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先天性甲状腺機能低下症とは

更新日:2016/12/09 公開日:2016/06/28

甲状腺機能低下症の基礎知識

甲状腺機能低下症には、いろいろな種類がありますが、そのひとつに、生まれつき起こる「先天性甲状腺機能低下症」があります。今回は、この先天性甲状腺機能低下症の原因や症状などをご紹介していきます。

先天性甲状腺機能低下症がどんな病気なのかを見ていきましょう。

生まれつき甲状腺の働きが弱い「先天性甲状腺機能低下症」

先天性甲状腺機能低下症は、甲状腺の働きが生まれつき弱いために、甲状腺ホルモンが不足してしまう病気で、「クレチン症」とも呼ばれます。この病気の発症頻度は、出生児3,000〜5,000人に1人程度と推定されています。

先天性甲状腺機能低下症の原因

先天性甲状腺機能低下症の原因は、生まれつき甲状腺がない、もしくは小さいといった形成不全、本来は喉仏(のどぼとけ)のあたりにある甲状腺が舌の根元にある、甲状腺ホルモンの合成がうまくできない、甲状腺に分泌司令を出す脳の視床下部や下垂体の機能に問題があるなど、多岐にわたります。しかし、なぜこうした問題が生じるのかは、はっきりとはわかっていません。

先天性甲状腺機能低下症の症状

胎児や新生児にとって、甲状腺ホルモンは、脳や体の発育・成長に欠かせないホルモンなので、それが不足した状態では、知能や体が正常に発育できません。

このため、先天性甲状腺機能低下だと、おっぱいの飲みが悪い、泣き声がかすれている、体重が増えない、黄疸が長引く、皮膚の乾燥、手足が冷たい、むくみ、便秘など、さまざまな症状が次第に現れてきます。

また、生後数か月で「クレチン顔貌」と呼ばれる独特な顔つき(目と目がはなれている、唇が分厚い、舌が大きい、鼻の横幅が広い、額が狭い)になり、そのまま成長すると、手足が短く、お腹がふくらんだ体型になります。さらに、運動機能発達の遅れ、知能の障害も現れることがあります。

先天性甲状腺機能低下症の予後について

先天性甲状腺機能低下症でも、生後3か月以内に治療を開始できれば、上記のような症状は現れず、正常に発育できる可能性も高いですが、治療開始が生後12か月以上経ってからになると、知能障害が残ってしまうことがあります。

そこで、現在の日本では、生後5日以内に採血をして甲状腺機能を調べる「新生児マススクリーニング検査」を実施しています。この検査が導入されたことで、先天性甲状腺機能低下症の早期発見・早期治療が可能になり、成長や発達面での予後が改善しています。

先天性甲状腺機能低下症の治療方法

新生児にとって、生後2か月以内の甲状腺機能は、知能の発達に不可欠なので、検査の結果、甲状腺機能の低下が疑われる場合は、すぐに治療を開始します。

治療では、不足している甲状腺ホルモンを補うために、1日に1回、甲状腺ホルモン薬の「レボチロキシンナトリウム(チラーヂン)」を内服します。薬は、一生飲み続けることになりますが、成長段階に合った適切な量を服用する必要があるため、定期的に身長、体重、骨の発育などをチェックし、量を調節することになります。

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