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デベソとは違う?臍ヘルニアとは?赤ちゃんと大人の症状について

更新日:2018/06/08 公開日:2016/06/29

臍ヘルニアの基礎知識

単なるデベソだと思っていても、実は臍ヘルニアという病気かもしれません。臍ヘルニアとはどういう病気なのでしょうか。臍ヘルニアになる原因、治療はどのように行うのか、臍ヘルニアの予後と再発についてドクター監修のもと、まとめました。

臍ヘルニアとはどのような病気なのでしょうか。その原因と治療法、そして予後と再発について見ていきましょう。

臍(さい)ヘルニアとは?

臍ヘルニアはへその緒が取れた後、へそが飛び出し「デベソ」と似たような状態になる赤ちゃんに多い病気です。余った皮膚が飛び出す「デベソ」に対し、臍ヘルニアは腸や腹膜が筋肉の隙間から飛び出している状態です。

臍ヘルニアは、赤ちゃんの約4%にみられる病気です[1]。しかし、臍ヘルニアは自然に治癒する確率が非常に高い病気で、2歳までに90%前後は自然に治ってしまうため[1]、もし赤ちゃんが臍ヘルニアだったとしても、経過を見るケースがほとんどです。

また、中には成人になってから臍ヘルニアになる場合もあります。

臍ヘルニアの症状

赤ちゃんは痛みを伴わず自然治癒がほとんど

赤ちゃんの臍ヘルニアは、乳幼児期に自然に治ることが多いので2歳くらいまでは、手術はせず、経過観察するケースがほとんどです。

成人の臍ヘルニアと異なり、ヘルニアに腸がはまり込む腸内嵌頓(ちょうないかんとん)や非常にきつくはまり込むことで血流が絶たれてしまうことはまれなので、比較的安心して経過観察することができます。

大人は進行度によって症状が異なる

臍ヘルニアの症状は、その進行度によって大きく異なります。腸内嵌頓は、重いものを持ち上げたり、咳をしたりして腹圧が上がった時にだけ出ることがありますが、腸が出ている部分が膨らんでいる以外に症状が出ることはあまりありません。

しかし、腸内絞扼が起こると、痛みや不快感は絶え間なく起こり、徐々に悪化すると、吐き気や嘔吐などの症状が出ます。このとき臍ヘルニアが起きている部分を無理に押し込もうとしても、押し込むことはできず激しい痛みに襲われます。

絞扼を起こしてしまうと、6時間くらいで患部が壊疽(えそ=細胞が死んでしまうこと)してしまい、腸破裂や腹膜炎などを引き起こし、最悪の場合死に至ります。

臍ヘルニアになる原因

赤ちゃんが臍ヘルニアを発症する原因

5~10人に1人の割合で、赤ちゃんのときに発症する臍ヘルニアの原因は、臍帯(へその緒)がくっついていた部分の臍輪が、きちんと閉じきっていないことによる臍輪閉鎖不全です。胎児はもともとへその緒の血管から栄養を得ているので、産まれてくるまでは臍輪は閉じていません。へその緒を切り落とした後で、徐々に閉じてくるものですが、この臍輪がきちんと閉じきっていないこと(臍輪閉鎖不全)が原因で赤ちゃんの臍ヘルニアは起こります。

臍輪閉鎖不全の状態で赤ちゃんが泣いたり、いきんだりすることで、お腹に圧力がかかり、筋肉の閉じていない隙間から腹膜などが押し出され、飛び出してしまうのです。

成人が臍ヘルニアを発症する原因

成人になってから発症する臍ヘルニアは、赤ちゃんの場合は筋肉がきちんと閉じないことが原因であるのに対し、身体の変化や手術など、なんらかの要因でへその下の筋肉の膜に隙間ができてしまうことが原因です。

  • 太りすぎによる腹圧の上昇
  • 頻繁な妊娠による腹圧の変化
  • 腹腔内の液体による腹圧の上昇
  • 手術によりできた腹部の筋肉の隙間

このようなケースで臍ヘルニアが発症することがあります。腹圧の上昇または筋肉に隙間ができることで、筋肉が耐え切れなくなって、腸や腹膜などの内臓が押し出されると、成人でも臍ヘルニアは起こります。

臍ヘルニアの検査、診断方法

基本は触診によって診断し、特に問題がなければ経過観察となります。

赤ちゃんの場合は成人と異なり、臍ヘルニアは指で圧迫すると、飛び出した腸管は簡単に元に戻すことできるので、「デベソ」ではなく臍ヘルニアであると確定することができます。

2歳くらいまでは、基本的には経過観察となりますが、痛みがある場合は、ヘルニアが癒着しており、可能性は低いものの腸内嵌頓を起こしていることもあるので、できる限り早く受診することが必要です。

また、子供は絞扼を起こすことはめったにありませんが、成人は子供に比べると腸内嵌頓や絞扼を起こす確率が高く、自然治癒する可能性もほとんどないので、すぐに治療が必要になります。

臍ヘルニアの治療法

赤ちゃんの場合、基本は経過観察

赤ちゃんの臍ヘルニアは、乳幼児期に自然に治ることが多いので、2歳くらいまでは、手術はせず経過観察するケースがほとんどです。筋肉が発育してくる1歳の誕生日を迎える頃には、95%以上の臍ヘルニアは自然治癒するといわれています。一方で、2歳を過ぎても治らない臍ヘルニアは自然治癒が難しいと考えられていて、手術をするケースが多いといわれています。

手術の場合、かかる時間は1時間ほど

手術の目的は、ヘルニアの原因となっている筋肉の隙間を閉じ、臍ヘルニアが再発しないようにすることです。1時間程度で終わる比較的簡単な手術です。

子供は手術中じっとできないので、全身麻酔が選択されることが多いでしょう。2歳を過ぎて自然治癒は難しいとはいっても、嵌頓になる確率は低いと考えられていますが、外見の問題を考慮して、小さいうちに手術を行うことが多くなっています。

全身麻酔を施すため病院や症状にもよりますが、大人ならば日帰りで手術を受けることも可能かもしれません。

治療費用は?保険はきく?

医師が臍ヘルニアで手術が必要と判断した場合は保険適用となります。赤ちゃんの場合は、保険だけでなく乳幼児医療公費の対象となるため、医療費はほとんどかからないことが多いでしょう。

臍ヘルニアの予後と再発

臍ヘルニアは予後良好で、手術の成功率も非常に高いです。手術後、再発防止のためにへそにガーゼや綿を詰めて1週間ほど過ごさなければなりませんが、無理をしなければ翌日から日常生活を送ることもできます。再発リスクもほとんどありません。

参考文献

  1. [1]矢内 洋次ほか. 小児臍ヘルニア嵌頓の1例, 日小外会誌 2013; 49(7): 1229-1233