙攣を起こしている
  • 腕や足を反らせるような姿勢になっている
  • 瞳孔(ひとみ)の大きさが左右で異なる
  • 瞳孔に光を当てても小さくならない
  • 身体の片側だけ動きがおかしい
  • 手足がしびれている
  • 両手・両足を自分の意思で動かすことができない
  • 頭痛や吐き気・嘔吐がある
  • 耳や鼻から出血している
  • 目の周りや耳の後ろにあざ(皮下出血)がある

救急車が到着するまでの応急処置

呼吸や心拍がない場合は、救急車が到着するまで一次救命処置を続けます。救急隊が到着したら、どのようにして頭部を打撲したのかを聞かれます。いつ、何をしていたときに、どのような物に当たったのかなどを、できるだけ詳しく伝えましょう。これが迅速な治療と救命につながります。

心肺は正常だが意識がない場合や嘔吐している場合

心肺に問題はないけれども、意識がなかったり嘔吐したりしている場合は、「回復体位」を取らせて安静にします。回復体位とは下のイラストのような姿勢であり、もし嘔吐しても吐物が口から出やすく、窒息するのを防ぐことができます。下顎を軽く前に突き出すようにすることと、身体と首がねじれないようにすることがポイントです。腕と足を曲げて横向きの姿勢から倒れないようにしましょう。

回復体位

意識がある場合

頭が少し高くなるようにして寝て、安静にします。布団や毛布などを丸めて、そこに上半身を預けるような体勢がいいでしょう。首は曲がらないように、まっすぐになるようにしましょう。

首を痛めている可能性がある場合

首の骨(頚椎)を痛めている可能性がある場合は、首がグラグラしないように、両側から包み込むようにそのままの姿勢で安定させます。無理に頭を高く保つ必要はありませんので、そのまま寝かせてください。頭を引っ張ったり、動かしたりしてはいけません。

頭から出血している場合

頭皮は血流がいい場所なので、大量に出血することがあります。どこにどのくらいの傷口があるのかを冷静に確認して、汚れを水道水で洗い、清潔なガーゼや布などで傷口を押さえて圧迫止血しましょう。

耳や鼻からの出血がある場合

耳や鼻からの出血がある場合は、頭蓋底が骨折している可能性がありますので要注意です。血は流れるままにし、清潔なガーゼやタオルを軽く当てて病院に行きましょう。脱脂綿やティッシュなどをつめて止血してはいけません。

たんこぶができている場合

頭部を打った後に、たんこぶ(頭皮下血腫)ができた経験は誰にでもあるでしょう。たんこぶは冷やして安静にするのが正しい対処法です。氷をビニール袋に入れ、周りをタオルで巻いて当てましょう。

頭を打った後、どのくらい注意していればいい?

「頭を打った時にこんな症状があれば即119番!」の項目であげたような症状がなく、意識もすぐに回復したような場合は、自宅で様子を見ることも可能です。頭のなかには脳があるため心配になりますが、一過性の症状だけで問題なく経過する場合がほとんどです。過度に心配する必要はありません。

頭を打ってから1日経つまでの注意点

頭を打った当日は運動を避け、できるだけ安静にしてください。入浴や飲酒は控えましょう。頭を打ってからすぐには症状が出なくても、数時間後から頭痛や嘔吐、意識障害などが出始めることがありますので、注意深い観察が必要です。容態に変化があれば、救急車を呼ぶか、病院(救急外来、脳神経外科、脳神経内科、一般内科など)を受診しましょう。

頭を打ってから2日~数か月が経つまでの注意点

頭を打ってから数週間~数か月かけて、頭蓋内でじわじわと血腫(血の塊)が大きくなっていき、脳を圧迫して頭痛や嘔吐、脱力感やふらつき(片麻痺)、認知機能低下などの症状が現れることがあります(慢性硬膜下血腫)。もしこのような症状が出た場合は、お近くの脳神経外科、脳神経内科、一般内科などを受診してください。特に高齢者や生活習慣病のある人、血液をサラサラにする薬(抗血小板薬、抗凝固薬)を服用している人は注意しましょう。

頭を打った後の後遺症

頭を打った後に何かの後遺症が出るのではないかと心配になる方もいらっしゃるかもしれません。入院が必要になるほどの重症だった場合は、退院後に記憶力の低下に気づくケースもありますが、入院が必要でない程度のケガであれば、多くの場合は後遺症の可能性は低いと考えていいでしょう。

ただし、脳震盪のうしんとうを起こした場合に、頭痛、めまい、ふらつき、不眠、吐き気、感情の不安定さなどが起こることがあります。これは脳震盪後症候群と呼ばれる病気です。これらの症状は数週間~数か月にわたり続きますが、自然に治ります。

頭を打った後に気になる症状が出ているなら、かかりつけ医や脳神経内科などのクリニックで診てもらいましょう。

参考文献

  1. ・日本救急医学会監. “頭部外傷” 標準救急医学 第5版. 医学書院 2014; 376-386
  2. ・寺田浩明. “頭をけがしたとき” 家庭の医学 第6版. 保健同人社 2008; 37-39
  3. ・岡島重孝総編. “頭にけがをしたときの手当” 家庭医学大事典 小学館 2008; 131

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