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失明に至ることも!強度近視治療の重要性

更新日:2017/03/15 公開日:2016/06/23

近視の基礎知識

強度近視とは、眼軸の過度な延長や近視の度合いが強いなどの状態を言います。病態によっては失明につながる可能性もあるため、早めの治療が重要です。強度近視のメカニズムから治療の必要性について、ドクター監修のもと解説します。

「強度近視」という状態をご存知ですか。ここでは、近視との違いから強度近視の治療の必要性までご紹介します。

近視と強度近視の違い

近視はどうして起こるの?

目に入ってきた光は、角膜と水晶体を通って屈折し、網膜に像を映し出します。このとき、目はピントを合わせようと水晶体の厚さを調節していますが、近視になるとこの調節力がうまく働かず、網膜で焦点を合わせることが難しくなります。

近視の原因は多くは分かっておらず、遺伝的な要素や、読書のしすぎやパソコン画面の見すぎなど、環境的な影響もあるとされています。

強度近視のメカニズム

近視の度合いは、近視度(ディオプター「D」)で表され、-8D以下は「強度近視」と言います。また、成人の眼球は直径約24mmの球形をしているのですが、なんらかの原因により、眼球の前後方向の長さである眼軸の長さが、異常に延長した病態(眼球が前後に長い楕円形になっている状態)も「強度近視」と言います。多くは、27mm以上、長い人では30mmを超える方もいます。強度近視の視力は、目を細めたりしない状態で、遠くから指を目の前に近づけてくると、眼前11cmくらいに近づかないとはっきり見えない状態です。

ディオプターとは

近視度を表す単位であり、目の屈折力を表します。裸眼で何メートル先まで、はっきりと見えるかを意味していて、たとえば、-1.0Dでは100cm先、-2.0Dでは50cm先まで、はっきりと見えるという意味になります。

強度近視は2つに分けられる

強度近視は「軸性近視」「調節性近視」の2種類に分けられます。

軸性近視

眼軸が前後に伸びることによって、近視が生じることを「軸性近視」と言います。そのことが原因となり、網膜より手前で焦点が合ってしまい、像がぼやけて見えることになります。軸性近視が強くなる種類の強度近視になると、眼軸の延長の程度が大きく、眼底にさまざまな異常を来たす危険性があります。

調節性近視

角膜と水晶体を通った光が網膜に焦点が合うよう調節できない状態により起きる近視を、「調節性近視」と言います。水晶体の厚みの調節がうまく行かない時に生じます。

強度近視治療の重要性

病的近視から視力障害、失明に至る可能性もある

強度近視は、眼底にさまざまな異常を来たす病的近視の状態となる危険性があります。また、病的近視で新生血管がある方が治療しなかった場合、高度な視力障害や失明に至る可能性があるといわれています。

病的近視の多くが含まれる強度近視は、先進諸国における失明原因の上位にあり、日本においては平成17年度における視覚障がい者の原因疾患の第5位ともなっています。とりわけ、失明については、強度近視からなりうる病的近視の第4位ともなっているため、強度近視の治療が必要な場合、早期に対応することが重要であると言えます。

さまざまな合併症や、緑内障などに進行するおそれも

強度近視はさらに、さまざまな合併症を引き起こすおそれがあります。目の前に黒い虫のようなものが現われる飛蚊症や、眼底の委縮、ガラス体(硝子体)の変化、網膜剥離の原因になることもあります。また、強度近視があると、緑内障や白内障を引き起こす確率も高まります。

強度近視の方は、定期的に検査を受けることをおすすめします。できれば通常の眼底検査だけでなく、「OCT検査」など網膜の断層を撮影する精密な検査を定期的に受けるのがよいでしょう。

強度近視の治療法

強度近視自体は治療の対象にはなりません。強度近視が確認されていても、眼底に異常が生じていなければ、経過を観察することになります。強度近視で眼軸が延長したことで、網膜や脈絡膜への負担が増し、眼底に異常が生じた場合については、症状によって治療が必要になることがあります。

治療の主な流れとしては、脈絡膜から新生血管が発生した場合は「VEGF阻害薬」が考えられます。また、網膜剥離などの牽引性黄斑症を発症した場合は、手術が用いられることも考えられます。

強度近視の傾向がある場合、ドクターと相談しながら経過を観察し、早期発見・早期治療に繋げられるようにしていくことをおすすめします。