皮膚掻痒症は、その原因がさまざまであることから、治療法も原因となる症状や疾患によって異なってきます。その上で、基本的な治療法などを見ていきましょう。
病気が原因の場合は、治療が最優先
皮膚掻痒症の治療は、かゆみの症状を引き起こしている原因が何であるのかを見極めることから始まります。もし、何らかの病気が原因であるとわかれば、その病気を治療することになります。皮膚掻痒症の原因となる病気としては、肝機能障害や腎機能障害をはじめとした、さまざまな内臓疾患や全身疾患があります。
皮膚掻痒症の原因となる病気については『皮膚掻痒症の原因とは』をご覧ください。
乾燥が原因の場合は、保湿が基本
皮膚掻痒症の一番の症状は、皮膚のかゆみです。そして、かゆみを引き起こす原因に「乾燥」が関係していることが多いのです。ですから、基本的な治療方法として、皮膚や粘膜の乾燥を改善するために保湿をしっかりおこなうことが重要になります。主に使用されるのは、ワセリンや尿素を含んだ軟膏などですが、その肌症状や肌質に合わせた保湿剤を選ぶとよいでしょう。これらの保湿剤をかゆみの出る場所にこまめに塗ることで、皮膚の乾燥を防ぎ、バリア機能を補い、かゆみを和らげことに期待がもてるのです。
その他の原因に対する治療法
かゆみは、ストレスなどの心理的な要因で起こったり、増強したりすることもあります。その場合、医師による十分なカウンセリングが行われ、症状によっては、抗不安薬が処方されることもあります。
そのほかにも、日常生活の中でできる対処法として、カフェインを多く含む飲料、アルコールや香辛料を控えることなども挙げられます。また、肌に刺激を与える衣類を着用するのをやめたり、皮膚を清潔に保つための正しい入浴習慣、室内の湿度を適切に管理することなどをして、生活習慣や環境を見直すことで、皮膚掻痒症が改善することもあります。
症状を悪化させないために薬の使用をすることもある
かきすぎてできた湿疹には、ステロイド剤を使用
皮膚掻痒症では、一度かゆみが出るとなかなかおさまらず、皮膚を傷つけるまでかいてしまうことがあります。かきすぎて湿疹ができてしまった場合、ステロイド外用薬を塗り、治療することがあります。ただし、ステロイド外用薬は、皮膚掻痒症を根本的に改善するものではなく、症状を抑えている部分が大きいので、外用薬を使いながら、体の内部からのケアも忘れずに行うとよいでしょう。
一時的なかゆみへのアプローチには、内服薬を使用
内服薬の服用で、かゆみを抑える方法がとられることもあります。たとえば、かゆみが特に強いときは抗ヒスタミン剤などを内服して、かゆみを抑えることがあります。また、漢方薬により皮膚の乾燥を軽くすることで、かゆみにアプローチをする場合もあるでしょう。
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