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亜鉛不足が味覚障害を招く原因とは

更新日:2018/06/26 公開日:2016/05/20

味覚障害の基礎知識

亜鉛不足による味覚障害が増えています。亜鉛が不足すると味覚障害になる理由をドクター監修の記事でお伝えします。亜鉛不足を防ぐために、亜鉛を多く含む食品を知っておきましょう。亜鉛の吸収を妨げる食品も理解しておいてください。

亜鉛不足によって味覚障害になる人が増えています。亜鉛不足と味覚障害の間にはどのような関係があるのでしょうか。また、亜鉛不足の人が増えているのはなぜなのでしょうか。

味覚障害とは

舌には味蕾(みらい)という味覚受容器があり、脳神経に味を伝えています。ところが、舌の炎症や口の乾燥、感染症、全身疾患、心因性疾患などにより味を感じられない、味がおかしくなるといった味覚障害が起こることがあるのです。

味覚障害を引き起こす原因は多岐に渡りますが、亜鉛の欠乏によるものが多いといわれています。味覚障害は50~60歳以降に多くみられる病気ですが、食生活の乱れにより最近では若い人にも増えてきました。

亜鉛不足で味覚障害になる理由

味覚を感知する味蕾は細胞分裂が盛んな部位なので、亜鉛酵素が豊富に分布しています。亜鉛が不足すると、味蕾の特徴的な形態が失われ、感覚細胞としての機能が損なわれます。

亜鉛は唾液腺にあるガストリンの構成にも関与していて、それが味覚受容器に生理的な役割を果たしているとされています。味覚細胞の入れ替わりは早く、亜鉛不足に敏感です。

亜鉛不足になる原因

亜鉛は必須ミネラルの中でも特に不足しやすい成分です。亜鉛の吸収率は約30%と考えられています。また、亜鉛不足の人が増えている原因として、食生活などが関係しています。

食生活の問題

若い人の味覚障害は、亜鉛欠乏性によるものがほとんどです。過度なダイエットや偏食、コンビニ弁当、インスタント食品、加工食品の摂取といった食生活に問題があるといわれています。コンビニ弁当やファストフードの食べ物などには亜鉛が細胞に取り込まれるのを妨げる亜鉛キレート作用の強い食品添加物が多く使われています。

薬の服用

制酸剤、抗生物質、冠血管拡張剤などは、亜鉛の吸収を妨げます。高齢者の味覚障害では、薬物もチェックをしておいた方がよいでしょう。ほかにも、亜鉛の吸収を妨げる作用のある降圧薬や抗うつ薬といった薬剤の長期服用による亜鉛不足も味覚障害の原因となります。

アルコールの摂取

お酒などを飲んだ後、体内でアルコールをアルデヒドに分解するときに必要な「アセトアルデヒド脱水素酵素(アルコールデヒドロゲナーゼ)の活性」には亜鉛が必須です。アルコールの解毒には亜鉛がたくさん消費されるというわけです。そのため、アルコール多飲者は通常、亜鉛欠乏にあります。肝臓中亜鉛濃度とアルコールデヒドロゲナーゼ活性の間には明らかな相関があります。二日酔いを起こしやすい人は亜鉛不足も一因かもしれません。

亜鉛を多く含む食品

亜鉛不足による味覚障害を防ぐために、亜鉛を多く含む食品を積極的に摂取しましょう。亜鉛は肉類全般に多く含まれるほか、種実類や豆類、魚介類、卵類に多く含まれています。亜鉛を多く含んでいる食品は、以下の通りです。

魚介類や海藻類

  • 牡蠣 13.2mg
  • 煮干し 7.2mg
  • するめ 5.4mg
  • カニ缶 4.7mg
  • うなぎ 2.7mg

亜鉛は食品の中でも特に牡蠣に豊富に含まれています。男性ならば大き目の牡蠣4個、女性ならば3個ほどで1日に必要な亜鉛の推奨量を摂取することができます。

肉類や卵類

  • ビーフジャーキー 8.8mg
  • 豚レバー(肝臓) 6.9mg
  • 牛肩肉 5.0mg
  • 牛ひき肉 4.3mg
  • 卵黄 4.2mg

牛肉やレバー、卵黄などにも亜鉛は多く含まれています。亜鉛不足を感じたら牛肉やレバーを摂取するとよいかもしれません。豚レバーの場合は、レバー串1本でおよそ30gになります。1本食べると2mg以上の亜鉛を摂取できるのでおすすめです。

豆類・木の実

  • 松の実 6mg
  • ごま 5.9mg
  • 凍り豆腐(mg乾燥) 5.2mg
  • きな粉 3.5mg
  • 大豆(乾) 3.2mg
  • 油揚げ 2.4mg
  • 納豆 1.9mg

豆類、木の実には亜鉛が比較的豊富に含有されているため、ベジタリアンの人にとっては有効な摂取源です。間食を松の実などのナッツ類にしたり、大豆製品を意識して摂取したりするようにしたら、亜鉛をたっぷりと摂取できるでしょう。

乳製品

  • パルメザンチーズ 7.3mg
  • 脱脂粉乳(粉) 3.9mg
  • プロセスチーズ 3.2mg
  • カマンベールチーズ 2.8mg
  • 牛乳(普通) 0.4mg

亜鉛の吸収率を上げる食品、下げる食品

亜鉛に限らずミネラル全体に言えることですが、食べるときにビタミンCやクエン酸、リンゴ酸などの酸性を示す栄養素と一緒に摂取すると、吸収率が上がるのでおすすめです。コーヒーは亜鉛の吸収を50%低下させます。コーヒーが好きな方は少なくとも飲む1時間前あるいは飲んだ2時間後に亜鉛を服用する方がいいかもしれません。ほかにも、加工食品に含まれているポリリン酸という成分は、亜鉛の吸収を阻害します。また、鉄やカルシウムと同様に、亜鉛は胃酸の分泌が落ちると吸収が低下します。

亜鉛の過剰摂取

通常の食事で亜鉛の過剰摂取を気にする必要は基本的にありません。しかし、大量に摂取しすぎると急性中毒を起こすことがあるので、成人男性の場合は1日に40~45mg、成人女性で30~35mgを上限に摂取しましょう。

亜鉛を過剰摂取した場合の症状

耐用上限量を長期間摂取し続けた場合は、まれに以下のような症状が出ることがあります。

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 低血圧
  • 下痢
  • 黄疸
  • 胃障害
  • 腎機能障害

慢性的な亜鉛の過剰摂取でまれに現れる症状

  • 相対的に鉄が欠乏することによる貧血症状
  • 相対的に銅が欠乏することによる貧血症状
  • 免疫障害
  • 性機能の低下
  • 味覚や嗅覚機能の低下
  • 善玉コレステロールの低下
  • 抗酸化機能の低下

亜鉛不足は食生活から改善

前述したように、亜鉛は通常の食事で過剰摂取になることは、基本的にありません。亜鉛を多く含む食品を賢く取り入れましょう。また、味覚障害の原因は亜鉛不足のほかにもさまざまです。複数の要因が重なって生じているケースも多くみられます。原因を正しく特定するためには、味覚機能検査を受けることができる耳鼻咽喉科や味覚専門外来への受診をおすすめします。